● BCA土曜学校のコラムVol.89●
日常を
5年生のみなさんと「日常を十七音で」という教材で俳句の学習をしました。
はじめに、例示した作品から情景や心情を想像し、俳句は季語を入れて5・7・5の音数で感動を伝えるものであることを確認。音数の数え方や句作の手順、表現の工夫を学習した後、日常の情景から見つけた言葉を書き出し、その中から選んだ一つの言葉からその時の情景や気持ちを書き込み5・7・5の型に入れました。もう一度練り直して完成です。
45分という短い時間でしたが、知っている日本語をよりすぐって一生懸命作ってくれました。
それぞれの日常が見えてくる素敵な作品を、そのまま紹介します。
○夏の雨 うさぎがぴょんぴょん 母の声
○はちの声 ピーピピピピピ もうダッシュ
○魚つり もっとやりたい 夏の海
○夏の雲 赤ちゃんねずみが 泣いている
○日曜日 ソファーでゆっくり ゲームした
○なつのそら ブルーベリーが さいていた
○オレンジ オレンジみかん色 夏のかおり
○レストラン 焼き肉うまいな 楽しいな
○りす親子 母走るけど 赤子跳ね
○夏の朝 犬と遊ぶよ 庭の中
○あめのひは そとにいけない かなしいな
○夏の空 かわいいセーバー 走ってる
○空のうえ 外の景色が きれいだな
○汗流す バスケットボール 追いかけて
○夏になり もう散っている 桜の木
○おじいさん 湖の前 きれいだな
○むしとりで どこへ行ったか 虫の声
○ぶらんこね 楽しそうでしょ 友達と
○大好きだ アートクラスの 絵画です
○さかなつり さおを入れたら 待つときだ
○食べたいよ おいしいおすし 札幌で
○しとしとと 雨が降ってる 梅雨の時期
○バナナ 黄色いバナナ 夏のバナナ
中髙生からの投稿も紹介します。
○雨上がり すり足上手 かたつむり
○ハイキング 緑の山道 気持ちいい
○山うさぎ 庭で跳ねてる 可愛いな
○自転車で 怖いジャンプが 楽しいよ
○気持ち悪 鬼滅の刃 人食い鬼
○外に行こう やっぱり寒いよ ハイキング
○炎天下 頭が燃えた バーベキュー
○生い茂る 山の緑が 綺麗だな
○卓球が 上手くなってく 部活かな
○目が痛い オンライン授業 いつ終わる
○朝起きて 授業に行って 疲れたな
○コロナ菌 学校がない 退屈だ
○たいくつで お外に行って やることなし
俳句は、世界でいちばん短い詩と言われています。
5・7・5の十七音という限られた音数の中で、言葉を上手に使って自分の感動を伝える伝統的な形式です。
17音のうしろにあるものも想像できるように作るために言葉を見つめていくことは、言葉を磨き語彙力を高めることにもつながります。 これからも、その時々の自分だけが感じる素直な思いを17音にのせてみましょう。
みなさんの「日常を」17音に。
夏休みも是非俳句作りを続けてその時々の感動を記録し、秋に学校が始まったら教えてください。
みなさん、元気に、よい夏休みを過ごしてくださいね。
5月から始まったオンライン授業も今日が夏休み前の最後のクラスとなりました。保護者のみなさまには、ご協力・ご支援をいただきありがとうございました。これから長い夏休みに入ります。9月5日からの土曜学校で元気な皆さんに再会できるのを楽しみにしております。
※写真は昨年度のものです。
● BCA土曜学校のコラムVol.88●
感謝
6月4日はWPS(中学部)8年年生の卒業式、そして今日はBCA(小学部)5年生のオンライン卒業式が行われました。
生徒会で作成した学校生活紹介ビデオ、幼いころの写真と成長した今の姿の紹介、お祝いの演奏、そして、卒業生代表、保護者代表、校長先生はじめ先生方のあいさつ。卒業生の皆さんの次のステージでの活躍を期待するあたたかい思いにあふれた卒業式でした。
それぞれのあいさつの中に、「感謝」という言葉がたくさん含まれていたことが心に残り、改めて素敵な言葉であることを確認しました。
「感謝」は、ありがたいと思う気持ちを表すこと。また、ありがたいと感じる気持ちという意味です。
「感」は、「口」と「まさかり」と「心臓」が組み合わさり、口が開けられないほど心を打たれることを表す文字で、ある物事や刺激にふれて心が強く動くことやその思いを意味します。
「謝」は、「言」と「射」が組み合わさり、口を使って言うことと張りつめた矢を手から放つことを表す文字で、言葉を発することにより緊張をゆるめることから、詫びるやお礼を伝えることを意味します。緊張をゆるめて、心の安定を得ることを象徴しているのだそうです。また、「謝」は「捨(しゃ)」にも通じ、同じ読みを持つ「捨」と同じ意味を持つようになり、捨て去るという意味も表すようになったという説もあります。
そう考えると、謝ると言う意味の「謝」がなぜ「感謝」に入っているのかが納得できますね。
