10年という月日
Oct
28
10年前の今日、2000年10月28日にひとつの魂が昇天した。その魂は私の妻であった。8年間連れ添っていた。
私にとっては天地がひっくり返る出来事だった。
自分の価値観・人生観が変わった日。
久し振りにお仕事を半日お休みいただき、墓参してきた。
車で一時間半くらいのところ。
車を走らせながらラジオもつけず、この10年間の自分の生き方を振り返った。正しく七転八倒の10年。
10年前は、仕事を数ヶ月間辞めて毎日墓参に来ていた。
そのときに知り合ったボブという80歳近い白人のおじいさんがいた。彼は第二次世界大戦直前に結婚し、新婚早々にヨーロッパ戦線へ送られた。彼と奥様の出会いや結婚の話を何度も聴かされた。その妻に1年半前に先立たれ、彼は毎日欠かさずお墓参りをするのが日課になっていた。墓石の前に折りたたみ椅子を広げ、そこへ座って話しかけている。
「いつも何を話しているのですか?」との私の問いに「早く迎えに来てくれって、頼んでいるんだよ。彼女がこの世にいないクリスマスはもう過ごしたくない」
この2,3年、ボブの姿を見かけなかった。今日も彼の姿はなかった。私は内心躊躇しながら彼がいつも座っていた墓石へ歩いて行ってみた。
やはり私の予想は当たっていた。
Robertという彼の名前を記した墓石があった。
US Army World War ll Veteranと書いてあった。
10年という月日が経った。
これからの10年をどう生きるか。
この世にいる以上、精一杯生きてみようと思った。
今日は悲しい日ではなかった。
よい一日だった。
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