タバコをやめ 爪を齧るようになり 指をしゃぶるようになり なんだかイライラして うぎゃーうぎゃーと 泣き始めました そしてサチコは私を抱き抱え 歌うのでした 折れたタバコの吸殻で 男の嘘がわかるのよ と
ずいぶんと 俺は俺を忘れていたよ 昨日の雨 いつもの轍に溜まる水となり そこから青空を見つめ 風に気分よく揺れながら あーだのこーだの考え ゆるゆるに透過する 清々しい俺を感じては 濁りのない幸せとかいって 笑っている素っ頓狂 ああ好きだな 世間とは遠いところで この嵌って守られ 俺がどんな人間だとしても 透明に帰る俺がいる
たびたびたびだつ たびなれたたびびとは たびかさなるたびをするたびに たびせんだけがたびたった びたいっせんもないたびびとが たびのそらをみるたびは たびにたびするたびびとのたび たびびとはこれをたびたび たびしいという
初めて書いた詩を覚えている 内容は忘れているけれど ボクはその時に 言葉の連なる絵をきれいだと思った 頭の上を余白の雲にして 落ちてくる言葉は センチメンタルな雨ふり 愉快な雨ふり 句読点を使わないことに ちょぴり不安になった気持ちと 自由になれた不思議があった ボクの思いをふらすと この空は鏡より 正直に省みと希望を映し出す そして 今を過去と繋げるスペースをもち 今を未来と繋げるスペースをもつ シトシトランラン ボクはこころ模様を描きながら いつまでも遊び続けるのさ