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メキシコ監獄体験記

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(※この記事の後半には非科学的なことが書かれているため、事前に言っておきますが、注意してください。)
私は数年前に冤罪(えんざい)でメキシコの監獄に入れられた経験があります。厳密には拘置所です。拘置所とはその人が無罪であるか有罪であるかを判別するところです。場所はソノラ州にある田舎町でした。当時、同棲していたヒスパニック系白人女性と言い合いになり(人に八つ当たりばかりしてくるため)私が英語で、
Get out from my house,You are so rude and Insane!Go back to your home town,TJ
と言い、部屋から出し、
故郷までの交通費と少しの生活費を渡して、
Adios
といって部屋の鍵を閉めました。

すると10分くらい経ったら、ドアのノック音が聞こえたので、
ドアの覗き口から見ると、そこには二人の小銃を抱えた警官が立っていました。

彼女もまたそこにおり、
El es mi esposo.
(英訳:He is my husband.)
云々口から出まかせをベラベラとつぎつぎと警官へ喋り上げ、
知らないうちに私は手錠、足錠をかけられ、メキシコの拘置所へ護送車に載せられた送られたのでした。
(※メキシコは戸籍制度自体が存在しないため、たとえば婚約しているかどうかなどは調べようがないというカオスな法制度の国なのです。)

拘置所につくと、まず
ジーパンのベルトを取られ、(※ベルトで自殺をする人がいるため)
そしてライターや財布を没収されました。

それで、監獄に入れられる直前で足錠、手錠を開錠してもらえました。
経験されたことのない方はわからないと思いますが、手錠はともかく、足錠は歩くたびにズキンズキン本当に痛い。
錠が足首に食い込むわけです。

解放されてホッと下のも束の間、そこには一牢10人から15人の危険なメキシコ人たちが待っていました。

彼らに何でお前はここにいるんだと聞くと、
薬物売買で捕まっただの、妻への暴力でここにいるなどお決まりの人ばかりでした。

おそらく日本人もしくは中華系でここへ入ったのは私がはじめてだと思われます。(そもそもその街には中国人すらいません。)
日本人ということで、珍しがられ、
Estoy Cochino Chino Por Farvor Captino!
と牢の中で看守に話しかけたりしていたので、
彼らとの距離は次第に近づいてきた感じはしました。
(このとき爆笑の渦になった)

それから近くには、
女性牢もあったので、
Como se llema?
De donde eres?
と聞かれたので、
Japon,Toshi!
と叫んだりしていました。

牢の中に入れられて捨て鉢になっていたので、
その女性たちにスペイン語で
「牢から出たら一発やらせてくれ!」というと、
これまた爆笑の渦に牢中が包まれました。
(もちろん「冗談で」、でした)

注意してほしいのは、
「私は何もしていない冤罪(えんざい)で拘置所へ送られた」、ということです。
欧米では同室もしくは一緒の住居に住んでいる女性が
暴力を振るわれたと警察に告知するだけで、たとえそれが虚偽のものであったとしても、
男性は有無を問われず、
とりあえず
拘置所送りにされます。(欧米ではDVが多いため。メキシコはスペインの元占領地ですので、欧米系の法制度が適用されています。)

そのため、冤罪(えんざい)で拘置所送りにされている人は日本よりもはるかに多いわけです。

牢の中ではすることも一切なく、ずっと雑魚寝しているだけです。
ベッドも枕も布団もなく、石の床の上にそのまま寝ます。
また、牢内にあるトイレも仕切りもないので周囲から丸見えです。
尻を拭くティッシュもありません。

これは生半可なものでは、
はっきりいってありませんでした。

8~12時間おきくらいに面接官とのカウンセリングになるのですが、
ここで自分の無罪を訴えるわけです。
無論、警察を呼んだ彼女も時間をずらして事情聴取を受けました。
その結果、当然のことながら、冤罪(えんざい)が発覚したので、
釈放されることになったのですが、牢の中での生活はまがうものなき地獄でした。

楽しみといえばタバコだけです。
したがって、
看守に
Official!Por Favorl Cigarro!
と頼むわけです。
中には心優しい看守もいてそのような看守は
タバコをくれますが、
牢の中で吸うタバコは気絶するほどうまかった。

ヘビースモーカーは、
朝一番のタバコが一番上手いとよくいいますが、
朝一番のタバコの快感を数十倍にしたほど
最高の一服でした。
(※私はヘビースモーカーではありませんが)

人間は楽しみが極度に制限されると、
刺激物の反応が極限まで高まるということをそのとき痛感したモノです。
時計もなく、電気も薄暗い中、何日経っているのかも知らないまま、ずっと雑魚寝させられ放置させられるのです。
したがって牢の中では一時間が数日のように感じられたものでした。

そんな中に吸うタバコは別格中の別格で、
牢の中のみんなでタバコをまわし吸いするわけです。
(東洋人ということで差別も特にありませんでした。)


