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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(78)『逆転 二係捜査2』本城雅人(角川文庫)

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今年の読書(78)『逆転 二係...
本書『逆転 二係捜査2』は前作『宿罪 二係捜査1』に続く書下ろし3ケ月連続刊行の第2弾にとして、2023年10月25日に発売されています。

10年前、日野市の女児殺害の容疑で逮捕された「野村栄慈」 は、二審で逆転無罪となっていますが、その「野村」が、再び逮捕されます。茨城で殺害された女児の発見現場付近で、彼の車と姿が防犯カメラに映っていました。

日野市の事件を担当した警視庁の「信楽」と「森内」は、「野村」の余罪を洗うべく捜査を開始します。一方、10年前に「野村」の無罪を勝ち取った人権派弁護士の「岸」は、今回の事件でも弁護人を引き受けます。

二係の「信楽」と「岸」は10年前の事件でトラブルを起こした経緯があり、今回は捜査の表舞台に出ることはなく、部下の「森内」が主人公的な動きで事件の解決に取り組み、衝撃の結末が待ち受ける展開となります。

法廷物でよく使用されます刑事事件での「一時不再理」を芯に据え、「野村」を追い詰めていく筋書きに目が離せませんでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(77)『僕が死んだあの森』 ピエール・ルメートル(文春文庫)

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今年の読書(77)『僕が死んだ...
著者の作品としては、『その女アレックス』『監禁面接』以来となる本書は、2023年10月10日に文庫本として発売され、本書は年代ごとの3章で時代ごとに描かれています。

〈1999年〉 母とともに小さな村に暮らす12歳の少年「アントワーヌ」は、サントゥスタッシュの森で、自作した秘密基地(ツリーハウス)の下で興味を示さない隣家の6歳の男の子「レミ」を、誤って殺してしまいます。殺すつもりはなく、いつも一緒に遊んでいた犬が死んでしまったことと、心の中に積み重なってきた孤独と失望とが、一瞬の激情となって木の枝で殴っただけでしたが、幼い子供は死んでしまいます。

死体を森の中のブナの木の穴に隠して家に戻った「アントワーヌ」は、その途中で大事なダイバーズウォッチを無くしているのに気づきます。子供の失踪に村は揺れ、警察もメディアも村にやってきます。母の薬を大量に摂取して「アントワーヌ」は自殺を図りますが、「デュラフォア医師」の往診で、食中毒とされ殺人の件を悟られた感がぬぐえない「アントワーヌ」でした。

〈2011年〉 事件後のクリスマスイブの夜、村は暴風雨に合い、村は洪水となり、捜査も中断されてしまいます。「アントワーヌ」は村を出て医学生となりますが、ブナの木がある森の再開発計画が持ち上がり、子供の白骨死体が発見されてしまいます。

〈2015年〉 母の交通事故で村に戻った「アントワーヌ」は、子供の頃の憧れの「エミリー」と一線を越えてしまい、その後「エミリー」の妊娠がわかり、結婚して医師として村に住み着くことになります。その際「デュラフォア医師」の診療所と営業権を買い取りますが、「デュラフォア医師」から母の人生の裏面を聞かされ、驚く「アントワーヌ」でしたが、殺人事件は迷宮入りになりそうな流れで物語は終わります。

殺人現場で落としたダイバーズウォッチ紛失の件が、その後文中に出てこず、腕にしていないのに母からの指摘もないのが不思議でしたが、後半で集大成的に物語を締めくくる構成は、先読み不可能で、細やかな筆致で「アントワーヌ」心の変化を描く犯罪文学の傑作で、最後の2行には、あまり芋見事な結末の文章で唸ってしまいました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(76)『ほんまつ』松岡未優(扶桑社)

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今年の読書(76)『ほんまつ』...
俳優<松岡茉優>(28)のデビュー20周年を記念した初の著書『ほんまつ』が、扶桑社から発売されています。映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年・監督:吉田大八)やドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系・2022年 7月16日 から 9月24日)などで共演した<仲野太賀>が表紙写真を撮り下ろしています。

