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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(66)『黒い羽根』誉田哲也(光文社文庫)

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今年の読書(66)『黒い羽根』...
最近の著者は、女性刑事が活躍する <ジウ>シリーズ (Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ) などをはじめ、テレビドラマや映画にもなりました 『ストロベリーナイト』 を第一作目とする<姫川玲子>シリーズなど刑事物が人気ですが、本来は伝記小説や ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞した 『アクセス』 などのホラー物を得意としていました。

本書もそのホラーサスペンスともいえる内容で、最後まで展開がどうなるのかと一気に読み終え、最後の4行の締めくくりには唸ってしまいました。

23歳の<君島典子>は、右肩に「黒い瑕」があり、幼い頃から激しい痛みと出血に悩んできましたが治癒することなく、病院を転々とした末にたどり着いたのが遺伝子治療でした。

同じような境遇の治験者と山里離れた軽井沢の山奥にある研究所を訪れるのですが、そこには何体もの惨殺された死体が点在していました。
犯人は何者なのか、閉ざされた施設の中で<典子>たちの恐怖の時間が始まります。

DNAという医学的な要素を取り入れたホラーサスペンスとして、楽しめた一冊です。
#本 #読書

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今年の読書(65)『ゴンベン』小川勝己(実業之日本車文庫)

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今年の読書(65)『ゴンベン』...
ここ3年ぐらいになるでしょうか、書評などで「イヤミス」(後味の悪い、嫌なミステリー)という言葉が使われ、<湊かなえ><沼田まほかる><明野照葉><真梨幸子> 等の著者名が思いだされます。

本書は2012年12月刊行と少し古いのですが、『ゴンベン』というタイトルに興味がわき手が伸びました。警察関係の小説は好きな分野で、隠語で「汚職」は<サンズイ>と呼ぶように、<ゴンベン>は「詐欺」を意味しています。

主な登場人物は6名、女子大生の<歩>と<夏子>を中心として、その取り巻きが起こす詐欺の手口が描かれていくと同時に、6人が歩んできた人生を並列させ、「詐欺」をビジネスとして面白く描いていました。

本来このような犯罪ゲームは映画『スティング』や、<ジェフリー・アーチャー>の『百万ドルを取り返せ』のように、死人が出ることもなく明るさが魅力的でしたが、冒頭で述べましたように、本書は「イヤミス」的な内容が入り、また「イヤミス」的な終わり方をしています。
#本 #読書

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今年の読書(64)『三つの秘文字』S.J.ボルトン(創元推理文庫)

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今年の読書(64)『三つの秘文...
イングランド北東110キロ離れたシェトランド諸島を舞台とするのは、<アン・クリーブス>の 『大鴉の啼く冬』 がありましたが、まさに島に伝わる伝説を生かした構成でした。

夫<ダンカン>と共にシェットランドに越してきた産科医の<トーラ>は、亡くなった愛馬を埋めようと庭を掘り出しますが、そこで出産間もなく亡くなり心臓がえぐられた若い女性の死体を発見、背中には三つの「ルーン文字」が刻まれていました。

女性の身元が分かりますが、彼女は解剖による推定死亡時期よりも前に死んでいることが判明、<トーラ>は産科医の立場から調査を開始、同じく島外から移ってきた女性刑事<デーナ>と協力、文字に隠された不可思議な事件の真相に迫っていきます。

(上・下)2巻に渡る表紙には原題である「Sacrifice(犠牲)」がデザインされていますが、北海の閉鎖的な土壌をうまくとらえた作品で、また翻訳者の<法村里恵>の訳も読みやすく、最後まで面白く楽しめました。
#本 #読書

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今年の読書(63)『眺めのいい部屋売ります』ジル・ジメント(小学館文庫)

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今年の読書(63)『眺めのいい...
ニューヨークのイースト・ヴィレッジに立つ築106年のアパートには、エレベーターがありません。画家の<アレックス>78歳と元国語教師の妻<ルース>77歳は、45年間、5階の眺めのいい部屋に住んでいました。

子供が無く、ミニチュア・ダックスフントの愛犬<ドロシー>12歳と穏やかな日々を送っていましたが、足腰が弱ってきた彼らは、エレベーター付きのアパートに変わる計画を立て、自宅を売却することに決心します。

