日々山火事に立ち向かう消防士たち
猛威を振るう自然災害の前で、いかに人間は無力なのか。
他の州やニュージーランドからの消防士、国防軍の応援も入っているものの、事態の終息には程遠いのが現状です。
The ring of fire around Sydney is as angry and as frightening as we've seen. 20,000 people are tonight in the path of the mega fire rolling down the Blue Mountains into the town of Lithgow. #9News | Nine News Sydney (@9NewsSyd) December 21, 2019
山から住宅街に下りてきた火は、立ち木ではなくブッシュ(草むら)に延焼していきます。
そのスピードは平らな所では人の歩く速さよりも早い時速5-6km。
10%登りの角度がある場合は時速10kmとなり倍の速さで延焼していくそうです。(ソース: Country Fire Authority)
映像はブルーマウンテン地区の住宅地などで撮影されたものですが、20秒あたり見るとわかるように、ブッシュに引火した足の速い火を民家に燃え移らないよう、消防士たちは迅速に飛び込むようにして消火活動にあたっています。
熱と煙の中で、この命がけの活動が連日続いているのです。
敬意を表さずにはいられません。
各地域で、多くのボランティア消防団も活動に当たっています。
残念ながら、これまでに3名のボランティア団員が亡くなられました。
一人目の被害者となったSamuel McPaul氏は、5月に生まれてくる初めての赤ちゃんの顔を見ることも出来ず天に召されました。
ボランティアの消防団員は仕事を休み、無給で地元の消火活動に当たっています。
昨年9月からあまりにも長引く消火活動のため、仕事に戻れず収入が途絶えている人も多く、多大な負担となっています。
そのため、昨年末に政府は、長期出動のボランティア団員は条件付きで休業補償を請求できると発表しました。
1日300ドル以内(約22000円)、上限合計6000ドル(約45万円)が支払われるようになりましたが、あくまでも臨時的な措置で、消火活動への報酬ではなく、ボランティアたちの経済的損失の補填としています。
物価の高いオーストラリアで生活が続けられる金額ではありません。
この中には自宅を失っている方々もいるのです。