《 眼福(56)“春めく森(9)!?!”❖21-73+1❖》

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アブラチャン(油瀝青)      クスノキ科(Lauraceae)
学名:Lindera praecox (Siebold et Zucc.) Blume
Parabenzoin praecox (Siebold et Zucc.) Nakai
Benzoin praecox Siebold et Zucc.
別名: ムラダチ(群立) 、ズサ、ヂシャ、イヌムラダチ, ゴロハラ




レンプクソウ(連福草)    ガマズミ科( Viburnaceae )
学名:Adoxa moschtellina L.
別名: ゴリンバナ(五輪花)
《“泉の森の中”❖2021/3/11❖》
泉の森は、未調査の場所、調査中の植物が多々ある。興味深い森である。
散策路から獣道的道を進むと可愛い植物と出会える。
アブラチャン(油瀝青);
クロモジ属の仲間なので クロモジ と良く似ている。変わった名前だが、実から油が採れる。
チャン(瀝青)とはアスファルトを敷く前に散布する瀝青(タール類、ピッチ)にゆらいする。
山中のやや湿った所に生える。萌芽しやすく、株立ちになる。丹沢山地で良く見かける。
樹皮は灰褐色で滑らか、小さい皮目が多い。クロモジ属の特徴、枝を折ると良い香りがする。
枝には油分があり、生木でも良く燃える。また粘り強い。
葉は互生、葉身は卵形または楕円形で急鋭尖頭、縁は全縁。葉柄は赤味を帯びる。
雌雄異株。3~4月、展葉に先立って、淡黄色の小さな花を、散形状に付ける。
雌花序には3~4花付き、花被片が6個、葯の無い雄蕊が6個、雌蕊が1個、子房は球形。
雄花序には3~5花付き、花被片が6個、雄蕊が9個あり、子房は退化してほとんど無い。

レンプクソウ(連福草) ;
枝が根のように地下を這って伸び、枝を掘り起こしたらフクジュソウ が一緒についてきた、
とか、その逆というのが名前の由来。
緑色の花が数個、茎の頂に固まり、上向きの頂花は4数の花びらで、周りは5~6枚。
花が5個まとまってつくことから、別名はゴリンバナ(五輪花)。
林内に生える高さ8~12㎝の多年草。
白色の細長い地下茎を伸ばし先端に小さな地下茎を作って増える。
花は黄緑色で直径4~6㎜。
花が4個背中合わせになり、更に真上にも1個つき5個の花が、立方体の不思議な花。
花の詳細は略。この植物の所属の変転が面白い。
旧分類体系である新エングラー体系やクロンキスト体系では、
レンプクソウ科に属する日本の植物は、「レンプクソウ」ただ1種のみだった。 
世界には、中国の固有種1種しかなく、合わせてたった2種から成る科であった。
遺伝子解析による分子系統学が発展、植物分類体系も遺伝子解析での分類が主流になる。
この分類を用いた学者団体が、被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group)。
その分類体系は「APG体系」や「APG分類体系」などと呼ばれている。
APGでは、旧分類体系でスイカズラ科に含まれていた木本のガマズミ属やニワトコ属などを、
レンプクソウ科に含めることにした。これによりレンプクソウ科は2種から、200種余りになる。
その後、紆余曲折があり、ガマズミ科( Viburnaceae )とレンプクソウ科( Adoxaceae )の学名は、
それぞれ1820年と1839年に発表されているが、より古い名称に優先権があるので、
ガマズミ科を用いることが決まった(2017年7月の国際植物学学会)。
引用元:「新しい植物分類体系」 伊藤元己・井鷺裕司 著 文一総合出版 2018.7.31初版第2刷
「令和参年(皇紀2681年)3月14日、記」

#植物

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