《 梅雨期に魅せる花“あぢさゐ”・・・其の七❖20-65❖》

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ヒメアジサイ(姫紫陽花)       アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea macrophylla subsp.serrata var.amoena
別名: ニワアジサイ、マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)ロゼア
《“あぢさゐ鑑賞・姫紫陽花考❖2016/06/13~21❖》
コロナ・豪雨、今年は二重苦の梅雨期である(早く解消してほしい)。
紫陽花探訪、通う伊豆半島”ジオパーク“そのものって感じた。
伊豆から戻って“おたくさ”を再認識。日本固有種の紫陽花と。
改めて『シーボルトのOtakusa』の歴史を想うのである。
ライデン腊葉館(さくようかん)のシーボルト標本が一箇所に纏った由。
以前は、シーボルトの標本を総て見るのは、かなりの時間を要した。
それが一箇所でみれるように成ったらしい、訪ねてみたく思う。

半世紀も前の頃、手毬紫陽花=西洋紫陽花と言われていた(僕の記憶)。
梅雨になると僕を連れ両親は北鎌倉の「明月院」に必ず連れて行ってくれた。
目の前の紫陽花は、日本固有の原種「姫紫陽花」だと、繰返し言っていた。!
ヒメアジサイ(姫紫陽花);マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)ロゼア
今やアジサイ寺で有名になった鎌倉明月院のアジサイは、殆どがヒメアジサイ。
牧野富太郎博士が昭和4年に ホンアジサイに比べて「女性的で優美」と発表。
ホンアジサイより花の房が小さく、花色が上品な青一色。他処では見られない。
ヒメアジサイは、ホンアジサイとエゾアジサイとの交雑種と考えられている。
野生は、未だ確認されていない幻の種。日毎に青さを増す等々、魅せてくれる。
明月院では、毎年300鉢のさし木をして、新旧の植え替えが行われている由。
さし木は、1年間は鉢で育て、その後、山中の畑で4~5年の成長期間を経て移植。
同属に四季咲きヒメアジサイというのもある。
(Hydrangea serrata ssp.yezoensis f.cuspidata‘Shikizakihime’)
6月から咲き始めて12月頃までの半年間咲いているようだ。
古くから植木が盛んな安行(川口市)では、「安行四季咲き」と呼んでいる。
ヒメアジサイは、花形が特徴で5個の花房に分かれ花形がゴツゴツしてる。
葉に光沢が無く、質が薄く、花がやや早咲きといった特徴もある。
樹高は2m前後。葉の形状は卵形もしくは広楕円形で、対生する。
葉質は、幾分薄く、葉の縁には整った鋸歯があり、先端は鋭頭となる。
6月頃、ほぼ球状で青色装飾花と両性花の混じった花序をつける。
姫紫陽花は明治12年(1879)にイギリスに渡っている。
イギリス人植物学者(プラントハンター)チャールズ・マリーズ(Charles Maries)
が持ち帰った。独特な青色であるが、ヨーロッパ各地では酸性土壌地が多い。
そのために赤色に開花するので、西欧では姫紫陽花を「ロゼア」と命名した由。
その後、西洋アジサイの育種親として多用されこんにちに至っている。
又、単に小形のアジサイを「ヒメアジサイ」と呼ぶことがあることから、
区別し「マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)」と呼ぶことがある。
固有種として昔から人々の目に触れ、全国で栽培されてきたはずなのに、
古典詩歌に詠まれたのは極端に少ない。人気が出たのは戦後と言われている。
この節、梅雨どきの花、と云えば真っ先に紫陽花が出てくる。
全国各地に紫陽花の名所、と言われる場所(自生ではなく植栽)はとても増えた。
だが、自生(野性的)地と言われる場所は減少して、寂しい。
流行り的に植栽されてる場所と違い、明月院は、歴史がある。
今や、自生地と言っても良いか。半世紀以上も同種を育てている故。
願わくば、明月院は「姫紫陽花」のみで魅せてほしく思う。
「2016/06/17鎌倉市山ノ内(撮影)」




#ブログ #植物

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やはり古来の青の紫陽花が綺麗ですね
お見事です
我が家の紫陽花はもう終わりました
Posted at 2020-07-19 22:40

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おはようございます、birdyさん。
姫紫陽花、色が成長とともに微妙に濃くなって行きます。
写真的には、完全に正確とは言えませんが、美しい色です。
これからは、タマアジサイ・・瓔珞玉紫陽花が開花していきます。

先月伊豆に紫陽花探訪しましたが、南伊豆で楠の木の巨木を見ました。
国の特別天然記念物のリストを見ていた時、高知県長岡郡大豊町の杉の大木を知りました。
四国って、自生のヤマアジサイ(未検証)が、いるのではないか、と想います^^)。
先日、愛媛の中央市や西条市でニホンカモシカの生存が報道されていました。
自然が濃いって感じます。ゴルフ場でも面白い植物が育っているかもしれません。
Posted at 2020-07-20 17:36

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