Search Bloguru posts

詩は元気です ☆ 齋藤純二

https://en.bloguru.com/shoboter99

freespace

⚪︎リンクㅤネット詩誌『MY DEAR』
http://www.poem-mydear.com/

⚪︎MY DEAR 詩の仲間たちツイッター
https://mobile.twitter.com/mydear2000s

“ # ” のついたタイトルはツイッター詩(140文字以内)
毎日ある記念日がテーマになっています

じいさんの上を向いて泣いたお話し

thread
今日はじいさんの
むかしむかしのお話しが聞きたいとな

そうじゃなあ
ひとつお話しをしようかな
わしの初恋ってのはどうだい

そうか
それは聞きたくないって言うと思ったが
では話を始めるかねえ

わしが小学校に上がる前の話じゃ
家はまだぼっとん便所でな

ああ
今みたいな水洗トイレでなくてな
和式便器があってその下に大きな穴があって
そこにするんじゃよ

便所のサンダルをそこに落としてしまい
父親によく叱られたわ

そんな話はいらないな
そうそう
まだ洋風な家などなかった近所に
レンガが数段つまれてた塀で
その上に白いパイプが建てられての
そこにバラが巻きつき
真っ赤な花を咲かしていたんじゃよ
家も真四角で真っ白な家で
外国のお話しに出てくる
世界って感じの不思議な魅力があった

そうなんじゃよ
そこの家族は金髪で鼻の高いひとたちで
なんせ言葉が通じなかったんじゃよ
パパさんは少し日本語が話せたんだけどな
いつも家にいるのはママさんとお嬢さん

そうそう
そのお嬢さんの名前はヘレンって言って
わしと同じ歳くらいだったの
言葉はまったく通じなかったけど
ずっといっしょに遊んでいたんじゃ
ヘレンはピアノが上手で
聞いた音楽をすぐに弾いたりするんじゃよ
「上を向いて歩こう」がわしはとても好きで
人差し指を立て日本語で「もう一回」というと
嬉しそうにピアノを弾いてふたりで歌ったんじゃ
今でもあのヘレンの笑顔は忘れないの

わしはヘレンを笑わせるのが楽しくて
バラのトゲをパチンと取ってツバをつけ
自分の鼻の頭やおでこにつけて
怪獣のマネをするとヘレンはキャアーと
半分笑いながら逃げるんだよ
楽しかったの

そうそう
ヘレンの誕生日に
わしは上手ではなかったけどヘレンが
ピアノを弾いている姿を絵に描いてプレゼントしたんじゃ
その時な

はいはい
その時な
ヘレンはわしのぽっぺたにキスをしたんじゃ
固まっているわしを見るヘレンが笑っていて
嬉しいのに嬉しくないというか
初めての感覚だったの

しかし
楽しい時間というのあっという間に過ぎてしまい
ヘレンとは小学校を上がるちょっと前に
さよならすることになってしまったんだよ

別れる日のことは鮮明に覚えてるの
ヘレンにサヨナラの言葉さえ出なくて
車に荷物を運ぶパパさんとママさんを見て
ヘレンとわしは手を繋ぎ突っ立っていたんじゃ

パパさんとママさんがわしに「ありがとう」と
とても優しく言ってくれたんじゃ
だが
それがヘレンとのお別れの時というのがわかり
口をきつく結び泣くのをガマンしたんじゃの
ヘレンと手が離れた感触も今でも覚えてとる

車が出るとわしは突然に大きな声で
「上を向いて歩こう」を歌い出したんじゃ
するとヘレンは後部座から振り向いて
ピアノを弾くマネをしたんだ
わしは「涙がこぼれぬように……」と歌ったが
涙はいつまでも流れたんじゃなあ

これがわしの初恋の話になるの
おお
お前さんも泣いてくれるんかい

聞いてくれてありがとうな

#お話し

People Who Wowed This Post

#冬の風

thread
風は冷たいかもしれなくて

「かもしれない」と感じるほどの心は
ここにあるのだけれども

地に着いていない毎日
不安を誤魔化すほどの楽観はないけれど
進まなくていけないと
理由もわからず暮らす日々もあろう

冬の風は冷たいかもしれなくて
近くを見るばかり

枯れ葉がまた足元に落ちた

People Who Wowed This Post

ありがとう風船

thread
破れない風船は
お世話になったひとたちへ
垂れ下がった糸を振りながら
感謝の気持ちを伝えに行きます

少しの間
この世界を自由に飛べるのです

私も風船になりました
先ほどから挨拶まわりをしています
飛んでいるのは夢のようで
なんだか不思議な気持ちがします

カラスはカァーカァーと鳴きながら
私のことを見ています
けれどもクチバシで突くことはしません
その黒い出で立ちで親近者のように
喪に服しているのだろうか

懐かしい小学校が見えてきました
私が描いた絵はまだ飾られているだろうか
見てみたいけれど
そこまで時間はないようなので
家族のところへ向かいます

なんてことでしょう
私の身体を囲み家族が泣いています
ろくな人間ではなかったのですが
いざ風船になると
ちょっといいひとになるようです

家族には
ありがとうの言葉しかありません
この世界で共に過ごせた幸せ
私も泣いています

ああ
どんどん空の上にあがり
とっても速く景色は流れています

もう雲の上まで来てしまいました
なんだかとても懐かしい匂いがします

そして
おふくろと親父の声が聞こえ
どんどん光の世界に近づいています

ただいま
帰って来ました

お前の帰りをずいぶんと待ったよ
いい人生だったんだね
ご飯の準備はできているから
いっぱい食べるといい

#詩

People Who Wowed This Post

#星が笑って

thread
帰るところを知らない
僕たちを星が笑っています

手をつなぐ温かさがあれば
寂しいさは
どこかに飛んでいきます

なんだろう
このありがとうの気持ち
こころは夜空に
とっても澄んでいきます

ふたり手をつなぎ歩く
ここが
ただいまの場所でしょうか

僕たちを星が笑っています

#詩

People Who Wowed This Post

夢と現実の間

thread
どんよりと重たい夢を引き摺り
現実の朝に上手く戻れない
どうにもならない苦しみだけが
生きていることを自覚させる
未来の不安がそうさせたと言うのか

強度な追い込みは
このままではないことを知っている
時間と共にどんよりが溶け始める

自転車のスタンドが上がる音
掛け布団から出た肩の冷たさ
立ち上がる時の腰を気づかうイメージ

現実に追われた俺は
この現実に救われてゆくというのか

夢の世界と現実の世界
その間の世界から抜け出して
始まろうとしているのか
それとも何も無いだろう世界に近づき
終わろうとしているのだろうか

必要のなかったアラームが鳴る
動かす左手からどんよりが消えてゆく

#詩

People Who Wowed This Post

  • If you are a bloguru member, please login.
    Login
  • If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
    Request Account