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Forest Aesthetics 森林美学 峪間にて

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               ...                                           © Daisuke Kawai


薄暗がりの峪間で白い花と遭遇した
なんという精巧なつくりなのだろう
腕利きの菓子職人が
精魂込めて細工したミルク・クラウンのようである

自然物なのに、なんだかつくりもののように感じるのは
おのれの精神の貧しさゆえか
それとも神の手という匠の技を、深く感得できているがゆえなのか

ため息交じりに凝視する
じっと長い時間見つめていると
やがて糸状に切れ込んだ白く繊細な花弁の一本一本が
触手のようにゆらめきだす
先端が黄色い球形となった腺体までもが
やわらかなリズムをとりはじめる

こうなるともはや花であるとは認識できない
工芸品は、なまめいた深海生物となって蠢きだす

薄暗がりの峪間で遭遇した白い花は
ゆらゆらと森の深海を漂いはじめる





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Forest Aesthetics 森林美学 青の鎮魂

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               ...                                           © Daisuke Kawai



それは目の覚めるような青で
本当に目の覚めるような青で

綺麗であるとか
美しいであるとか
煌びやかであるとか
そういう言葉を恥ずかしくさせるような青で

それは息絶えた鳥の羽の色
構造色がそう見せるのだというような残酷な解説は
この青の前では静かに消え去ってしまう

零れた命のはかなさは
この青にはみじんもない
いずれ散り去り朽ち果てるさだめであっても
赤い血が脈動していたころから凍りついていたような青なのだから

















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Forest Aesthetics 森林美学 距離

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               ...                                           © Daisuke Kawai




遠目に見つけて
ああ,と思う景色があって
もっと近寄ってよく見てみようと歩を進めていくうち
ああ,と先刻とはちがった印象となって
がっかりしてしまうことがある
遠目に見て美しいと思った景色を
より美しいままにして眺めていられる
そういう距離があるような気がする
近寄りすぎるのはよくないということか
適度な間隔を保てということか
神の采配した距離を学べということか








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Forest Aesthetics 森林美学 聖堂

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               ...                                           © Daisuke Kawai



ドライな森よりも
ウエットな森がいい

濡れねずみになるのはいやなので
雨あがりがいい

でもいちばんいいのは
よく晴れた日に浴びる滝のミストだ

さわやかでケンコウ的という感じなのだが
だんだん敬虔な気持ちになってくる

水というものが細かく微粒化することで
より聖性が高まるのかも知れない










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Forest Aesthetics 森林美学 無音の渓

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               ...                                           © Daisuke Kawai




渓流の夢を見る
禁断症状のようなものだろうか
なにかがおのれのなかできれてくると
夢の中に渓流が現れる
最初は音だけだ
薄暗い森の中でどこからか水の流れる音が聴こえてくる
音を頼りに,森を進む
やっと目の前に渓流が出現したとたん
音が消える
ただ白波が沈黙のうちに流れている
いつも同じ夢である








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Forest Aesthetics 森林美学 完璧な風景

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               ...                                           © Daisuke Kawai




写真というのはその場に行ってシャッターを切りさえすれば
同じものが写るはずであるのだが
同じ人間が同じ場所に出向いても
歳月とか時季とか時間とかによって
まず同じ写真がとれることがない
真を写すというのはそのときそのときの真なのだろう
ヒトの細胞が毎日変わっているように
森もまた日々変化しているんだろう
完璧な風景が撮れたと思い,それを再現しようとして見ても
なぜか違和感がある
この風景もこの場所に案内することはいくらでもできるが
この写真を撮った時に案内することはできない
同じ風景なのに
いつぞやとは必ずどこかなにかが違っているというのは面白い







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Forest Aesthetics 森林美学 朝の森

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               ...                                           © Daisuke Kawai





夏の朝早くに森に出かければ
そこには清澄な空気があり
幸せな気持ちになれるのだということを
もうさんざん経験してきて熟知しているくせに
それでも
なにかそこへ行かなければならない理由がなければ
街の中でいつまでも惰眠をむさぼっている
森がどうの自然がどうのと言ったり書いたりしているわりには
そういう自分がどうにもこうにも嘘くさいのは
そんなていたらくをやはり情けないと思っているからなのだろう
薄っぺらい似非ナチュラリストなどの発言に
芯のある人間がそうそう反応するわけがない
しかしそんな愚かな逡巡をよそに
夜明けの森は今朝もたおやかに美しくきらめいている











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Forest Aesthetics 森林美学 草葉の翳

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               ...                                           © Daisuke Kawai





草葉の翳に
ががんぼのような
いかにもはかなげな羽虫がひとつ
身じろぎもせずぶらさがっていた
なんという虫なのか
そういうことを知りたいとは
どうしてかもうあまり思わなくなったが
こういうところには
こういう蟲がいるのだということを
忘れずにいたい
そんなことをいつものぼんやりと思うのであるから
不思議だなあと思ふ






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Forest Aesthetics 森林美学 ついてない

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               ...                                           © Daisuke Kawai



よい仕事をしようと思って
はりきって出てきたというのに
さっそく頭と端を喰われてしまった
ついてない
でも,こういうことってよくある











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Forest Aesthetics 森林美学 仕事

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               ...                                           © Daisuke Kawai



樹は倒れてなお「仕事」をする
そして「仕事」を与えている
それも美の根源なのか

朽ちた倒木にも見惚れる
せっせと樹を朽ちゆかる
菌の「花」にも見惚れる













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