瀬戸内寂聴著「場所」
Nov
13
十数年前の数年間 寂聴さんは地元徳島県鳴門に「ナルトサンガ」を開かれ毎月青空説法をされていました。その時ご縁で記録映像を毎回撮らせていただいてました。また寂聴さんの資料を収集している徳島文学館において 小説「場所」特別展示の為に「場所」の映像化に携わる事が出来ました。香川県、徳島県、京都府、名古屋駅、神奈川県、東京都を短期間で撮影しました。
小説「場所」は得度して寂聴さんになる前、瀬戸内晴美時代の幼少から得度前までの半生を移り住んだ「場所」に後年再び訪ねてエッセイ風にまとめた作品です。
撮影するに当たりその場所を特定するのに結構苦労しました。特に京都府、神奈川、東京都の取材撮影は何とか1週間で終えましたが ハードスケジュールだったけれど 何だか映画のロケ地巡りの様な感覚で楽しかったので、いつか改めてゆっくり撮影して見たいと思っていました。ただその時からも十数年経っていて
例えば寂聴さんが東京に最初に間借りした三鷹下連雀の「下田商店」さんも今は道路拡張の為に建て替えられていて、周りの環境も変わってしまいました。他も同じく変化しています。
去年、香川県引田町と徳島県丈六寺周辺は撮り直してみましたが、小説「場所」に描かれた寂聴さんの想いで風景を観ると実際にはその当時の建物や景観は大きく変わっていても 今までとは全く違ったドラマチックな風景を観る事が出来て、とても新鮮な旅が出来ました。
寂聴さんはいませんが、その作品は永久に残り多くの方達に感動を与え続けるでしょう。小説「場所」は小説を読みその場所を訪れる人たちにとって まさにワクワク、ドキドキの体験をさせてくれる小説です。一人の女性としての寂聴さんの生き方を彷彿としてくれるのではないかと思います。
興味のある方は 小説「場所」を読んで その場所を訪ねて行かれる事をお勧めします。
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Posted at 2022-01-01 05:53
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