著書『ほんまつ』では、20年の年のキャリアを持つ俳優としての顔、28歳の等身大の姿など、今の<松岡未優>のさまざまな一面を知ることができます。

<松岡未優>自身が執筆した7編のエッセイを収録するほか、<伊藤沙莉>、<是枝裕和>、<三谷幸喜>、<リリー・フランキー>など、これまで作品をともにしてきた俳優や監督、そして<松岡未優>が大ファンと公言するマンガ『BEASTARS』(『週刊少年チャンピオン』にて2016年41号から 2020年45号)の作者<板垣巴留>とのコラボレーション企画などで構成されています。

<仲野太賀>による撮影企画は<松岡未優>の希望によって実現。表紙のほか中面31ページにわたって掲載され、<松岡未優>が親しい友人にしか見せないという素の表情を垣間見ることができます。
#ブログ #写真 #単行本 #漫画 #芸能 #読書

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今年の読書(75)『新版三島由紀夫が復活する』小室直樹(毎日サンズ)

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今年の読書(75)『新版三島由...
本日11月25日は、私の大好きな作家<三島由紀夫>(1925年〈大正14年〉1月14日~1970年〈昭和45年〉11月25日)の命日です。三島ファンでない限り、覚えておられる方も少ないと思いますし、NHKラジオ第一の『ラジオ深夜便』での「本日の出来事」にも出てきませんでした。

本書『新版三島由紀夫が復活する』は、今年の4月16日に発行されていましたが、本日に合わせて、じっくりと読んでいました。

自決事件があった〈水曜日〉当時は、中学3年生でしたが、図書委員で三島好きを知ってくれていました担任の国語教師が、「おい、三島が死んだぞ」と教えてくれた時のショックは、今でも強く心に残っています。

三島ファンとして多くの初版本を収集していますが、初めての小説集『花ざかりの森』だけは、中学生には手の出ない金額でした。元町通商店街にありました黒木古書店の店主に見せていた初版本は、夢にまで出てきたものです。

大学生になり、『三島由紀夫全集』が新潮社から全36巻で発行されましたが、毎巻楽しみで揃えました。

生誕100年周年も間近なだけに、どのような企画がなされるのか、今から楽しみにしています。
#ブログ #新書 #読書

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今年の読書(74)『田舎のポルシェ』篠田節子(文春文庫)

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今年の読書(74)『田舎のポル...
著者<篠田節子>の作品は、公害問題と自然の驚異と神秘に触れた『アクアリウム』以後、NHKでも放送が控えていますドラマ『仮想儀礼』の原作となりました、宗教問題を扱った『仮想儀礼』にいたく感動、『沈黙の画布』『冬の光』『銀婚式』『鏡の背面』と読み継いできています、お気に入りの作家です。

本書『田舎のポルシェ』は、2021年4月に単行本として刊行、2023年10月10日に文庫本が発売され、中篇3作品が収録されています。

◆表題となっています『田舎のポルシェ』は、東京の実家の米を引き取るため大型台風が迫る中、岐阜から強面ヤンキーの運転する《軽トラック(=田舎のポルシェ)》で東京を目指す「増島翠」の、波乱だらけの強行軍を、お互いの人生の境遇を綴りながら、家父長制度と気質・田舎と都会の対比に鋭いメスを入れた作品です。
◆「ボルボ」は、妻同士が知り合いで不本意な形で大企業勤務の肩書を失った「伊能」と「斎藤」が意気投合し、「伊能」は20年落ちの《ボルボ》を廃車する前に最後の思い出と学生時代を過ごした北海道へ旅行することになりますが、《ボルボ》の最後は思わぬ展開を迎えます。
◆「ロケバスアリア」は、コロナ禍で劇場が使えない中、貸し切りでレンタルできるとあって、憧れの歌手「宮藤珠代」が歌った会場で唄いたいという「畔上春江」は思い立ち、孫の「大輝」は、勤め先の《ロケバス》をレンタルして、映像と曲のDVD作成のために具術者の「神宮寺」と一緒に「春江」と浜松のホールまで出向きます。

それぞれの作品は、その時代を背景として、登場人物の歩んできた人生を見事な文章で優しく表し、自動車と道路の関係のように、それぞれに登場する《自動車》もまた主人公とするロードムービーならぬロード小説として味わい深く楽しめました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(73)『もう、聞こえない』誉田哲也(幻冬舎文庫)

