切り裂いた 痛たむ身体で 心地よい風に 疑い進む 不安な足どり 剥がれない衣 軋み丸まり 固まる心 義理の山は 高くなるばかり 世間は大きく 己は小さく 課せられ遂げた 桜吹雪の有終 降るために 昇れと囁く
壊れた腕時計をポケットに入れ 頬のアザが歪んだ微笑みの意味は 居場所の見つからないあきらめ 初めて知った生きている意味の曖昧 インチキ夜空の向こう側を見つめようとして それでも空き缶の転がる夜の街で やっと出会った同じ匂いの君 交わす言葉は傷口の痛みを分け合う 恋にはほど遠いふたりが愛に触れる 日は明けてしまう複雑に狼狽え 苛立を目覚めさせながら光りに埋もれ 背を合わせふたりの距離は離れて 理屈を語る世間を説得できるのか ポケットから取り出した腕時計 草臥れ動こうとはしない自分のようで また君を求めてしまうのだろう
運動公園の片隅で ベニヤ板を曲げるように ひびが入らぬ程度の 痛みを味わうストレッチ 競技場の中では 高校生が美しい筋肉を 輝かせて走っている 瞬発力と持続力 ないものねだりを横目に コルセットをきつく締め付け 靴紐をやっとの思いで 強く結び直し 外周を走ってみた 足、腰、頸、腕は大丈夫だ 頭が痛いのと息が とてつもなく苦しい呼吸 一キロメートルがとても長い 学生の頃には馬鹿にしていただろう 運動量がすでに猛特訓だ 桜が散り始め新しい葉が 青々と時間の流れをみせ それは新たなるスタートでもあった 肩に落ちた花びらと共に走り終え タイムは六分九秒 明日に繋がる気がしていた
六十八の職人が 生涯最後の仕事として 持病に耐えながら オリンピックの聖火台 鋳型を完成させる しかし、翌日に鋳鉄を 流し込むと鋳型は大破 その職人は床に伏せ 帰らぬひとに 無念を晴らせと息子ら 納期直前に完成させた 受け継がれた魂の聖火台に けして消えない炎が立った
胸のポケット キャップが外れ 赤マジックのインクが漏れ 滲んでは刺されたようだ 軋む現場に重たい身体 ほこり舞う先の知らぬ解体 時代に取り残された 流行の成れの果て 我も崩れそうな身体で バーベルを掲げ 壊れゆく惻隠の赤が広がる
僕らは始まり方も 教わっていない自由がある 僕らは終わり方も 教わっていない自由がある 残酷な自由が不自由を叩く 優しさが不自由を抱く 僕らは呼吸の仕方も 教わっていない自由がある 僕らは歩き方も 教わっていない自由がある 残酷な自由が不自由を叩く 哀れみが不自由を抱く 僕らは始まり方も 教わっていない自由がある 僕らは終わり方も 教わっていない自由がある
爪を噛む夕暮れ時に 僕は水たまりを歩く 水たまりは空を歩き 空は水たまりを歩き 水たまりは僕を歩く 幻は赤に染まり笑う 終わりたい瞳の過去 あるものは越えずに ないものばかり光る 始まらない瞳の未来 粉々にされた夕暮れ 月から垂れた操りの 縁取りだけある心で 僕は水たまりを歩く 水たまりは僕を歩く
なんでもかんでも 詩にすればいいってもんじゃない お前の詩は感動がない しょぼい詩ばかり書いて ここ数年で言われたことだ これはどう考えても 私のことを思っての言葉ではない ひとりで詩を書き ひとりで満足してきたが 表現を外に向けて発信したら なんだかんだ言われる なんでもかんでも詩にするから いいんじゃないかな 括られた中の詩なんて 教科書の文書を読むようだ そもそも詩に感動が必要か いらない、いらない 卑しい狙いなんていらない どちらかと言うと 一体これはなんだ そんな世界に憧れている しょぼい? これは詩を楽しむ私に対しての 嫉妬ということにしよう 反面教師 私はひとの詩にくだらない 言葉を吐かないようにしよう そんな小さい人間にはなりたくない と、言うかお互いに 詩をもっと書きましょうよ
電気なんてなかった時代 静電気の発光を 何だろうと思っていたのだろう 雷の赤ちゃん? 痺れは誰かの祟り? かまいたち? 得体の知れない 現象だったに違いない はて、僕がUFOを見たのを 未来の人間は証明してくるのだろうか
何時だって君は迷走 僕の熱帯魚をつかめないでいる 時の鳴門に埋もれてしまい 揺れるオーロラとなり 奇麗に尾を振りながら君は擬餌針 底の主も操れない固執 君は不自由な鱗の悲しみにより 未だに美しさ知らずの美しさを持つ 君は知らずの擬餌針 僕の熱帯魚をつかめないでいる
僕の気性は晴れたり曇ったり 世界の気象も晴れたり曇ったり 最近は天気予報が高い確率であたる 寒くなるとか暑くなるとか 傘が必要とか花粉が多いとか できたら僕の一日の気性も 予想してくれたら あらかじめ心得て過ごすのに 世界の気象は読めるようになるが 僕の世界は全く読めない
桜も濡らす雨 染み込む冷たさに身体を丸め 何処へ行くわけもなく 傘に落ちる疎らを聴き 弾く気持ちに同情しながら 街をふらついて 霞んだ一枚の絵になってしまう街 誰もいないほどに響く音 離れるほどに近づいてしまう自分へ
子どもの頃 練習機能のついた電卓があった ランダムで数字が出現してきて どんどん増えてしまう 全部埋まってしまえばゲームオーバー そうならないために その数字を押し消してゆく 巷では流行りわたしも買った 数年後、アルバイトのレジ打ちで 早打ちのジョーと呼ばれた 打つんだジョー!
