日本語スピーチ&スキットコンテスト
交流部会長 神吉利彦 ANA Trading Corporation, U.S.A.
今年も恒例行事、第27回・日本語スピーチ&スキットコンテストに審査員として参加して参りました。このイベントは、外国語履修科目として日本語を選んだワシントン州の高校生達が集い、日頃の日本語学習の成果を発表し、それを競うコンテストであるとともに、日本語スピーチコンテスト全米大会のワシントン州代表選抜を兼ねた大会でもあります。優勝者には日本への短期留学の往復航空券+宿泊クーポンが贈られることもあり、毎年白熱したドラマが繰り広げられるのです。
在シアトル日本国総領事館と兵庫県ワシントン州事務所が共催する同イベントは、アメリカにおける日本語教育をエンカレッジするイベントとして、また将来日本とアメリカの交流を担う若者を育成するイベントとして大変意義深く、私達シアトル日本商工会はスポンサーとして長きに渡って寄付を続けております。
今年のコンテストには20の高校から120名以上の学生が参加(2009年は23校から142名の参加)しました。ワシントン州は全米でも日本語を教える高校が多い州(約1/5が日本語履修を実施)であり、またその数だけでなくその習得しているレベルも非常に高いことが知られてはおりますが、参加数の減少を見るとアメリカにおける日本文化の存在感が少し心配にもなりました。
コンテストは、例年同様午前はスキット(短い演劇)の部、午後はスピーチ(弁論)の部とふたつに分かれ、それぞれ初心者から上級者まで4段階にレベルが分かれて審査されます。(スキット4クラス、スピーチ4クラス、合計8クラス)
スキットの部は、日本語を使った演劇。日常のバス通学シーンで恋愛を描いた青春もの、西遊記をモチーフにしたもの、宇宙人が地球を襲撃するもの、といった具合で娯楽性に富んでいます。
一方スピーチの部では、最初のうちこそ微笑ましく家族の紹介が続くものの、レベルが上がるごとに発音やイントネーションも日本語らしいものになり、その内容は文化論、生き方、哲学的なものに触れる内容にまで至り、白熱してくるのでした。日頃英語で苦労している日本人(特に筆者)に対して、真逆な様、つまり日本語を話すことに苦労するアメリカ人がここには存在し、大変微笑ましく、また可愛らしいものでした。
ひとりでも多くの学生が日本語に、また日本に興味を持ってくれれば、またそうしてもらえる為に、商工会は何をすれば良いのか? そんなことを思い、また考える1日でした。皆様も、この地元ならではの笑いと興奮のイベントを観覧されてはいかがでしょうか? 楽しく、貴重な体験であることを保証いたします。