ハンガリー国鉄 バラトン北線
May
7
乗車駅は「バラトンアルマーディ」。ブダペスト南駅から来た急行がバラトン湖の沿岸では各停に代わる。バラトン湖は南線が幹線なので、北線は電化もされておらずディーゼル機関車が客車を引くローカル線だ。
とはいえ、中欧一、琵琶湖を一回り小さくした面積を持つバラトン湖はハンガリーを始めドイツ、チェコなどの周辺国からも人気のリゾート地であり、夏場は湖水浴客で大変な賑わいを見せるという。5月の今の時期は、子供たちのスプリングキャンプの時期らしい。まだ、湖水浴はできず、オートキャンプ場に泊まるトレーラーの客は、地元に言わせれば「みんなドイツ人」らしい。ハンガリー人は、「まだ来ない」時期だそうだ。
お蔭で、1等のコンパートメントを取った切符の車両はガラ空き。2等車両も見に行ってみたが、こちらもサマーキャンプの子供たちの団体を除けばガラガラの状況、ハンガリー国鉄が大赤字なのも、むべなるかなという感じだった。
感心したことは2つ。まず、運行は定時に行われていた。乗車車両の他にも列車を見たが、どれも定時運航で時刻表の信頼性は極めて高いと感じた。
もうひとつは、自転車専用客車。まぁ、ヨーロッパだから、と言ってしまえば、それまでだが、こういう部分のインフラが「自転車での旅」を当たり前にしている。
車窓の眺めはトーマスクックの「景勝路線」に指定されている、と言う割りには然程の物でもなく、バラトン湖も「間近に見える」という感じではない。あんまり風景を期待せずに、のんびり田舎の鉄道の旅を楽しむ、という心持の方が適しているだろう。
このまま乗り続ければ温泉湖で有名なケストヘイや洞窟温泉、洞窟探検で面白そうなタポルッツァへ行けるのだが、今日の宿はバラトン湖最大のリゾート地『バラトンフュレド』に取っている、って、おーい、行き過ぎとるやないかい。(ま、予定通り)
右手にハンガリーには珍しい「山」が見えてきた「バダチョニトマイ」で降りる。駅を出て件の山を眺めれば、おお、これぞまさしく「バラトン富士」(命名)。
左手の丘に小規模な葡萄畑を眺めつつ、「バラトンフュレド」まで鉄道に沿って戻る。自動車道の方が鉄道より丘側を走っているので湖からは遠いが、その分高い場所になるので、むしろ鉄道よりも見晴らしが良い。
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