《言い伝え・風習(1)・_・春⇔「ヨーカゾー」!!”》 大和(関東一円)では、12月と2月の8日を「ヨーカゾー」と云ってきた。 この日は、「一つ目小僧」がやってくる日なんだそうだ。 この日に「目カゴ」(目を粗く編んだ竹籠(かご))を竹竿の先につけて、 家の軒先や庭先に立てる風習があった。 言い伝えによると、一つ目小僧は12月8日に各家を訪れ、 災いを与える家を帳面に記した。 その帳面を2月8日に取りに来ると約束して道祖神に預けて行くので、 災いを避けるために1月14日のセート焼き(道祖神の火祭り)の火で、 帳面を燃やしてしまうのだと言い伝えられてきた。 **今で言う「左義長」「どんと焼き」もセート焼きの一種** 目カゴを飾るのは、一つ目小僧が目の多い物に驚いて逃げるからに由。 この様なヨーカゾー伝承に因んで、民家の軒先に目カゴを飾り付けた。 * * * 民間伝承って興味深い。神様仏様混淆、日本の民間信仰を物語っている。 1932年(昭和7年)に座間市(大和市の隣)市内の墓地から、 眼窩が一つしかない頭蓋骨が掘り出されたことがある。 行き倒れの末に野犬の襲撃などで命を落としたものと推定され、 供養のために「一つ目小僧地蔵」が建造され、 一つ目小僧の伝承と結び付けられて後に伝えられている。 この頭蓋骨の主、単眼症であったか??座間市栗原(芹沢公園の近く)。 「2020/02/02 泉の森・民家園」