今お付き合いしている業者さんに、とても熱心な方がいらっしゃいます。連絡は極力メールを使わず、電話か直接の訪問が主です。「私(あっし)の役目は若い人たちにできないフットワークを活かすことだと思っています。私(わたしゃ)デジタル世代じゃないので、常にアナログなんです。すみません。」と下町生まれで下町育ちのおじさんは元々自動車工場の息子として生まれたそうです。小さなころから父親が真っ黒になりながら夜遅くまで車の修理をする後姿を見て育ったため、いずれ自分もこの工場で働くものだと実感していたそうです。そして、大学生の頃、当時では珍しい【ルノー】の中古を手に入れ、完全なオーバーホールを2年ががりで施し、当時唯一発刊されていた自動車雑誌に投稿したところ、田園調布に住むある有名なレストランのオーナーから電話が入ったそうです。「その車を売って欲しい。現金で支払いをするので、都合のよい時に車を運んで欲しい。」そう言って、事前に車を見ることもなく、雑誌の写真とコメントから彼を信頼し即決したそうです。
そして、あれから30年以上も経た現在でもそのオーナーからは毎年年賀状が届くそうです。近くに来た時はぜひ家に寄ってほしいと書かれているものの、田園調布周辺には用事もなく、また、とても広大な豪邸のためになかなか足が向かないそうです。
確かに現在ではこのような方は珍しいと思います。何でもメールか電話で連絡が済んでしまう世の中。いちいち足を運び相手の顔を見ての打ち合わせはとても新鮮に感じました。そして、この先輩からも忘れかけていた何かを教えられたような気がします。
伝えていかなければならないことは単に科学技術や進化だけではないようです。
(ラッコ横山)
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