夏休みの一番の楽しみは
「ラジオ体操」でした。
まだ、家族が寝静まる早朝から
スタンプ台帳を首から提げて
そそくさと出かけて行ったことを
今でも鮮明に覚えています。
夏の早朝は日中のムシムシ感は
ないものの、校庭には夏の朝日が差し込み、
イチョウの木の長い影が校庭全体を
包み込む光景が特別でした。
しかもあの広い校庭に一番乗りで
一人ぽつんと立っていることが、
なんとも言えない特別な感覚だったのです。
スズメや小鳥がさえずりはじめ、
朝の空気が少しずつ動きはじめていく
様子が伝わってきました。
この特別な15分間に毎日引き寄せられて
いたのです。何か、【動いている地球】
を体感しているような感覚でした。
そのうちに三々五々あちらこちらから
老若男女が集まってくると、もう辺りは
特別なものではなくなり、記憶も途絶えて
しまいます。それはまるで空想から現実に
呼び戻される瞬間のようでした。
田舎に行くときもこのスタンプ帳は有効で
どこでもちゃんとスタンプがもらえたことも
記憶しています。しかも、どこに行っても
一番乗りでその不思議な光景を楽しみに
していたのです。
そんな自分にとって特別なラジオ体操の
朝でした。
ラッコ横山
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【ラジオ体操】
1928年(昭和3年)11月1日の朝7時、
東京中央放送局から、ラジオ体操の初めての
放送が行われました。
当時、日本放送協会とラジオの聴取契約を
していた人は56万人、まだまだラジオ
普及率の低い時代、ラジオを持っていない
人はラジオのある家庭に行き、放送を聞いた
そうです。
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