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BCA土曜学校のコラムVol. 100〜「葉書」〜

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BCA土曜学校のコラムVol....
● BCA土曜学校のコラムVol.100

葉書


 中髙国語2の二学期最後の授業は、向田邦子さんの「字のない葉書」の学習でした。
 まだ字の書けない妹が疎開する時、父が自分への宛名を書いて持たせた葉書が「字のない葉書」。
 父親の存在の確かさと家族の心のつながりが書かれた随筆は、距離が離れた時に普段見えなかった姿を伝える「言葉」についても考えさせてくれます。

 日本では今、年賀葉書を書く時節です。
 メールでの一斉送信も増えていますが、年賀葉書のやりとりは、年始のあいさつとしてずっと大事にされてきました。
お世話になっている身近な方やご無沙汰している方に年賀状を書く時間は、自分にとって大切な人とのつながりを想ったり、自分自身の一年を振り返る時間でもあります。お正月に葉書が届いた時、特に手書きで添えられた言葉にあたたかさを感じます。

 「はがき」は、覚え書きの「端書き」が語源で、郵便制度が導入された明治以降、郵便葉書をさすようになり、漢字の「葉書」が用いられるようになりました。

 「葉書」は、文字の通り「葉に書く」。
 この文字を書く葉は、「多羅葉(たらよう)」という樹木の葉で、平安時代に相手に伝えたいことを葉に書いて渡したことが始まりだと言われています。
 多羅葉の葉は、葉の裏に傷をつけると組織が破壊されて、その部分がすぐに黒くなり文字が浮かびあがり、そのまま消えずに残るので言葉を保存する葉として用いられたのだそうです。
 伝えたい人に伝えたい言葉を、葉に小枝で書い手渡していた行いが、今は葉が紙に変わって、手渡しが遠く離れた人へも言葉を届ける「葉書」となったという話がとても素敵なことに思えて、授業の中で生徒さんに話をしました。
 思いを伝える道具として、形を変えながら使い続けられていることが胸に響きます。

 相手に自分の思いを伝えるために、さまざまな方法を考えてきた先人達。
これからの通信手段はどのように変化し、未来につながるのでしょうか。昔は紙の「葉書」が使われていたのだよと語られる日も来ることでしょう。
 でも、どのような形に変わっても、「言葉」がこれからもずっとずっと使われ続けることは確かなことです。
 BCA土曜学校の皆さんには、「言葉」が人間だけに与えられた意味をもう一度確認して、日常生活でまた、それぞれの自己実現に向けてさらに社会を切り拓いていくために、上手にそして豊かに言葉とかかわっていって欲しいと思います。

 児童生徒の皆さんの学校での様子と、言葉をつないてきた言霊ちゃんブログも今回で100号、きりのよい今回をもって終了となります。
 つたないブログを読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

 2020年もまもなく終了です。
 どうぞ、よい年をお迎えください。

 来年が希望に満ちた明るい年になることを祈念して筆をおきます。
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 99〜「言葉」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.99

言葉


 11月の土曜学校中髙部国語1は「言葉をつなぐ(空を見上げて)」で、豊かな表現にふれ、言葉のもつ力を考える。国語2は「言葉と向き合う(短歌を味わう・言葉の力)」で、表現を味わい、言葉の世界を広げる。国語3は「言葉を見つめる(俳句を味わう)」で、言葉を心のつながりを考える。それぞれの教材で、言葉の豊かさに触れてものの見方や考えを広げたり、感じ方を豊かにすることを目標とした単元の学習をしています。
 国語1の「空を見上げて」は、傷ついた心を言葉にして表現することで心を解き放し、さらにその言葉に日本中の学生や世界中からメッセージが届くという内容から、言葉は人の内面をつくり出す力を持つ一方で、人と人とをつなく力を持つことを学びました。
 国語2の「言葉の力」では、桜の花びらと樹木のエピソードから、言葉と人間の関わりについての筆者の主張を捉えました。筆者は、言葉は「口先だけのもの語彙だけのものではなくて、それを発している人間全体の世界をいやおうなしに背負ってしまうもの」と述べています。
 これらをふまえ、英語も日本語も話せるBCA土曜学校の生徒さんは、言葉というものをどう捉えているのか「自分の辞書に載せるとしてらどう書く?」と聞いてみました。