明日がオープンハウスというとき、<ドロシー>に椎間板の異常が見つかり急きょ入院手術、またテロリストと思われる人物が、アパートに近いミッドタウン・トンネルでタンクローリー事故を起こし逃亡するという事件が発生します。

物語は終末の金曜日に始まり、<ドロシー>の病気を気にしながらも。自分たちの新しいアパートも探さなければならず、月曜日までの三日間の出来事が描かれています。
老夫婦の洒脱な会話を中心に、合わせて<ドロシー>の目線で語られ、人と動物の織りなすゆるぎない信頼関係に、犬好きとしてはほっと心安らぐ一冊でした。
#本 #読書

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今年の読書(62)『八ヶ岳・やまびこ不動産へようこそ』長田一志(祥伝社文庫)

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今年の読書(62)『八ヶ岳・や...
本書はプロローグと五つの連作短篇から構成されていますが、不動産を扱っている物語だけに、「第一章」との表示の代わりに「物件Ⅰ」といった言葉が使われています。

日本では同じ住宅としても、建築家は「作品」と呼び、ハウスメーカーはいい「商品」と呼び、不動産業者はいい「物件」と呼び分ける慣習があり、おかしな表現だと思うのですが社会的に認知されているところに、日本の住空間の貧しさを感じてしまいます。

本書の主人公<真鍋智也>は36歳、東京出身ですが仕事を辞め、妻と娘には逃げられ、八ヶ岳が見える町を訪れるのですが、貧血で倒れたところを<やまびこ不動産>の社長の奥さんで専務の<望月真知子>に助けられ、そのまま就職してしまいます。

なぜか彼には、「死にたい」という相手の願望を感じ取る力があり、そのことがそれぞれの物件案内を通し、悲喜こもごもの家族や友人との心の絆のとして描かれ、心地よい人生の再生物語が味わえる一冊でした。
#本 #読書

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今年の読書(61)『無限記憶AXIS』ロバート・C・ウィルソン(創元SF文庫)

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今年の読書(61)『無限記憶A...
「SF」の分野も大好きで、大御所の<アーサー・C・クラーク>や<アイザック・アシモフ>・<ロバート・A・ハインライン>などはよく読みました。多くの本を処分してきましたが、今手元に残し、数年に一度読み直す単行本が、<ダン・シモンズ>の壮大な物語<ハイペリオン>シリーズ4部作です。

40億年におよぶ地球の相対的時間封鎖を解くと同時に、謎の「仮定体」は、地球と結ぶ巨大なアーチを出現させ、その先は未知の惑星「新世界」とつながっていました。
人類がこのアーチを使い自在に行き来をするようになって30年過ぎたある日、失踪した父親を探すために<リーサ>は夫と共に「新世界」にやってきます。

かたや火星人類の寿命延長措置を受けた「第四期」(幼年期・青年期・成人期をこえた)人たちのもとで、不思議な力を持つ12歳の少年が育てられていましたが、「新世界」に不思議な<灰>が振り注ぎ、「新世界」は一万年からの眠りから目覚めます。

前作『時間封鎖(上・下)』を読んでいないと、少し分かりづらい個所もありますが、「仮定体」として<不完全な自己犠牲および自己集合能力を持つ準有機体>との疑問はそのままで、続編に引き継がれていくようです。
#SF #本 #読書

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今年の読書(59)『巨悪利権』濱嘉之(文春文庫)

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今年の読書(59)『巨悪利権』...
第1作目の 『完全黙秘』 で始まった<警視庁公安部・青山望>シリーズとして、第5作目の 『濁流資金』 に次ぎ、本書が第6作目です。

大分県湯布院温泉で、岡広組二次団体三代目博福会顧問の<相良陽一>が変死体で発見され、使用されたのが毒矢に塗られた「トリカブト」だと判明します。

「トリカブト」のDNE検査の結果、<青山>は京都の仏像盗難事件で殺された住職の事件との絡みを掴み、岡広組との関連を捜査する過程で、京都の清水組を中心とする宗教団体や病院経営、中国からの爆買ツアーを隠れ蓑にマネーロンダリングや薬物の密輸の核心に迫っていきます。