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今年の読書(73)『もう、聞こ...
本書『もう、聞こえない』は、2020年8月に単行本として刊行され、2023年10月5日に文庫本として発売されています。

なんとも不思議な構成の『もう、聞こえない』でした。全体的には、殺人事件を中心とする〈警察小説〉なのですが、背景となる二人の女性の〈シスターフッド小説〉や、〈言霊〉としての幽霊が事件解決に導く〈ゴースト小説〉の要素もあり、展開が読めない物語でした。

部屋に押し入った男を正当防衛で殺害、傷害致死容疑で逮捕された週刊誌の記者「中西雪実」でしたが、罪を認め高井戸署の事情聴取に応じるも、こわもての刑事の前では、動機や被害者との関係については多くを語りません。警視庁捜査一課の「武脇刑事」が担当となりますが、突然「声が、聞こえるんです」と言い始めます。一向にわからぬ被害男性の身元でした。

そこに浮上したのが、14年前の「足立美波」の未解決殺人事件でした。ふたつの事件を繫げるのは、「中西雪実」に取りつく〈言霊〉としてこの世に残る幽霊の「足立美波」の未解決事件を追い求めて記者になった幼馴染の「寺田真由」でした。

14年前の殺人事件を追い求める「真由」は「美波」を殺した男に殺害され、自分のあとが待ちして配属された「中西雪実」と協力して、「美波」の無念を晴らそうとします。 

骨太の純粋の警察小説ではありませんが、それなりに楽しめた一冊でした。
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今年の読書(72)『レインメーカー』真山仁(幻冬舎文庫)

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今年の読書(72)『レインメー...
アルツハイマー病を扱った『神域』に続く医療問題を扱った本書『レインメーカー』は、2021年10月に単行本として刊行され、2023年10月5日に文庫本として発売されています。

タイトルの《レインメーカー》は文中にも説明が出てきていますが、米国において「訴訟で大儲けをする弁護士」のことを意味しています。

IT企業を経営している父「野々村喬一」と大学教授の母「結子」の保育園に通う一人息子の「喬太」は、高熱で病院に運ばれましたが、救急小児科医師の懸命の救急治療も及ばず亡くなってしまいます。悲嘆に暮れる「喬一」の県会議員の祖父は、政治的ライバルである病院を、医療過誤だと医療訴訟に強い「日向法律事務所」を使い病院を提訴します。そこで病院から弁護の依頼を受けたのが、先代の「日向法律事務所」から独立した敏腕弁護士「雨守誠」でした。

救えなかったら医師が悪いのか。「法律は悲しみを癒す道具じゃない」との信念に基づいて、「雨守」は医療現場の矛盾や不条理に斬り込んでいきます。

脇役として新聞記者「四宮智子」や、「雨守」の新人所員「多岐だ早苗」などの見せ場がもっとあってもと感じながら、最後は尻すぼみな結末で、「法廷サスペンス」という割には少し落胆しましたが、医療訴訟、小児の医療問題としての子育ての家庭環境、病院のM&A問題等を考えさせられる一冊でした。
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今年の読書(71)『棘の街』堂場瞬一(角川文庫)

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今年の読書(71)『棘の街』堂...
本書『棘の街』は、2004年3月に 幻冬舎より刊行され、  2009年10月 に幻冬舎文庫としてすでに発売されていますが、2023年9月25日に、角川文庫として発売されています。

「刑事・鳴沢了」シリーズ〈全10巻+番外編『七つの証言 刑事・鳴沢了外伝』、 第4作目からは文庫書き下ろしで刊行〉が3冊ほど刊行されている時期での骨太の刑事物です。

地方都市・北嶺で起きた17歳の高校生誘拐事件。県警捜査一課の39歳の敏腕刑事「上條元」は、事件の捜査中、身代金受け渡しの場所の公園で重大なミスを起こしてしまいます。結果、被害者は戻らず犯人を挙げることができずに、事件は未解決のままでした。

事件発生から1年後、被害者の白骨遺体の発見を機に、北嶺署の捜査本部に異動、本部の捜査方針は無視して再び一人で事件を追い始めた「上條」は、実家の近くで、暴行を受けていたある一人の少年を助けます。彼との出会いをきっかけに、事件は思わぬ方向に動き始めるのでした。