これらの語源から、「感謝」という言葉は、人に何かをしてもらったことに対して口が開けられないほど強く心が動き、それを言葉の矢として相手に放つという意味を含んでいることがわかります。
ありがたいと思う気持ちを表す「感」と、謝ることでこだわりを捨て心が安らぐことを表す「謝」で「感謝」。
学校を巣立つ日に、お互いを思いやり「感謝」というが言葉がどの立場からも語られるWPS、BCAは素晴らしい学校だと思いました。
卒業生の皆さんの益々の活躍を祈っています。
幸せな未来が拓けますように。
ご卒業おめでとうございました。
私の母は、「おかげさまで」という言葉を大事にする人で、私たちは、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言える人になりなさいと教えられて育ちました。周りの人に対して「感謝」の思いを持ち、間違ったら素直に謝罪することが何よりも大事。「ありがとう」が言えると幸せな気持ちになり、「ごめんなさい」が言えると気持ちが楽になるよ。
そんな母の言葉も思い出した卒業式でした。
BCA日本語オンラインサマースクールの申し込みが始まりました。
登録料無料!詳細、お申し込みは、こちらからお願いします。https://www.bcasaturdayschool.com/page/summer
来週6月13日は、夏休み前の最後の授業です。来週も元気な皆さんと一緒に学習できるのを楽しみにしております。
● BCA土曜学校のコラムVol.87●
説明文
BCA土曜学校オンライン授業では2年生から6年生まで説明文の学習をしました。
2年生の「たんぽぽのちえ」は、時間を表す言葉を使って、たんぽぽが変化する様子と4つの知恵がわかりやすく説明されています。
3年生の「こまを楽しむ」は、日本の伝統文化にかかわる題材で、こまを紹介しています。問いと答えを明確に示して、6つのこまについて説明しています。
4年生の「アップとルーズで伝える」は、写真や図と本文を対応させて読むことによって、対比的な段落構成をつかんでいく説明文です。
5年生の「言葉の意味が分かること」は、文化や言葉に表れたものの見方の特徴について、「初め」と「終わり」に筆者の考えが示され、「中」で定義や事例が示されています。
6年生の「時計の時間と心の時間」は、時計が表す時間と体感する時間の違いとその関連について、筆者の主張とそれを支える事例の関係が示されています。
1年生は、2学期に「くちばし」という初めての説明文で、クイズに答えるように問いと答えを見つけて読む学習をします。
学年が上がるにつれ,文章量も難しい語句も多くなりますが、小学部の皆さんはよく頑張りました。1年生から学年の発達段階に応じた教材で系統的に学習することで、様々な説明文の型を知り読解力を高めることができますので、これからの学習も大事にしていって欲しいと思います。
説明文は、筆者の主張を読者に理解してもらうことを目的として書かれた文章です。
「初め」に、問い・話題提示・筆者の考え。「中」に、答え・例・実験・観察。「終わり」に、まとめ・筆者の考えという三構成が基本です。
構成に着目して文章全体をとらえ、各段落の大事な部分をつかんでいくと筆者の言いたいことが見えてきます。
今回の説明文に共通していた読解のポイントを3つ紹介します。
1、接続詞に注目
例えば、「しかし」「けれども」「でも」などの逆接の接続詞。対立する意見を先に述べて、否定する形で自分の論を述べる書き方が多いです。また、「つまり」「このように」などの要約説明の接続詞の後には、筆者の主張がまとめられていますので注目して下さい。
2、項目立てに注目
「第一に、第二に」「まず、次に、最後に」など、伝えたいことを分かりやすく整理して書いてある場合は、それぞれ大事な主張をしているところです。中心文に線を引いておくと主張の流れが見えてきます。
3、書き出しと文末に注目
強く伝えたい部分は「大切なことは」「大事なことは」などで書き始めたり、「○○が重要です。」「○○と考えている。」「○○が必要だ。」などと文末を強く言い切る強調語を使用することが多いので注目してください。
知識を得る時、何かを追求しようとした時、私たちが読む文章の多くは説明文です。
新聞や雑誌、家電などの説明書、インターネット上の記事など、皆さんもこれからも多くの説明文にふれていきます。ゲームの攻略本も説明文ですね。
小学部で読み方を身に付ければ、中髙部でも社会に出てもきっと役に立つはずです。日本の学校の入試には必ず説明文の問題が入っています。
論理的にまとめられた文章を読むことで思考力も高まりますので、説明文と仲良くなって欲しいです。
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