著者には介護問題を扱った 『プラチナタウン』 という作品がありますが、本書も介護問題の問題点を突く社会派小説として、重みのある内容でした。
主人公<唐木栄太郎>は50歳、三國電産の国際事業本部の北米事業部長として、アメリカで建設する新工場と販売路線をまとめており、上手くいけば取締役の道が開けることを夢に仕事に励んでいましたが、秋田で一人住まいの76歳の母親が雪かきで転倒、足を骨折してしまいます。
妻<和恵>は、息子の私立中学入学の受験の時期であり、秋田まで介護に出向くわけにはいきません。
決心をして母親を東京に呼び寄せますが、やがて痴呆が出始め、介護疲れのストレスから<和恵>はくも膜下出血を起こしてし入院してしまいます。
仕事と母親と妻の介護に奔走する<唐木>は、やがて仕事の任を解かれ、総務部文書係という閑職に追いやられ、退職を余儀なくされてしまいます。
核家族のサラリーマンとして、現役のときに誰にでも起こり得る両親の介護問題ですが、それを支援するシステムのおぞましさに、先進国とは何かを感じずにはおれませんでした。
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Posted at 2016-01-01 05:01
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Posted at 2016-01-01 17:45
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Posted at 2016-01-01 07:10
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