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能力のない者

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10/19/2019







昨年の今頃はどんな感じで過ごしていたんかなとこの日記を遡って見てみたのだが、なんてことはない、去年は絶賛サボり中で7/19/2018の次は12/28/2018だった。よって、あの時の記録もなかった。


あの時、というのは、昨年、同僚Kの孫息子が不慮の事故で亡くなったことだ。あの日、ランチ servingが始まってしばらくしてからだと思う、KはJに呼び出され、泣き崩れるようにして出て行った。Jも泣いていた。何があったのか最初は誰もわからなかったし、確認する時間もなかった。

後になって、わたしの隣のレジを担当するAから、Kの孫娘が亡くなったらしい、と聞かされ、「まさか、、、」と足が震えた。結局それは誤報で、亡くなったのは生まれたばかり(4ヶ月だったろうか)の孫息子だった。どちらにしても酷い知らせに変わりはないのだが、、、



昨日、休憩中にJに呼ばれたKは泣きながら出て行った。
わたしたちは皆、何があったんだ・・・とザワザワしたが、誰かがL(Kの亡くなった孫息子)の誕生日だか命日だかだ、と話していた。Kは今でもLの話になるとすぐに涙ぐむ。
そのまま帰るのかと思ったが、気丈にもKは仕事に戻ってきた。そういう時わたしは、彼女を慰める良い言葉を知らない。なので、Kをhugし、自分にできることがあれば何でも言って欲しい、無理をしないで。とだけ言った。Kはわたしを強く抱きしめ、ありがとう、と言った。Lの誕生日なのか命日なのかは聞かなかった。多分、誕生日だったのだと思う。

帰りしな、Kにもう一度hugし、Take care! と言うと、今日は仕事帰りにそのままお墓に行って、家族皆が集まってLのために風船を飛ばすのだと言っていた。そして明日(つまり今日)は、どこかでLを偲ぶイベントを行うらしい。


幼い我が子を失うってどんな気持ちなのだろう、見当もつかない。
が、そんなことをぼんやり考えていたのだろう、昨夜見た夢にまだ幼い頃の娘が登場した。娘は6歳くらいだった。


わたしたちは大きな教会を借りて、そこを日本語学校として使っていた。わたしは講師として働いている。

その朝、「選ばれた者」たちは付いて来るように、というアナウンスが入った。外は長く続いた豪雨の後で、教会の近くを流れる川は氾濫寸前だった。
娘は「選ばれた者」のひとりだった。わたしは違う。違ったのだが、娘と一緒に行った、娘を守るために。

呼び出した人は笑みを浮かべた顔に冷たい眼光を光らせ、わたしをすぐに見つけた。そして、「あなた、あなたにしましょう、勇気のある者よ。」と言った。

わたしは彼女の前に出て行き、大人しくしていた。多分このままあの川に放り出されるのだろうと思いながら。
彼女は言った。
「能力のないあなたにします。能力のない者、選ばれた者ではない、あなた。」
わたしは、「娘とお別れをさせてください。」と言い、娘のところへ戻った。
娘は、何もわからない顔をして、わたしを見ていた。わたしは娘に、「ここを出よう」と言い、彼女の腕を引いて走った。

教会の窓から、轟々と流れる川が見えた。
どうせ殺されるのなら、最後まで抗ってからにしよう、と、心に決めた。それから、娘を誰か信頼できる人にお願いしなくてはならない。それまでは死ねない、と思って走った。

教会の1階にある広場では、生徒と親たちが集まってフロアに座っていた。
それぞれの教室は使えなくなっていたらしく、どの学年も皆が一堂に会していた。机も椅子もないところで、今日の授業は行えるのか、といった声が聞かれた。それどころではないわたしは、誰か頼りになる人を・・と探していた。その中に、なぜか姉3と、従姉妹のmがいた。姉は風呂敷に包まれた籠を持っていた。何かの差し入れらしかった。
姉の元へ行く直前で、追っ手に捕まった。

「助けてください!わたしは殺されます!誰か、助けてください!」

わたしがそう叫ぶのに、周囲の人たちは気が触れた人を見るかのような目で、まぁまぁまずは落ち着いて、といった顔をしている。
わたしは姉のところへ行かなくては、と思う。追っ手の腕を振り切って、人混みの中を、娘の手を引いて、姉の名を叫びながら走る。わたしのすぐ近くを、親戚のKおじさんが通った。教会では委員をしているような人だ。Kおじさんならわかってくれるかもしれない。でも、その前にまずは姉だ、姉に娘を頼もう。そして、出来ることなら、わたしも皆と一緒に逃げよう、逃げなくてはならない。こんな馬鹿げたことが実行されてなるものか。




・・・

この後、わたしは姉に追いつく前に目が覚めた。









#ユメモ #日記

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