プラハ 「悪魔の水路」を歩く
May
13
回り込むように『カレル橋』の下へ進めば、おびただしい数の錠前が欄干に嵌められた『悪魔の水路』に掛けられた短い橋に出る。この地を訪れた恋人たちが永遠の愛を誓って「離れない」象徴として錠前を欄干に付けて鍵を水路に投げ込むのだ。この勢いじゃ浚渫しないと水路が鍵で埋まりそう。
12世紀に造られたという、この小さく短い水路は正式には「チェルトフカ水路」と呼ばれている。「チェルトフカ」=「悪魔」なので日本語では『悪魔の水路』になる。云われは諸説ある。「悪魔みたいなばあさんが住んでいたから」とか「水の流れが速くて操船が難しかったから」とかだが、古来キリスト教文化圏では人工構造物=悪魔のなせる業みたいな考えが有って、自然のモルダヴ川に沿うように作られた人工水路を「チェルトフカ」と呼んだのではないかと思わせる。
『悪魔の水路』により、この地域は「カンパ島」という島になった。家並に迫る水路を観光船が行く姿は「プラハのベネチア」なんぞとも言われている。モルダブ川沿いは「カンパ公園」という緑地公園になっていて傍には日本大使館も有る。
公園の端まで行くと現代アートを中心とした「カンパ美術館」。川の桟橋にディスプレイされた「黄色ペンギンの行進」は、それなりに楽しいが、美術館の庭に置かれた巨大「顔の潰れた3人の幼児」は不気味以外の何物でもない。夜見たら怖いぞ。
ぐるっと「カンパ公園」を回って「カレル橋」まで戻ると「カレル橋」へ途中から上がれる階段に気づく。自転車担いで登っている兄ちゃんに続いて階段を登れば「フランシスコ・ザビエル」の銅像の近くまでショートカットできた。今度は迷わずに朝飯を食べにホテルへ帰ろう。