OBON ソサエティ/私たちは「遺霊品」という呼称で表現いたします。
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愛知県豊橋市出身で、第2次世界大戦中にフィリピンで戦死した男性の遺品の日章旗が3日、遺族の元に届けられた。所有者の米国人から「返したい」という申し出があり、米国のNPO法人を通じて日本遺族会や豊橋市遺族連合会が男性の親族を探し出した。
豊橋市出身の加藤博夫さんは、1945(昭和20)年2月にマニラで戦死した。32歳で、海軍上等主計兵だった。
米コネティカット州在住の所有者が返還の意向を示し、NPO法人「OBON ソサエティ」(オレゴン州)を通じて日本遺族会に連絡があったという。遺族会の照会で、加藤さんが豊橋市の出身と判明。豊橋市遺族連合会が、83年発行の戦没者の戦歴や戦没状況などをまとめた「平和の礎(いしじ)」から加藤さんの身元を割り出した。
豊橋市役所で開かれた「日章旗返還式」で遺品を受け取った加藤さんの長女の侑子さん(82)と、次女の白井式子さん(81)=いずれも同市在住=によると、出征時はまだ幼く、父親の顔は覚えていないという。返却された日章旗を手にした侑子さんは、「父のぬくもりを感じました。ありがたい」。式子さんは「父に会えたような気がします」と述べた。https://www.asahi.com/articles/ASR237QLHR23OBJB00B.html?iref=pc_photo_gallery_bottom
太平洋戦争で従軍した滋賀県出身の元兵士の日章旗が遺族らに返還された。縁者らが武運の祈りを込めて寄せ書きした日章旗を手にした遺族や立会人の首長らは、戦没者に思いをはせ、平和への願いを新たにした。
遺留品を遺族に返す活動をする米国オレゴン州の非営利団体「OBON SOCIETY(オボン ソサエティー)」から昨年8月、米国の兵士らの手に渡った遺留品2点の情報提供があった。県遺族会の調査で遺族が特定された。
返還式は1月30日に大津市の県公館で開かれた。満州(現在の中国東北部)から復員し、83歳で亡くなった寺崎徳蔵さんの長女川島淳子さん(93)=甲賀市水口町=は、両手で押し頂くようにして日章旗を受け取った。「義勇奉公」などの文字がびっしりと墨書きされた旗は、戦後77年を経て布が大きく裂け、穴も開いていた。
一家で満州に渡った川島さん自身も、帰国途中に母親が餓死するなど辛酸をなめた。「お父さんは何も言わへんかったけど、苦労してくれはってんなぁと思って。今夜から抱いて寝ます」と感慨深そうだった。
第761航空隊に所属し、太平洋のテニアン島で26歳の若さで戦死した清水一郎さんの日章旗は、受け取る予定だったおいの清水一雄さんが24日に亡くなったため、豊郷町遺族会の久木淳行会長が代理で受け取った。
「寄せ書き日の丸」を返還する活動を軸にする非営利団体の活動により、県内では2015年以降で、軍隊手帳や手紙を含め18件の遺留品が返還された。県遺族会の今堀治夫副会長は「遺骨や遺品一つない遺族もいる中で、大きな意義のある事業。円滑に進むよう遺族会の役割を果たしたい」と話した。