福岡と京都のヤクザ組織の対立と同様に、中国マフィアと上海マフィアという中国共産党の代理戦争の構図を描き、宿敵の<神宮寺武人>を逮捕する場面で本書は終わります。

同期4人のカルテットの一人である<青山>のみがまだ独身であり、前作から話題に上っている同期<藤中克範>の妻<節子>の従妹である<武末文子>とのお見合い話がようやく実現され、今後の<青山>の動向も気になるシリーズです。
#本 #読書

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今年の読書(58)『濁流資金』濱嘉之(文春文庫)

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今年の読書(58)『濁流資金』...
<警視庁公安部・青山望>シリーズとして、『機密漏洩』 に次ぎ、5作目が本書です。
仮想通貨の取引をしている「京都ゴックス」の社長<武田良一>が銃殺される事件を発端に事件は始まります。

前作の事件で功績のあった<青山望>を含むノンキャリアの同期カルテット4人は、それぞれ重要な部署に配置換えされ、<青山>は公安部公安総務課に復帰、警察内の情報を一望できる部署で持ち前の能力を発揮していきます。

「京都ゴックス」の捜査にからみ、政財界のホープたち11人が次々と不審死で亡くなる事件が気になる<青山>は、仮想通貨を利用してマネーロンダリングする組織の存在を確信、やがては元暴走族グループの<神宮寺武人>や元広岡組の引退した経済ヤクザ<清水保>に焦点を当てていきます。

警視庁と各県警、捜査部門と公安、キャリアとノンキャリアといった対比も面白く、今後の中国マフィア絡みの展開が楽しみなシリーズです。
#本 #読書

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神戸ご当地(448)映画『植物図鑑』公開記念キャンペーン

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神戸ご当地(448)映画『植物...
今朝方の『讀賣新聞』の朝刊三面にて、<有川浩>の 『空飛ぶ広報室』 の広告と合わせて、『植物図鑑』 が、6月4日(土)に松竹配給映画として公開されるのを知りました。

原作『植物図鑑』(角川書店)の表・裏表紙の見返りには、野草たちがカラー写真で掲載されていますので、<有川浩>ファンとして、また花好きとして手にした一冊でした。

どういうつながりがあるのか、このたび『植物図鑑』の映画公開を記念して、神戸市交通局と「そごう神戸店・西神店」が<エコショッピング>キャンペーンを、5月10日(火)から5月29日(日)の期間にて実施されます。

キャンペーンは、市営地下鉄各駅や北神急行電鉄谷上駅窓口でスタンプを押したキャンペーンチラシの裏面に、期間中にそごう店で購入した(2160円)以上のレシートを貼って応募ボックスへ投函すると、抽選で30組60人に本作の映画チケットや「原作本・非販売ポストカードセット」がプレゼントされます。
#映画 #本 #読書

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今年の読書(57)『星々たち』桜木柴乃(実業之日本社)

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今年の読書(57)『星々たち』...
本書には連作短篇として9篇が収められていますが、幕開けは18歳のときに娘<千春>を生んだ<咲子>が登場、奔放な性格で母親に<咲子>の養育をまかせっきりに、スナックに勤務しているところから物語は始まり、この時<千春>は13歳でした。

第2篇目から<千春>が登場、16歳で隣家の大学生に妊娠させられ、その母親に連れられ子供を堕胎、18歳のときにはススキノの「ろまん座」で<杉原麗>としてストリップ嬢になり、22歳では食品会社の配達員をしていたことにより41歳の<木村晴彦>と結婚しますが、長く続きません。
やがて二度目の結婚で娘<やや子>を産みますが、その生活も波状していきます。

読み手としてはこれは同じ<千春>なのかと訝りながらも、反面母親の人生をも代弁しているのに気づかされていきます。

<咲子>から<千春>、そして<やや子>と北海道を舞台として女三代が歩む人生の哀歌を繋げながら、研ぎ澄ました筆致で昭和から平成の時間軸を背景に見事に浮き彫りしてゆく手法は、直木賞を受賞した 『ホテルローヤル』 と同様に読み応えがありました。
#本 #読書

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