キジバトとドバト (カーネル笠井)
Apr
10
キジバトは羽にうすい茶色がまじった地味な色をしており、人にはめったに近づきません。これと間違えられるのが公園にいて人にエサをもらっているドバトです。こちらは“クックックックック”と可愛らしく鳴きます。もともとドバトは人に飼われていた伝書バトが野生化したもので、そのためか人にはすぐになつくのです。子供の頃、となりの家のお兄ちゃんも屋根の上に巣を作り、十数羽の伝書バトを飼っていました。ちょうど宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』に登場する少年バズーが飼っていたのと同じようにです。このころはいたるところでこのハトが飼われていて、このハトによるレースもよく開かれていました。東京近郊に住んでいるものを北海道あたりまで車で運び、そこで放すのです。するとハトは自分で自分の巣のある方向を見つけて帰ってくるのです。その時間を競うというものでした。途中で道に迷ってしまい帰れなくなりそのまま野生化したものも多いでしょうし、昼間は巣には自由に出入りできるようにしているので、しばらくエサをやらないと帰ってこなくもなるのです。
ドバトは伝書バトの子孫のせいか空を飛ぶのには自信があるようです。お腹をすかせたカラスがドバトをつかまえようとして近づいてきても平気です。20〜30cmの至近距離にこないと逃げようとしません。いったん空に舞い上がってしまえばもうカラスにはどうにもならないからです。
ある日子供を連れて公園に行き、そこでハトにエサをあげていました。このとき、たまたま子供の投げたひもがハトにからみつき、びっくりしたハトがあわてて舞い上がりました。ところがひもが引っかかったために飛び方がぎこちなくなってしまいました。すると、どこからともなく大きなカラスがそのハトをめがけておそいかかってきたのです。空中で接触し、そのときハトは大きく方向を変えました。そのときうまくひもがはずれてかろうじて逃げることができました。ひもを投げたわが子を見ると、顔は青ざめていて体はまさに固まっていました。何気なくふざけてやった自分の行為がハトの命をあやうくしたことがわかったようです。充分に反省しているようでしたので、「助かって良かったね。」とだけ声をかけました。
わが家の近くに住み着いたキジバトにはつがいもいて、こちらは“ボッボッグルグル”なんて鳴き声を上げています。駐車場の上の電線に止まって鳴いているのも見られるようになり、ペットが1つ増えたようで楽しくなってきました。ただ、鳴き声をうるさく思う人がいて追い払ったりしないで欲しいなと願うのです。
カーネル笠井
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