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- ファルコン植物記(1787)<ナデシコ>(3)【夕霧】
<ナデシコ(撫子)>は「秋の七草」のひとつに数えられていますが、この【夕霧】は四季咲き性で、この時期も元気にきれいな花姿を見せてくれていました。
赤紫色の花弁に、白い筋が入り、真ん中あたりが白っぽくなる特徴を持っています。
【夕霧】といえば、<紫式部>の『源氏物語』の第三十九帖の「夕霧」を思い出しますが、おそらくこの品種名もこれにあやかり、<光源氏>が詠んだ「今も見て なかなか袖を 朽すかな 垣ほ荒れにし 大和撫子」からの命名だと思われます。
第三十九帖の「夕霧」は、<光源氏>の息子として堅物の<夕霧>が、亡き友(柏木)の未亡人、一条の女二の宮(落ち葉の宮)への思慕を綴った章ですが、「ナデシコ」は「かわいい子供」との掛詞であり、<光源氏>が<夕霧>に亡き妻<葵>を偲んでいる思いが感じられる品種名です。
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