蝕んでゆく身体 床に転がり仰向けになり 矢印みたいに両手をひろげ 調子が良かった頃を思い出す 垂らす涙はきっと汚れている わかっている 身体はすでに過去の輝き 握力のなくなっていく 左手は細く萎んで 捨てろ忘れろ消してしまえ 比べて僻む心など しかし 自分の中にある情けなさが 未練となり辛く重たくさせる 俺は終わりたいのだろうか 初めて吐く言葉に 自分の返答を待っている 脱力も見逃さぬ痛みの中 逃げの言葉は救う術を知らず 俺はまだ終わりたくなどない 誰にも見られたくない 何時もと違う立ち上がり方に 歯をくいしばっている こんちくしょうと吐き出し 一粒の錠剤を流し込み まだある意地が俺を保っている
脊椎は穴だらけ オモチャもそこに 入っているし さすがに三度の手術 もういいでしょう でも病室には もっと先輩がいて お前さんの脊椎なんて まだまだ、と ほらっ 歩けるだけましだ 俺の身体を 見ればわかるだろ お前は幸せなやつだ ああ先輩 リハビリ呼ばれてますよ 痛いの嫌なんだよ ごめん隠れる …………先輩 頑張りましょうよ
ねえ わたし 詩んでもいい ああ いんじゃねえ えっ そこは だめだよ って 止めるとこでしょ そうかあ そうは思わないから 俺も詩んでいるし うそっ それっ やばいじゃん ジャンル的に… おねがい そんなこと やめて あっ お前は俺に 詩んでもいい って訊いたよな でも… そうね わたしも詩のう
ほかの言葉を探したけれど 見つからない さざ波を眺め揺れる髪を とどめる指はしなやかに弧を描き 僕が彼女のそばに居ることが 信じられないほど自分が見窄らしいと 思っているのはたぶんその通り 夢ばかりみている僕は 現実の中では君を守れていないし 喜ばすことさえ上手にできていない でも君は美しく 何も言わずに手を握ってくれる 僕は内緒の涙を流しているけど 君は気づかない振りをしてくれる 夕陽がひろがり僕たちにたどり着き 君の微笑みに触れてみたら 頬は赤みをますほどに愛らしくて ふたたびさざ波へ視線をかえす 君は……
詩が書けないとお悩みなのですね それでしたら イヤホンで音楽を聴くと良いと思います 誰にも邪魔されず曲に気分がのってしまえば リズムを感じながらスイスイと 書けてしまうのですから不思議です しかし 気をつけなければいけないこともあります 癒し系の曲を聴いていますと グーグーと自分が演奏したりしますので 選曲はとても大切です また 歌のある曲を聴いていますと そのまま歌詞を書いてしまうので 著作権上よろしくないので これもお気をつけてください パンクロックを聴いていますと バカヤローと叫んで紙を破ってしまったり デバイスを叩き割ったりしますので ご注意ください オーケストラを聴いていますと 書くことを忘れご自身が指揮者に なってしまいますのでお勧めできません ダンスミュージックを聴いていますと そうです 踊ってしまいダメですね その他 ポップスやジャズにフュージョン系も 向いてないと思われます はい お勧めですか それは私の好きな古今亭志ん生の 落語なんかどうでしょうか そうですか 曲ではないし詩が書けそうにないと そのへんはアバウトにお考えください このようなことをご注意くだされば 素敵な詩が書けると思います ぜひお試しくださいませ
こちらのブログ『詩は元気です ☆ 』も掲載始めてから 一年と五ヶ月となりました。 みなさまのご訪問、ご拝読を嬉しく思っております。 心より感謝申し上げます。 アクセス数が二十万となり、 これはただの数字でなく、みなさまの貴重な時間を こちらのブログで費やされたデータでもあり 私にとって大変な励みとなるものです。 今後も詩を書き続けていきます。 何卒、これからも『詩は元気です ☆ 』を よろしくお願い致します。
自由をわがままと あなたはいうけれど わたしの手を離して 行かせてほしいの おねがいよ あなたが 愛を語れたとしても わたしの夢は語れない そこにいるのよ あなたも微笑むような 夢のわたしが だからその手を離して おねがいよ
明日、僕を待っているのは とてもシビアなところ 良くなるひともいれば 亡くなってしまうひともいる 何が起きるかなんて 医者だってわからないさ わからないから不安があるし 希望だってあるんだ そりゃ、苦しまず痛くない方がいいけど 考えてもわからないことは なるべく考えないようにしよう 明日、僕を待っているのは とてもシビアなところ 良くなるひともいれば 亡くなってしまうひともいる そこへいく やはりそこへいく でも僕は元気で帰ってきたい この我が家に
春ですね え〜と、またなんですけど わたくし、入院あんど手術になってしまい こちらのブログ『詩は元気です☆』が 『詩は休養中☆』になってしまいます 誠にすみませんでした 身体と向き合い方向を定めたいと思います もちろん元気方向で! 何卒、復帰致しますので今後とも 『詩は元気です』を宜しく!!
