哀しみの涙は 海に流れ 青が微笑み 喜びの声は 空の雲となり 白が飛んで 怒りの尖りは 夕陽に傾げ 橙が踊り 楽しむ心は 星の輝き カラフルが咲いた 分かち合う 恵のスピリッツは 継がれ振られ やさしさが吹く
いかているよ きいいすもいてんきだす ひとり暮らしの母にスマートフォンを渡した 始めは難解なメールばかりだったが それでも母と繋がっていることに安心した そして週末は文字入力の練習 母ちゃん長押しになっているよ 文字を打つ時にアッと言いながら押してみてよ アーじゃないよ アッだよアッイッウッエッオッって感じで アッイッ ポッポッポッ カッキッ ポッポッポッ タッチッツッテッ ポッポッポッ アッイッ ポッポッポッ ラッリッルッ ポッポッポッ ヤッイッユッエッヨッ ポッポッポッ 母ちゃんポッポッポッのおまけ付きだね 笑っちゃうけど良い感じだよ 今朝も母から「鳩」の歌に合わせメールが届く 生きているよ 今日もいい天気ですね
紙ひこうきのこころは もう風に乗ることは許されないようだ 立体は緩んできれいな平らになろうとする ここは大地なのだろう玉虫が背をくすぐり 雨粒が釘を打つように叩く こんな所で声が聞こえてくる ああ俺は間違いなくお父さんだった 目を開け まだ生きているのかと微笑んだ