PoEでの受電側をPDと言います。PoEは使用するにはフール・プルーフですが 実際の内部の送電までの手続きは厄介です、安全性確保の為、当然と言えば 当然ですが。 送電側(PSE)の能力試験は、実負荷で行わねばわかりません。 固定抵抗で普通は行いますが、放熱を考慮せねばならず、室温が高いと 発煙する場合もあり、結構大変です。 今回は、電球(自動車用)を固定抵抗の代わりに使ったエミュレータを試作。 問題は電球は冷間時に抵抗値が低く、そのままではPSEがPDに異常があると 判定し、送電をSTOPする事が判明。 試行錯誤の末、電球に最初は直列に抵抗をかませ、通電後に電球がヒートアップ し、抵抗値がアップした段階で、この抵抗をジャンプする設計としました。 この抵抗値の算出が結構厄介で電球が20Wでは5Ωの数値をカット&トライで やっと探り当てました。 書くと簡単ですが、ミノムシクリップ等での実験では接触抵抗があり、実回路 に組むと動かない等の不安定さに悩まされました。 沢山の方に知恵をいただき、やっとここまでこぎつけました。 このエミュレータではPoEの送電原理がよく理解出来ます。 PoE 802.3af/atこの2つ規格はきわどい部分で区分がなされており、この部分 の認証が出来ないとafとしてしか機能せず、PSEに能力があってもパワーが 引き出せない結果となってしまいます。今回はこ0部分を電子回路ではなく、 抵抗器の挿入・解除で切り抜ける試みで、不安定さは残りますが、PoEの 仕組みを理解する上には、この不安定さの根源を探ることで学習が期待 出来る装置です。