《“あぢさゐ鑑賞・姫紫陽花考❖2016/06/13~21❖》 コロナ・豪雨、今年は二重苦の梅雨期である(早く解消してほしい)。 紫陽花探訪、通う伊豆半島”ジオパーク“そのものって感じた。 伊豆から戻って“おたくさ”を再認識。日本固有種の紫陽花と。 改めて『シーボルトのOtakusa』の歴史を想うのである。 ライデン腊葉館(さくようかん)のシーボルト標本が一箇所に纏った由。 以前は、シーボルトの標本を総て見るのは、かなりの時間を要した。 それが一箇所でみれるように成ったらしい、訪ねてみたく思う。 半世紀も前の頃、手毬紫陽花=西洋紫陽花と言われていた(僕の記憶)。 梅雨になると僕を連れ両親は北鎌倉の「明月院」に必ず連れて行ってくれた。 目の前の紫陽花は、日本固有の原種「姫紫陽花」だと、繰返し言っていた。! ヒメアジサイ(姫紫陽花);マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)ロゼア 今やアジサイ寺で有名になった鎌倉明月院のアジサイは、殆どがヒメアジサイ。 牧野富太郎博士が昭和4年に ホンアジサイに比べて「女性的で優美」と発表。 ホンアジサイより花の房が小さく、花色が上品な青一色。他処では見られない。 ヒメアジサイは、ホンアジサイとエゾアジサイとの交雑種と考えられている。 野生は、未だ確認されていない幻の種。日毎に青さを増す等々、魅せてくれる。 明月院では、毎年300鉢のさし木をして、新旧の植え替えが行われている由。 さし木は、1年間は鉢で育て、その後、山中の畑で4~5年の成長期間を経て移植。 同属に四季咲きヒメアジサイというのもある。 (Hydrangea serrata ssp.yezoensis f.cuspidata‘Shikizakihime’) 6月から咲き始めて12月頃までの半年間咲いているようだ。 古くから植木が盛んな安行(川口市)では、「安行四季咲き」と呼んでいる。 ヒメアジサイは、花形が特徴で5個の花房に分かれ花形がゴツゴツしてる。 葉に光沢が無く、質が薄く、花がやや早咲きといった特徴もある。 樹高は2m前後。葉の形状は卵形もしくは広楕円形で、対生する。 葉質は、幾分薄く、葉の縁には整った鋸歯があり、先端は鋭頭となる。 6月頃、ほぼ球状で青色装飾花と両性花の混じった花序をつける。 姫紫陽花は明治12年(1879)にイギリスに渡っている。 イギリス人植物学者(プラントハンター)チャールズ・マリーズ(Charles Maries) が持ち帰った。独特な青色であるが、ヨーロッパ各地では酸性土壌地が多い。 そのために赤色に開花するので、西欧では姫紫陽花を「ロゼア」と命名した由。 その後、西洋アジサイの育種親として多用されこんにちに至っている。 又、単に小形のアジサイを「ヒメアジサイ」と呼ぶことがあることから、 区別し「マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)」と呼ぶことがある。 固有種として昔から人々の目に触れ、全国で栽培されてきたはずなのに、 古典詩歌に詠まれたのは極端に少ない。人気が出たのは戦後と言われている。 この節、梅雨どきの花、と云えば真っ先に紫陽花が出てくる。 全国各地に紫陽花の名所、と言われる場所(自生ではなく植栽)はとても増えた。 だが、自生(野性的)地と言われる場所は減少して、寂しい。 流行り的に植栽されてる場所と違い、明月院は、歴史がある。 今や、自生地と言っても良いか。半世紀以上も同種を育てている故。 願わくば、明月院は「姫紫陽花」のみで魅せてほしく思う。 「2016/06/17鎌倉市山ノ内(撮影)」
People Who Wowed This Post
People Who Wowed This Post