エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day5)「『謙虚に問いかける』は、他の問い掛けとどう違うのか」

こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続き、エドガー・H・シャイン氏の著書

「問いかける技術」

を読み進めながら、私がキーポイントだと感じる部分を挙げて行きます。

今日のテーマは

他の問いかけと「謙虚に問いかける」とは、どう違うのか?

下記4種類の問いかけを挙げて「謙虚に問いかける」とは、何がどう異なるのかを見て行きます。

1.謙虚な問いかけ
2.診断的な問いかけ
3.対決的な問いかけ
4.プロセス指向の問いかけ
5.まとめ


1.謙虚な問いかけ

(1)自分が知らないということを積極的に認め、出来るだけ偏見を持たないようにして、相手を怖がらせない方法で情報を求める。

(2)相手に対して興味を最大限に持つ。

(3)相手を誘導したり、優等生的な回答を期待していると感じさせないようにする。

例えば、職場で役員が社内を歩き回りながら、こんな風に話かける場面。
「今、君はどんな仕事の取り組んでいるの?」

①誠実さに欠ける上司やその言動は、直ぐに見分けられるものである。

②いかに質問を取り繕っても、本気で興味を持っていない場合は、それが相手に伝わってしまう。

③謙虚な姿勢で尋ねている時は、先入観を排除し、頭の中をすっきりさせて会話を進め、自分はなるべく相手の話を聴くことに専念する。

④「謙虚に問いかける」が上手く行くかどうかは、両者が会話の目的をどう捉えているか、またお互いの力関係、あるいはそれまでに築いた人間関係の密度によって左右される。


2.診断的な問いかけ

(1)最初は「謙虚に問いかける」をしたつもりが、途中で相手の話に出てきた特定のことに自分が興味を持ち、そこに焦点を当ててしまうような問いかけ。

(2)自分が会話の主導権を握ってしまうことになり、知らないうちに相手の思考プロセスに影響を与えてしまうことになる。

(3)見分けるポイントは、自分が会話の主導権を握るという行為が、あくまで相手から頼まれたことをきちんとやりたいという意思によるものなのか、それとも単に自分の好奇心を満たしているからに過ぎないのか? 得てして後者、自分の好奇心を満たすための問いかけをしてしまうものである。


3.対決的な問いかけ

(1)質問という形をとりつつも、自分の考えを差しはさむ。これが対決的な問いかけの本質的な要素。

(2)自分の主張を強めるための質問や、誘導的な問いかけが典型的である。

(3)つまり、自分自身の利害に結びついている問いかけと言える。


4.プロセス指向の問いかけ

(1)会話の焦点を中身ではなく、会話そのものにフォーカスする訊き方。

(2)相手と良好な人間関係を築こうと会話を進めている際に、おかしな方向へずれてしまいそうな会話を「どうなさいましたか?」と問いかける方法である。

(3)つまり、会話の流れやプロセス自体を、会話の目的や趣旨に沿ってコントロールするような働きかけをするための問いである。


5.まとめ

(1)自分ばかりが話すことを控え、もっと相手に質問するように心がけたとしても、それだけで信頼できる人間関係を築くには不十分である。

(2)もしも自分の方が相手よりも、一段高い位置にあると心のどこかで思っているならば、その気持ちが態度に表れてしまう。

(3)「謙虚に問いかける」を実践するためには、まずは謙虚な態度を保つことから始める必要がある。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお

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