「上条」が生まれ育った町「北嶺」を舞台に、誘拐された少年の母親との過去の関係、同級生との関係、自分の父と、別れた子供との親子関係が、複雑に重なり合い物語は進み、意外な結末で締めくくられる541ページでした。
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今年の読書(71)『宿罪 二係捜査1』本城雅人(角川文庫)

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今年の読書(71)『宿罪 二係...
新聞広告での〈3カ月連続刊行〉の見出しに惹かれ、手にしました<本城雅人>の『宿罪 二係捜査1』で、文庫本書下ろしとして2023年9月25日に発売されています。

15年前、17歳の「清里千尋」が突如失踪しました。不良少女だった彼女の人生の夢を見つけ応援していた町田署の「水谷早苗巡査」は病に倒れ、帰らぬ人となりました。失踪事件当時、「水谷」と同僚だった「香田警部」は、彼女の葬儀に際し、「遺体なき殺人事件」を専任とする警視庁〈二係〉の「信楽京介」に、再捜査の協力を願い出るのでした。

「香田警部」は、「水谷」が「千尋」の発見ができなかった無念さを弔うためにも、癌で入院中の義父である元相模原南署の「菊池和雄」の協力の下、「信楽」の部下「森内洸」と協力して捜査を再開します。

その頃、中央新聞の警視庁担当の39歳独身の「藤瀬祐里」は、「信楽」が秘密裏に追う事件に迫ろうとしていました。刑事と記者のそれぞれの想いと信念が、空白の15年を再び動かすとき、事件の真相が浮かび上がります。

遺体無き殺人事件を捜査する〈二係〉の、調書から読み取る情報と足で稼ぐ情報という非効率の捜査の中に、真実を見いだしていく刑事の本能ともいえる執念がち密に描かれた一冊でした。若手刑事の「森内」の成長と、「中央新聞の女酒場放浪記」と呼ばれる酒好きの「藤瀬」の今後が気になる「二係捜査2」に引き込まれる、シリーズの幕開けでした。
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今年の読書(69)『薔薇色に染まる頃』吉永南央(文春文庫)

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今年の読書(69)『薔薇色に染...
『萩を揺らす雨』で始まりました「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズも2022年10月に刊行されました本書『薔薇色に染まる頃』で10作目になり、2023年9月10日に文庫本が発売されています。

生活食器としての焼き物販売を併設しています珈琲屋「小蔵屋」を営む「杉浦草」を主人公として、紅雲町内で起こる過程的な事件や人間関係を舞台に、「お草」の活躍を描くミステリーということで謎解きのシリーズが始まっていますが、今回ようやく本格的なミステリー仕立ての構成でした。

一度は売ったものの手放したことを後悔していた金細工の帯留めが戻ってきたと、旧知の東京のアンティークショップ「海図」から連絡をもらった「お草」は京都に出向く前に、早速その店に向かいますが、そこで耳にしたのは顔なじみのバーの雇われ店長「ユ-ジン」が殺されたらしいという話でした。

「ユ-ジン」が父親「室橋」にいじめられていた子供の頃からの知っており、生前に彼と約束を交わしていた「お草」はそれを実行に移し、各誌引き出しに隠されていました2千万のげんきんを、sg否定されたところへ届けます。その後、新幹線の品川駅で何者かに追われている様子の母親と少年と隣り合わせます。そして母親から子供を預かってほしいと頼まれた後、母親は駅のホームで刺されてしまいます。「お草」はその少年を預かり京都に向かうことになります。

殺された「ユージン」、生前の約束と怪しげな2千万の現金、ホテルへの不審な男。事件の全貌もわからぬまま少年と逃避行を続ける「お草」は、っ京都に行くのを取りやめ、滋賀県の陶芸家に逃避行の協力を頼むのでした。

「海図」の店主「金源」、元警察官の探偵「辺見」、陶芸家「丹山慶悟」など、いつものレギュラーメンバー以外の個性ある人物たちが登場している、異色の内容でした。11番目となる最新刊『雨だれの標本』が、2023年10月6日に刊行されていますが、文庫本化まで、しばらく辛抱です、
#ブログ #文庫本 #読書

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