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ブダペスト 華麗なる国会議事堂

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鎖橋からドナウ沿いの国会議事堂... 鎖橋からドナウ沿いの国会議事堂を望む コッシュート広場からの全景 コッシュート広場からの全景 コンペ次点の建物が向かいに建つ... コンペ次点の建物が向かいに建つ
階段わきには銃痕の跡があり第二次大戦の激戦を忍ばせているがレプリカ
衛兵とトラム 衛兵とトラム ステンドグラスで装飾された窓 ステンドグラスで装飾された窓 議員さんの葉巻置き 議員さんの葉巻置き 美しく絢爛なる議場 美しく絢爛なる議場 正面階段 ここから議員は議会へ... 正面階段
ここから議員は議会へ入るのだろう
ブダペストにあるハンガリーの『国会議事堂』は、非常に美しいゴシック・リバイバルデザインで知られているが、建築年代自体は比較的新しい。(飽く迄、この街の他の建造物に対する比較論だ)

1880年に建設が決議され、行われた設計コンペで3人の案が採用された。最優秀賞が国会議事堂となり、他の2案も活かされ、それぞれ民族博物館と農業博物館として建築された。それらの建築物は国会議事堂の真向かいに並んで立っている。

国会議事堂の前の広場は「コッシュート広場」と言う。後日行く予定の『バラトンフュレド』の泉にも冠せられている革命指導者の名前から来ている。

議員が2名、議事堂をバックにTVの取材を受けていた。ここでは、よく見られる光景らしい。

広場にはサングラスの衛兵が2名立っているが、この衛兵は国会議事堂に向いて立っている。ふつう、衛兵と言えば、守るべきものを背にして立っているイメージがあるが、その意味では真逆だ。ひょっとすると、この衛兵さんは国旗の掲揚台やコッシュート広場、そのものを衛っているのかもしれない。(議事堂の衛兵とは服装も違う)

さて、見学開始時刻の10:30が近づき、工事中の地下駐車場のスロープに近い議事堂北側の門へ行くと大勢の社会科見学のボーイズ&ガールズが集まっている。

時間になって門を入ると最初にセキュリティチェックがある。金属探知ゲートも置かれた本格的な物だ。まぁ、現役の国会議事堂なのだから、当たり前と言えば当たり前である。

狭い階段を上がっていくと議場へ向かう廊下に出る。柱にはハンガリーを代表する職業の人形が装飾されている。これは、この後の議員控室も同様の意趣だ。

反対側の窓からはドナウの光が入ってくる。ステンドグラスに装飾されて美しい。

途中、親子三代かかってマッチ棒で作った議事堂の模型などが展示されている廊下を進むと左手に議場の扉が現れる。

その向かいの窓の桟には金属製の「葉巻置き」が置かれている。現在は、全館禁煙との事だが、昔は議場が禁煙の為、葉巻をここに置いておいたそうだ。ナンバリングがしてあり、各議員の番号も決まっていたとか。冗談話だろうが「葉巻置きに灰が多い議員は仕事熱心だ」などと言っていたらしい。

議場は非常にコンパクトなつくりだが、金装飾が施され豪華絢爛な雰囲気を醸し出している。冬は非常に寒い地域なので床暖房。現在では、もちろんエアコンデションニングだ。

また、昔は投票の不正(日本の大学で言う代返)がまかり通っていたので、現在は電子ボーディングシステムになっており、各議員の机に仕込まれている。

尚、ハンガリーでは議事堂の線対称になったファサード作りからも推測できるように、日本と同じ二院制を引いていたが、政治改革で議員定数を半分に減らしたため、現状では1つの議場で済むようになったので、こっちの議場を一般公開している、との事。こういう所を税金で外遊する日本の議員にも聞かせたい。

議場に続いては、議員の控えの間に入る。先に触れたように、この部屋の柱にはハンガリーを代表する職業の人形が装飾されている。どれも、身なりはみすぼらしい。趣旨は「普段は国民の生活を知らないんだから、せめてこの部屋では少しは観なさい」という事らしい。んー、本当かは知らん。中にはガチョウを抱く女の像=フォアグラや髑髏を持つ少年=ハムレットなどもあった。国民を知る為なら、もう少し直截的な像となる気もするが。

その議員待合室を出ると撮影禁止区域。国会議事堂のセンターホールである。周囲の壁には、歴代のハンガリー国王の像が置かれている。英雄広場と異なり、ここにはマリアテレジアの像も有る。ドーム型の高い天井の真下には、ハンガリー国王の象徴たる『聖イシュトバーンの王冠』が置かれている。これがあるから撮影禁止なのだ。

ハンガリー国民の民族意識として「国王」とは、血筋でも功績でも無く、この『王冠』を持つ者が国王である、という事らしい。中国王朝における玉璽、玉座。日本における三種の神器みたいなものか。

美しく輝く王冠のTOPには、斜めに傾いだ十字架がある。戦禍を免れるため持ち出したときに曲がったとか、王女が枕の下に隠したから曲がったとかいろいろと伝説はあるらしいが、それを治さずに現存させるあたりは「良い感じ」である。

他のハンガリーの施設では、この王冠の十字架は垂直だったり、傾いていたりだから、確かに最初は垂直だったのだろう。この傾きに日本の侘び寂びに通じる感覚を持つのは感傷的すぎか。それも「マジャルはアジア」という意識の為せることか。

この『王冠』は永らく米国に持ち出されていたが、カーター政権の人権外交政策としてハンガリーに返還されたとの事。これもまた、歴史の一つ。

『王冠』のあるセンターホールは議場と同じく金色に彩られた中央階段が繋がる。つまり、我々は議事堂の右翼を通常議員の登壇順路を逆にたどってきたわけだ。中央階段は非常に美しい装飾で飾られているが、「下部は絵の具、上部は金箔」らしい。中々、合理的。

見学者である我々は中央階段を下りる事は適わず、左手の狭い階段を下りて正面玄関わきの小さな扉から外へ出る。衛兵が正時の儀式の練習をしていた。
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