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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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超越の微笑み

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二十五年前のこと
母が入院して抗がん剤治療をしていた
介添えのために病室へ顔を出すと
苦しい筈なのに息子の私を見て微笑む

私は入院で必要な物品を買いに
地下の売店へよく行った
その時に両足のない青年が
車椅子で来店する姿を目にした
太ももには包帯が巻かれている

彼は店員さんに
「こんにちは」と言って微笑んでいた
とても足を失ったばかりの表情ではない
自分にさえ憫然たる心もちであろうに……

自分がその状況だったら
あの振る舞いができるだろうか
いや、そんなことは到底無理だ


それから四ヶ月が過ぎた……

母の抗がん剤による副作用は凄まじいものだった
髪の毛は抜け、爪はボロボロになり
口の中は荒れて穴があき
痩せこけて震える手でご飯を食べれば
涙のように零れていた
母は死に物狂いで抗がん剤と闘っていた

そして、彼を久しぶりに売店で見かけた
ああ、また入院しているんだ
そう思った矢先に気付く

車椅子に乗る彼の右手は切断されていた

現実はこんなにも残酷なのか
彼が何をしたって言うんだ

それでも左手一本で病室から車椅子を漕ぎ
地下の売店まで自力で来ていたのだ

店員がお買い物袋を差し出すと
「ありがとう」
その声は可哀想という言葉も
寄せ付けない明るさをもって微笑んでいた
いったい何がどうすればこうなるのだ

私はもう自分の存在すら怪しくて
生きていることが恥ずかしくて狼狽え……


母は抗がん剤治療を半年間耐え抜き
地獄のような日々に終止符を打つ
どれだけの苦しみの山だったのだろう
本人でないと越えた辛さは分からないが
私も退院の日には自ずから涙が流れた

母の入院を通し確信したことがある
綺麗事を言っていると罵られてもよい

人間は強くて美しくなれるんだ

苦しみに立ち向かいながらも
微笑みのある逞しさ
それは超越と出会う出来事だった

今も八十歳になる母は生きている
彼もきっと何処かで生きているに違いない

あの美しい微笑みたちは
優しく永遠の輝きを放ちながら
私に生きている意味を明証し続けている

#詩

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詩人会 現代詩サロン

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詩人会 現代詩サロン...
行って参りました。埼玉詩人会の現代詩サロンへ。

まず小林 稔さんの講演会で「萩原朔太郎の詩的闘争」というお題でした。小林 稔さんはたぶん詩の世界では著名な方なのでしょう。朔太郎の話ではないのですが、なぜ詩の批評が必要なのかという内容のお話が大変勉強になりました。「詩は新しきを考えなくてはいけない。自分の居場所、位置を確認。先人たちの詩を考察することによって見えてくる」と、おっしゃっていて、ほお〜と頷いて。

公演の後に質問タイムがあったので、先陣を切って私が質問させて頂きました。
「感情の詩と感覚の詩で、内側に走るベクトルがあるものが感情、外側に走るベクトルがあるものを感覚と小林先生がおっしゃっていましたが、朔太郎は感情の詩ということで、なんとなくニュアンスはわかりますが、感覚の詩というものが想像できなかったので、そこをお聞かせください」と。小林 稔さんはめちゃくちゃ考えて答えてくれました。嬉しい限りです。

そして、自分の詩の朗読。私の隣りの方が緊張して手を震わせているのをみて、なぜか私の緊張はほぼなくなり下手くそですが、それなに読めたと思います。よかった、よかった。

打ち上げ。飲みながたくさんの詩人と話すことができました。みなさん、詩が好きなんだなあ、と感じることができ、楽しくコミュケーションをとれて嬉しかったです。

いや〜、詩人会を楽しんできました。




《追記 、雑記》

「新会入された齋藤さんから自己紹介などをお願いします」打ち上げの時に突然、振られました。

「えーと。齋藤純二と申します。十二月にこちらの詩人会に入会致しました。今日は三つの初めてがありました。詩人さんに会ったこと、詩の講演会を拝聴したこと、心臓をバクバクさせた朗読。刺激的な一日でした。ここへ来るまで、詩人とはもしかしたら宇宙人みたいな存在のような気がしていましたが、こうやってみなさんに会ってみますと普通に人間でした。でもこれから話を聴かせていただくと、もしかしたら宇宙人の方がいるかもしれませんね。こんな私ですが、今後とも宜しくお願いします」と。
#雑記

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