ここまで書いてきて、たぶんあっしが中国茶を好きな事は理解してもらえると思うっす。そして、中国だろうが日本だろうが「良いものは良い」という価値観だということも理解してもらえると有難いっすな。 日本にばかり目がいってると、JAPAN as No.1 の論調はかなり多い。 これも台湾人が台湾烏龍を世界一だから、とガンと譲らないトコロに似ている。言うのは勝手だけど、もう少し広い視野で世界を見たらどうでしょうね?って事なんすよ。 今日は紅茶についてあっしが思ってることを取り留めなく書いてみる。 日本だとセレブ風に有難がって、やれアフタヌーンティーだ、何だと紅茶を好む傾向にあるっすな。(いや、一寸そもそも意地悪な書き方だな(笑)) 歴史的には、西洋におけるお茶文化の発祥は日本の緑茶がヨーロッパ行って、いつの間にやら中国茶を輸入するようになって、気が付けば味が好みの紅茶にハマって、せっかくだから自分たちで栽培しようと植民地で生産を始めた・・・ってのが通説。 アールグレイなんかも、中国紅茶のオマージュとして英国人好みの着香をして作り始めたもの。もちろん、あっしはそれは否定しない。 アールグレイとして美味しいものは確かにあるっすからな。 でもよーっく考えてみて欲しいっすよ。 そもそも、お茶単体の質が良くて美味しければ、着香する必要無かったと思うんすよね。逆に言えば、フレーバーティーは儲かる。 つまり茶葉って、すごーく商売のネタにしやすい。 もともと安いクズのような物でも、着香したら分からなくなって売れる。 もはや、茶を飲むっていうより香りを飲んでると言った方が良い。 ところが難しいのは、そんなフレーバーティーでも良い物を作りたい人が必ずいて、贅沢な茶葉に良質な香りをつけた商品も存在している。 こういう商品は確かに美味いっすね。 でも、そもそも本当に美味しいお茶なら、着香する必要無かったよね? っていう堂々巡りになっちゃう(笑) まあ、その辺は好みがあるから、それでも好きなら飲むし、ってことなんだけど。 あと一般的に西洋の紅茶は葉っぱはチョップドされてて、もう、もはや粉。 酸化の問題とか保管上のことは面倒なので置いといたとしても・・・ せっかく1stフラッシュだなんだ言ってんのに、何で粉にするのかな? 茶葉見て良し悪し判断するとか、出来ないし・・・ このあたり、例えば中国茶だと茶葉の美しさと、湯の中で開いていく様も景色として楽しむ傾向があるっすよね。これは白茶・黄茶・緑茶・紅茶・青茶・黒茶それぞれに。 これって、非常に文化的だよなあ・・って思うんすよ。 まず、茶葉の色や形を判断している。 粉にしなきゃ旨味が出ないような茶葉は、その時点で美味しくないから価値が無い。 そして、良い茶葉は一般的に渋くないという傾向があると思うので、例えば湯の中にずっと茶葉を漬けておいても、味としては濃くなるだけで、薄めれば普通に美味しい。これ、その辺で売ってるダージリンとかでやってみたらエグくって飲めないっすよ。 更にいうと、なぜイギリスであれほど紅茶が好まれるのか? というマジックがある。 いや、滞在したことが有る人ならすぐにピンとくる。 安い紅茶の茶葉、お湯に浸しておくとエグくなる・・・・。 それは、日本だから。 つまり水っすよね。 安い紅茶の茶葉でも、イギリスの水道水でも沸かして抽出すると・・ あら不思議。まろやかでとても美味しい(と感じられる) 鉱水のミネラルが紅茶のエグみを吸収してくれるから。ってことっすよね。しかもお茶の色は、その成分たちが化学反応起こして真っ黒。 だから、紅茶のことを英語ではRedTeaではなくBlackTeaと呼ぶんすな。 日本ではふつうに赤いから紅茶なんだけど。 そんな土壌の違いがあって、茶葉としての出来がそれほど良くなくても、美味しく飲めた、っていう何ともラッキーがあったという事実。 しかも、乳製品とのマッチングも良いことに気付いちゃった。 今度、スーパーとかで売ってる安めの紅茶飲むなら、是非鉱水で淹れてみる実験をすることを、強くおすすめするっす。 続く