僕は北海道で みつばち族といわれた 地元の埼玉じゃ 孤高のナナハンライダー なんていわれているのに 走っても走っても 地図上ではまったく進んでいない やはり北海道はでっかいぞ! って感じだ 何もないところに定食屋 ライダーに限り 食事をすれば寝泊まりオッケーの お店があったりして 北海道のひとは みつばち族にも優しかった ああ、懐かしいなあ ブンブンブン、ブンブンブン
台所から煙が出ていた 母が叫んで 父が 兄が 私が 慌てる 火がガスレンジから天井へ 父が叫ぶ 風呂の水をかけろ 若き兄弟のフットワークは良かった 火はすぐに消えた もういい 父が言ったが 私はもう一杯かけた それは父へ直撃 おいおい 父がいうと 台所は焦げ臭く水浸しだが チームワークの消防であった (火は怖かった)
進む光の先を 光より速く僕らは想像できる それなら特殊相対理論も あれれっ、おかしいぞ って、アインシュタインも びっくりな世界で 僕らは詩を書いている 最近、宇宙の拡がり方が どうもめちゃ速いぞ って、ことになっているけど やっぱり僕らはその先を 想像できるんだよ 僕らは光よりも 宇宙の拡がりよりも 速く先へ行けるのさ 世界一周なんて 無限の速さで回れるさ (インチキ理論なので要注意)
シュノーケルをくわえ ぷかぷかと浮かぶ カラフルなサンゴ礁に これまたカラフルな お魚さんが 出たり引っ込んだり 光を浴びた海水 そのファンタジーに僕も 日常を忘れた魚になって…… 夢の時間はとっても短い 終わらないで 終わらないでと 終わってしまう そして 色白な僕の背中も 赤いサンゴ礁に なっているみたいだ
僕には希望がある 押しくらまんじゅうを されても大丈夫 詩を書くことさえできれば 怖いものなど何もない 詩を書き始めた時から 詩に救われているんだ まさに今 僕は有り難みを感じながら 勢いよく表現畑で走っている 有り難う詩よ いつも僕のそばにいてくれて まだまだ僕は 詩と一緒にいたいんだよ 大事にするからね
明日のわからない 身体は不安の軋む音がする 漏斗を流れるような未来が 硬く落ちては貯まってゆく過去へ 濃い時間を強要され 疲れても眠ることが出来ない 息をする喜びだけが 繋いでいる湧きと流れの曲線 象っている自分の存在 生かされていると生きているを 高速で往復している 身体が動かなければ 動かないほど魂が嘆いて 自分の身体が 自分の身体だけのものなら 何時でも愛が消滅して 全ての不安を無かったことに 混沌と混沌の中で 今は次の身体の変化に 微塵の夢に縋り臥している
きっと月の裏 君は隠れている 白の陰で 言葉を飲み込み 膝を抱えて ひとりの太陽に 笑っている 雨は噴き上がり 濡らす足もと 囁いてくる 声は空の下から きっと月の裏 ここにいるよと 言えずに 君は隠れている
消えゆく冬にも 寂しさ覚え 変わりゆくにも 続く軋み 誰もいない 誰かがいた 古巣の温もり 帰りたい 帰りたい 動けやしない 萎む胸の静かな 帰りたい 帰りたい 尽きてゆくにも 心地よく 許す自分にも 風は抜けて
春の訪れに 桃色言葉 私はあなたのとりこ あなたは緑 私は桃 黄と白は一緒に かさかさ響いた 雛あられ ぼんぼりの灯りに 寄り添った節句 幼心を開けば ふと見えてくる まだ消えぬ 幼顔の残るあなた 変わらぬ恋の 桃色言葉 聞いてくれますか
おうおうおう この背中に咲いた桜吹雪が お前の悪事をお見通しなんでえ あらまあ きれいな桜吹雪だこと 春ですねえ そいつを叩き切れ とか言うんじゃねえか 違うぞセリフ まあ いいじゃないですか そんな日もありますよ はいはい これで一件落着 そりゃ こっちのセリフだぜっ