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- 今年の読書(4)『上方与力江戸暦』早見俊(講談社文庫)
上司の奉行<小田切土佐守直年>に乞われ、一緒に大阪東町奉行所から江戸に赴任してきた内与力<淀川新十郎>は、28歳の血気盛んな人物です。
江戸の町の状況を知ろうと、定町廻り<大宮貫太郎>と岡っ引きの<民次>を連れて居酒屋で一杯呑んでいるとき、客と亭主が「贋金」でもめているのに出くわし、その「銭」は相連寺内の庫裏で行われている賭場で入手したことを知ります。
隠密に幕府も相連寺の内偵を行っているのも知らずに、<新十郎>は強引に賭場へ踏み込みますが、証拠を掴むことはできませんでした。
<与吉>という飾り職人が自首してきますが、何やら裏がありそうで、<新十郎>は両替商<善右衛門>と老中<米倉>のうさん臭い関係が気になるのでした。
何事にもめげることなく陽気な語り口で、腕っぷしも強い<新十郎>、個性的な主人公の登場です。
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