最近、旅館や温泉あるいは飲食店に「囲炉裏」が復活してきています。昔は田舎の家では土間を上がったところに広い「囲炉裏」があったものでした。そこにはやかんかお鍋がかけられ、お湯が沸いているかあるいはお味噌汁が温められていました。また、夜になると魚を串焼きにしたり、正月にはお餅をあぶったりと、今思えばとても便利な場所でした。
しかも、寒い冬でも暖かく、なかなかそこを離れられませんでした。ある意味、キッチンでありリビングルームでありと家の中心になっていた空間でもありました。家の長は必ずと言ってよいほど一番奥に堂々と座っていたものです。そしていつも家族が集い、客人もそこでもてなしを受ける理想的なコミュニケーションの場でもありました。
また、「囲炉裏」はよく考えられていて、常に温かな空気を家中に充満させることで家屋の木の腐食を防いだり、薪から出るエタノールが防虫の役目を果たしていたそうです。小さいながらよく火事にならないなと心配したものでした。そして、ある時、野口英雄の伝記を読んでから、少し近づくのが怖くなったこともありました。
日本の伝統には深い味わいがあります。
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