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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(10)『ボランティアバスで行こう!』友井羊(宝島社文庫)

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今年の読書(10)『ボランティ...
本日は阪神・淡路大震災発生から21年目に当たり、各地で様々な追悼行事が行われていました。この大震災で「ボランティア元年」という言葉が使われて久しいのですが、東北大震災のときはマスコミの「ボランティア迷惑論」もあり、問題の難しさを露見させました。

本書は東北大震災を背景に据え、津波で被災した山浦(架空の町)にバスをチャーターして援助活動を企画した大学生<大石和磨>を中心として、ボランティアの動機が違う登場人物たちが6話で登場、津波被害のもたらした被害やボランティア行為に対する考察が、それぞれ立場が違う登場人物を通して語られていました。

連作短篇として登場人物たちの人間関係が交錯するなか、第一話に登場する<遠藤幸樹>が山浦で遭遇する4歳の園児<さっちゃん>との結びつきが秀逸で、震災は悲惨な出来事ですが、最後の章で未来に期待できる明るさと感動が待ち受けていました。
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