この数日間、外出の出鼻を夕立にくじかれています。しかし、その反面、じっと雨上がりを待つしばしの時間は、このところ味わっていなかった間(ま)のようにも感じ、悔しさ以上に懐かしい感覚に浸っています。
遠い昔、夏の夕方はきまって外遊びでした。特に長いこと盛り上がっていたのが「缶けり」と「陣取り」でした。どちらも参加する人数が多ければ多いほど楽しく、みな時間を忘れて熱中したものです。そして、夏の夕方は決まって夕立に見舞われ中断することもありました。大木の下に逃げ込む子、近所の小屋の軒先にぴったりと張り付く子、格好の逃げ場を失いすっかりびしょびしょにぬれながら右往左往する子。
数分前までは元気でにぎやかに遊ぶ子ども達の声がこだました遊び場も、雷鳴と大粒の雨音には勝てません。みな目を丸くして止まった時間に身をゆだねるのでした。
そんな遠い昔を思い出す夕立。たまにはいいかなと気持ちを切り替えます。
(ラッコ横山)
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