6月21日【コラムVol.6】~雄大~
雄 大
「雄大」を辞書で引くと、「規模が大きくて、思わずすばらしいと感心させられる様子。」(三省堂新明解国語辞典より引用)と書いてあります。この言葉の意味は、十分理解できているつもりでいました。
先日、日本初の国産ジェット旅客機MRJとワイナリーの見学ツアーに参加させていただき、モーゼスレイクに行ってきました。モーゼスレイクは、ベルビューから東におよそ300キロの地点に位置する農業を主要産業とする街でした。
美しいモーゼスレイク湖、コロンビア盆地に広がる広大な農地やブドウ畑、その先にそびえるカスケード山脈。モーゼスレイクまでの休憩場所で見た、大きな風車がずっと並んでいる光景、車窓から見える地平線、目に映る風景全てが雄大な眺めです。真っ青な空の下に広がる大陸。「雄大」というのはこういう風景なのだということをアメリカ大陸が教えてくれたように思いました。「雄大」の本当の意味が、自分の中にすとんと落ちた日でした。
そういえば、軽い気持ちで使っていた「かわいい」という言葉の意味が本当にわかったのは、我が子を授かった時でした。借字の「可愛い」という表記も頷けます。
言葉は、体験を通してはじめて本当の意味がわかり、心に響く言葉として自分自身の中に積み上がっていくものです。アメリカで暮らしている子ども達にも、言葉と自分の体験をつなげて、日本語が持つ意味と感性が一つになる瞬間を体験してほしいと思います。