小雨に濡れた少女がしゃがみ 黄色の花に触れています 通りすぎるひと達は 声も掛けずに 頷いて行くのです ほんのり濡れた風景に包まれて かなしいだけではありません 詩を読むように 少女は裸になって心を解放し 花と踊っているのですから そっとしてあげましょう 受け入れているのです 雨も花もあなたもひとも 今がとてもだいじな時なので そっとしてあげましょう
詩人が駅前を文学館に 向かって歩いている ひとが誰もいない不思議な街 2017年4月8日 駅のロータリーを抜けると 曇り空に合わせた演出 靴音だけが異空間に響く 詩人が歩くと街中のひと達が 寂しさから遠ざかろうと 街の外れまで逃げてしまった 寂しさに寂しさを重ね 川の流れだけが肯定を見せる まだ可能性があるように 確かにあったのだ 詩人がひとを集め賑わった時代 文学館の受付には誰もいない 拝観者も誰もいない そこにはひとりの孤独がいるだけ 天才は孤独である 時代に合わない才能は悲劇を 演じては彷徨い歩く 詩人の孤独が月に吠えたら 涙くらいは流がせるのだろうか
どうしたということだ。文豪たちがアニメで登場しているらしい。『文豪ストレイドッグス』、なんだか文豪たちがバトルする話だそうだ。中島敦、太宰修、芥川龍之介、中原中也などが出てきてドンパッチなのか。コミックスを480万冊売り上げている。人気があるということは、たぶん面白いのだろう。齧ってみるか、どうか…… 中原中也記念館でもこの文豪ストレイドドッグスと生誕110年記念のイベントコラボするらしい。中原中也は人気キャラだそうだ。今回は一般公募で文芸の展示はないみたいだ。ちょっとさみしい気がするが、賑やかなイベントになり詩が注目されるといいな、なんて思うのである。