宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day3)「コミュニケーションの豊かさ」

こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続いて、宮田穣著の「組織に効くコミュニケーション」を読み進めながら、私がポイントだと感じる部分を記述していきます。

今日のテーマは、

コミュニケーションの豊かさ


章立て
1.コミュニケーションの豊かさとは
2.「対面」でのコミュニケーション
3.「メディア・リッチネス」という概念
4.等身大のコミュニケーション


1.コミュニケーションの豊かさとは

(1)コミュニケーションに関して「豊かさ」を定義・測定するのは簡単ではない。
しかし、「話が上手い」「話しぶりに独特な雰囲気を感じる」「あの人にはついつい何でも話してしまう」など、定性的は表現することは出来る。

(2)一つ言えるのは、コミュニケーションの前後で、自分が何かしら「変化」していることを実感できること。

(3)コミュニケーションの豊かさには、そのコミュニケーションに関する様々な要素(手がかり)が多様に含まれていて、そのブレンド具合によって決まる。

(4)その多様な手がかりは、話し手のイメージと聴き手のイメージのずれを小さくし、互いに共有できる部分を大きくする。

共感や感動が生まれるのは、共有された部分の内容に伴う魅力に依存する。

(5)経営危機に陥った企業が、社員の自主的な判断と行動によって危機を乗り越える姿の根底には、社員全員が議論を重ねて明文化した「企業理念」が、お題目ではなく社員一人一人の心の中に息づているからである。

(6)組織でのコミュニケーションの豊かさは、基本的な事柄が組織文化として共有出来ていれば、多くを語り合わなくとも、お互い共有したイメージの下で一体感のある行動が取れることからも窺い知ることができる。


2.「対面」でのコミュニケーション

(1)「対面」でのコミュニケーションが豊かだと感じるのは、人間そのものが「情報の宝庫」だからである。身振りや手振りはもちろん、「目は口程に物を言う」などの表情から多くの事が伝わる。

(2)しかし対面でのコミュニケーションは、①手間と時間がかかる、②相手から多くの情報を引き出すためには、場数とそれなりのトレーニングが必要。


3.「メディア・リッチネス」という概念

(1)組織でのコミュニケーション研究の分野で、1980年代のアメリカで考え出された「メディア・リッチネス」理論というものがある。

(2)メディア・リッチネスは、色々なメディアが本来持つ「潜在的な伝達力」に基づいている。

伝達力は、①迅速なフィードバックの入手可能性、②多様な手がかりを同時に運ぶ能力、③個人にどの程度焦点を当てているか、の3つの視点で判断する。

(3)主要な下記伝達メディアのリッチネス度合いは以下の通り。

高いから低いの順に並べると(カッコ内はリッチネス度合いの相対評価レベル)、

対面関係(100)ーテレビ電話(60)ー電話(30)ーボイスメール
ー電子メール(10)ー私信(手紙・メモ)ー文書(報告書・書籍)

(4)リッチネスを高める工夫は、対面の機会を増やしていくことは当然。一方、それが難しい場合は、リッチネスの低いメディアを複数組み合わせることで可能となる。

(5)相手によっては効果的なメディアは異なり、また、利用するメディアによってコミュニケーションの質も異なってくる。


4.等身大のコミュニケーション

(1)コミュニケーションの定義を「相手との関係を築き、お互いを変えていく行為」とするならば、相対評価レベル(50)を越えたコミュニケーションを「等身大のコミュニケーション」としたい。

(2)これを実現するためには「対面」の半分以上のリッチネス(即ちレベル50)になるように、いくつかのコミュニケーションを組み合わせていくことが必要である。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお

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宮田穣著「組織に効くコミュニケーション」を読んで(Day2)「組織とコミュニケーション」

こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日に続いて、宮田穣氏の著書

「組織に効くコミュニケーション」

を読み進めて行きます。今日のテーマは

組織とコミュニケーション

章立て
1.組織にとってコミュニケーションとは
2.コミュニケーション不全はなぜ発生?
3.広がる心の病
4.コミュニティ意識とコミュニケーション
5.組織も「断片化」する


1.組織にとってコミュニケーションとは

(1)そもそも組織とは、「2人またはそれ以上の人々の、意識的に調整された諸活動または諸力のシステム」即ち「協働システム」と定義される。

そしてその成立条件は、①コミュニケーション、②貢献意識、③共通目的、である。

(2)仕事の仕方の変化によって、コミュニケーションの仕方も変化する。

(3)組織においてはコミュニケーションがしっかり成立しているかどうかが重要。

(4)組織でのコミュニケーションには、①フォーマル・コミュニケーション、と②インフォーマル・コミュニケーションがある。

①は「報連相」に代表されるもの。②は仕事や役割というより、職場での人間関係に直接関わるもの。例えば「ランチ仲間」間の情報交換のようなもの。

(5)どんな組織においても①フォーマル、と②インフォーマルの両方が必要である。


2.コミュニケーション不全はなぜ発生?

(1)コミュニケーション不全が起こる原因の一つは、コミュニケーション・ギャップ。

(2)組織を人間の身体に喩えられることがよくあるが、血液の流れに該当するのが情報の「風通しの良さ」。自律神経に当たるものは様々な「バランス感覚」と言える。

(3)コミュニケーション・ギャップに代表されるのは、①分かり合えない世代間ギャップ、②仕事のスピード化・効率化で中間管理職が消失、③一方的に通告するメールで、コミュニケーション不足。

つまり、仕事の余裕の無さがコミュニケーション不足を生み、コミュニケーション不全が起きてしまっている。


3.広がる心の病

心の病が起こる原因は様々考えられるが、以下の事象との相関関係が高いと想像される。
(1)個人で仕事をする機会が増えた
(2)職場での助け合いが少なくった
(3)職場でコミュニケーション機会の減少


4.コミュニティ意識とコミュニケーション

(1)「人はどのような時に、組織に属しているという実感、つまり組織人としての実感を持つのか?」

(2)組織の2つの側面:①目標を達成するための「機能的」な集団という側面、②精神的なつながりが強い共同体、すなわち「コミュニティ」としての側面

(3)組織の2つの側面の両面において一体感は重要ではある。しかしコミュニティ意識を高めることにつながるコミュニケーションという観点では、場を共有し、深くお互いが関わりながら協働で何かに取り組むことでより深い関係が構築され、コミュニティ意識は強くなる。


5.組織も「断片化」する

(1)情報が断片化してきているだけではなく、組織も断片化してきている。職場作業における「従業員の孤立化」など、人と人と関わりが希薄な仕事の進め方が組織の断片化を生む。

(2)「断片化」しがちな仕事環境で、機能面だけを重視した仕事をひたすら推し進めていった先にあるものは、組織そのものの存続を脅かしかねない。


ではまた明日!
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