小学校低学年のとき、上級生のグループに「これを食べないと一緒には遊んでやらないよ。」と言われ、足長バチの幼虫を渡されました。私たち3人ほどの仲間は、いやいやながらも仕方なくそれを口にしました。それだけ上級生の存在は大きなもので、決して逆らえないものだったのです。もぞもぞ動く幼虫を歯の奥でかみつぶしました。“とてもいやな味がする”という予想とは裏腹に、甘酸っぱい味がし、まずかったという記憶は全くありません。トラウマになってしまいそうな出来事ですが、それがまずくなかったこと、仲間と一緒に体験したことが、むしろその後の自信につながる出来事になりました。きっと上級生達も同じような経験をし、意外にまずくないこと、仲間と共通の体験をしてつながりが深くなることを伝えたかったのだと思います。
最近の悲惨な事件を見ていると、それを引き起こす人達が育ってくる段階で社会で生きるための“従順”さというものを身に付ける機会がないままに大人になってしまい、社会にとけ込めないでいるように思えて仕方ありません。
何らかの形で少しでも地域社会が復活し、みんなと泣き笑いしながら子供達が育つ環境になって欲しいと思います。うちの子の小学校でも防犯パトロールは欠かせないものになってしまっています。
カーネル笠井
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