また、
私は監獄の中で瞑想行法を実行しましたが、瞑想中、
神に祈るということだけをしていました。
座禅や瞑想をしたことがない人には
少しオカルトめいた怪しい話になってしまうので、ここから先からある部分までの文章は軽く聞き流してください。

私はこのエピソードが起きる一週間前に地元の宿で、
瞑想のさ中、魔境(※)を経験し、
そのとき、「お前のことを必ず殺してやる」という
巨大な顔をした魔人を実際に目撃しており、
(※千日回峰行や大峰回峰などの修験道の行者や禅の高僧が見るとされ、禅宗では魔境は相手にするなと教えている)、
そして、
その直後にいきなり拘置所送りにされたため、
人間世界は目に見える次元と目に見えない次元によって構成されているということを実感したモノでしたが、
直後の拘置所送りは相当に不気味でした。

もう出てこれないのではないかと感じたほどです。
(魔境の通りになったため、また中南米は警察が腐敗しているため)

しかしながら、
その魔境を経験したという一週間前の瞑想行法のさ中、別の存在が魔人の後に現れ、
「お前はただお前の好きなことさえしていればいいんだよ」

と私にやさしく語り掛け、
その存在は姿さえ見せませんでしたが、明らかに聖なる存在であり、魔境のさ中に生じた魔人よりも遥かに強力な力を持っているということが伝わってきました。

それが証拠にその存在が君臨すると同時に
魔人は跡形もなく消えてしまいました。

きっとこれは私を悪の道から守る守護霊(高次元に存在する私を守る存在)のようなものなのだと思います。
(私は通俗的に言われる霊は一切信じませんし、スピリチュアル系の人がいっている話も信用しません)

そういった経緯から、牢の中では、
この神か仏かは知りませんが、その存在に向かって、
「どうかわたしを助けてください」と
念じ続けていたものでした。

無事、無罪放免で出た後も
この監獄体験も宿の中で経験した魔境の経験も今現在の
私に影響を与えているのは確かです。

メキシコ監獄体験記は以上です。

追記:
私の私淑した師は
若いころ、イランの牢獄に囚われたり、
諜報員として戦争を経験したと
と話していたので、
過去の私は自分もそのような第一線を経験することで、
「超一流の人間になりたい!」と
深層心理内で思っていたきらいがあります。
そうしましたら、その想いが本当に実現してしまった。
想像と現実は違います。
牢獄は最悪ですし、
同時に戦争なんてまともな想像力があれば、
どれだけ理不尽で悲惨なものか
わかるはず。

一時期、自衛隊の上官であったある人に
戦場を経験したいうんぬん話していたら、
海外傭兵部隊への入隊を勧められたこともありました。
そして、真剣に入隊を検討していました。
今振り返ると、
過去の私は重度の中二病だったと
思います。
傭兵に進んでなる人なんてのは、
今の私からすると重度の心の病で
相当ヤバイです。

戦争はビジネスのために意図的に引き起こされて
おり、
歩兵も傭兵も単なる将棋の駒に過ぎません。
軍隊に入隊するということは奴隷になることを
意味します。
(入隊中、私は司令官の講演内容を否定する感想文を
書き、上官から指導を受けています。)

これは一例ですが、
たとえば「戦争に行きたい」なんて、
こういうことを軽々しく考えていると
本当にその夢(想い)が実現してしまったり
するわけです。
その想いが強ければ強いほど実現するような
気がします。(ちなみに私は引き寄せの法則だとか
自己啓発系でいわれる分野の話を一切信用しません。)
何としてでもこの目的を実行してやると心の底から
思えば、何が何でもその目的を完遂するように人間は
できているわけです。

話をもとに最後に戻しますが、

過日、
メキシコで出会った日本人の友人に出所祝い(笑)をしてもらいました。
「よく掘られなかったね」
「これ絶対、小説になるから小説書いたら?」
「週刊誌とかに寄稿できるって!」
などと言われ、みんなで酒を飲みながら、笑っていたものでした。
向こうであった日本人の友人には感謝してもしきれません。
また、メキシコ人の友達も助けになってくれました。
Guracias Amigos.

沖仁宏
#メキシコ監獄体験記

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みずき
Commented by みずき
Posted at 2017-11-27 04:16

貴重な体験記をありがとうございます^^ 
あはは(笑)それにしてもなんだか笑ってしまいましたよぅ。監獄の中でも冗談を飛ばす余裕がおありのようで、さすがですね^^それにしても先生のユーモアのセンスは素晴らしいわ。 
ところで、「Estoy Chino Cochino Por Farvor Caotino!」が分からなかったわ。どういう意味ですか? 
 
先生にはしっかり守り神様がついて見守ってくださっていて心強いですねぇ。 
そのお方は今日までずっと見守ってくださっているのですね。 
そのお方と遭遇してから上手く歯車が噛み合って上手くいくようになったのではありませんか^^ 
別の次元から影響を受けていると私も思います。 
そして、決められた宿命はあると思っています。

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