オヤマボクチ(雄山火口); なんとも変わった名前。ボクチ(火口)とは火打ち石から出る火花を移しとる綿毛のこと。 この葉っぱの裏にある綿毛が、火打ちに使われる。秋口になるとあざみのような花を付ける。 ゴボウに良く似た大きな葉、アザミの仲間には見えない。が、富士薊の花に似て同属とわかる。 花も穂も同じような濃い黒紫色で、どこからが花なのか判らない。大きさは7~8cmもある。 オヤマボクチは本州東部以北、ヤマボクチは本州西部以南に分布し、愛知県は境界にあたる。 ヤマボクチは、キクバヤマボクチの葉に切れ込みがないもので浅鋸歯縁で生育数が少ない。 両者の差は、高さ、葉の形と大きさと厚さ、総苞のクモ毛の量、頭花の大きさにある。 しかしながら、生育環境により色々で葉の大きさや形だけで判別することは難しい。 オヤマボクチの茎は直立して分枝し、白色の綿毛がある。 葉は互生し下部の葉は、長さ15~35㎝の卵状長楕円形で鋸歯縁(深いもの浅いものと色々)がある。 基部は心形、葉柄は長く基部に狭い翼がある。葉裏には、白色の毛がフェルト状に密生する。 茎上部の葉は、小形で短柄。上部で分枝した枝先に頭花をつける。 頭花は下向きに咲き総苞は球鐘形、くも毛があり開花すると全体が紫色~紫褐色になってくる。 総苞片は、下部が線状披針形、先が刺状、外片~中片の先が開出し、花後にさらに次第に開く。 小花は花冠が紫色~赤紫色、総て筒状花。葯は暗紫褐色、後にすぐに退色して淡褐色になる。 小花は外側から咲き、外側の小花から退色する。花柱は桃色、柱頭も桃色で先が2裂、花粉は白色。 根は漬物に、また若葉を草餅に用いる地方もある。 同属の花にハバヤマボクチ(本州・福島県以西、四国、九州に分布)、 ヤマボクチ、本州(愛知県以西)、四国、九州、朝鮮に分布、等がある。 何れの花も茎高が、1~1.5mと大型の植物で葉も約30cm位になる。 ハバヤマボクチの葉は、正三角形に近く何とも奇妙に映る面白い花である。 アザミのようでアザミではないオヤマボクチ、名札がないとわからないが近くで見ると余りにもでかい。 低地では、9~10月上旬にダイモンジソウやリンドウなどと同時期に見れる。 このオヤマボクチは、山間部の薄暗い所で見れるが少々、薄気味悪く月明かりの下では出会いたくない? 《時節感慨・・呟記・・“幽霊のような奇っ怪な花!?!”》 両親の資料に、神奈川県では、足柄山の登山道で観られるとあった「オヤマボクチ(雄山火口)」。 言わずと知れた箱根の外輪山。登山者のみが見れるような静かな場所に生育しているようだ。 神奈川県内の林道と呼ばれている所は、殆どが舗装化されている。 一般道として解放されている所もあるが、林業等の関係者しか通れない場所も多い。 そんな閉鎖されている所の一つが、2019年内に一般道として整備され開通するらしい。 「南箱道路」とよぶらしい。開通すると都心から箱根仙石原への利便性は計り知れない。 南箱道路は、南足柄市矢倉沢と箱根町仙石原を結ぶ林道で全長約10.9km。 東名高速道路を使えば、仙石原(箱根全体)迄の交通の便は、飛躍的によくなる。 だが、自然との共存共栄を考えるものからすると一抹の不安もある。 公道として整備されると、最初に植物への悪影響が出てくるのではないか、ということだ。 希少植物もさることながら、生態系を極力保全維持できるように配慮して欲しい。 こんな事を思っている爺だが、深山の奥懐へ行きやすくなる、と期待もしている。 身勝手な己の思考、どうしよう?? この先、カメラ機材も増えそうだし!?!