 ・上手に使えば気持ちを表せるし、下手だったら人をマニピュレートできる武器。
 ・人の気持ちや考え方を分かち合える手段。
 ・感情などを表現するための道具。
 ・世界中の人とコミュニケーションをとれるもの。
 ・人間みんなが使えるもの。国を超えて通し合えるもの。
 ・それぞれの気持ちを分かち合える方法
 ・人間がいろんなことに使えるもの。
 ・人が口に出したり文字にしたりして思いを伝える道具。
 ・自分のアイデアを伝えたり形にしたりするための手段。発明や開発など。
 ・自分と他の人達をつなぐための道具。
 ・人の思いや考えを表したもの。
 ・自分の考え方を変えてくれるもの。
 ・心にひびくもの。
 ・悲しいときや辛いときに私を助けてくれるもの。
 ・人間の成長になくてはならないもの。
 ・伝えることで気持ちを楽にしてくれるもの。
 ・人と人とが楽しく生活するために必要なツール。

 それぞれの言葉の定義、なるほどと思いました。
 今までの経験をもとに考えた「自分だけの辞書に載せる言葉」から、生徒さんが言葉を学ぶことの意味や、その言葉をつかう自分をよく見つめていることが伝わってきて嬉しい気持ちになりました。

 今週はサンクスギビングでBCA土曜学校はお休みです。
 ご家族とたくさん言葉を交わせるいい機会ですね。よい休日を過ごしてください。
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 98〜「選」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.98



 11月3日はアメリカ大統領選挙が行われ、これからのアメリカに世界中の注目が集まっています。

 選挙とは、組織や集団の代表者や役員などを一定の資格を持つ者が投票によって選出する行為。アメリカは住民基本台帳が無いので、自己申告で登録し資格を得ての投票です。アメリカ国籍を持つ18才以上に与えられる資格ですので、土曜学校中髙部の生徒さんの中にも選挙権を持ち、今回の選挙で投票した人もいたことと思います。

 選挙の「選」という字は、「辶」と「巽」の組み合わせで、立ち止まる足の形と十字路の形を表しています。「巽」は神前の舞台で、二人の者が並んで舞いを舞う形から、二人の者がそろって舞うことから「そろう」という意味に、神前で舞う者は選ばれた優秀な者であることから「えらぶ」という意味となったのだそうです。
 物を取りそろえて送る形から、いくつかの物の中から必要な物を取り上げるという意味になったという説もあります。

 現在は、①いくつもある中から、目的に合ったものを取り出す(えらぶ、える、よる、より分ける)②(多くのよいものの中からさらによいものを選び出す(よりすぐる・えりすぐる)③目上の人が目下の者に対して人などを行かせる(送る、遣わす)④弱い、びくびくする⑤人材を選んで官職につける⑥選ばれた人、優れた人⑦整う、そろう⑧整える⑨数える等の意味でつかわれています。

 「選」のつく二字熟語から、選賢(賢人を選び任ずること)という熟語が目に入ってきました。他にもたくさんの熟語や慣用句、ことわざあります。

・人選(多くの中から、その目的に適する人を選らび出すこと)
・精選(多くの中からよいものをよりすぐること。えりぬき。)
・厳選(厳重に選択すること。厳しい基準で選ぶこと。)
・選考(能力・人柄などをよく調べて適格者を選び出すこと。)
・選任(複数から選んで、その任務に就かせること。)

・選んで粕をつかむ(えりごのみをしすぎたために、かえってつまらないものをつかんでしまうこと。
・手段を選ばない(あらゆる方法を使って目的を果たそうとすること。)
・鳥疲れて枝を選ばす(生活のためには職業を選んではいられないということ。)
・藪医者の病人選び(実力のないものに限って仕事のえりごのみをすること。)
・選れば選り屑(欲を出してあれこれ迷って選ぶと、かえって悪い物をつかんでしまうこと。)

 漢字一字から、様々なことばに出会うことができます。

「President」の日本語訳がなぜ「大統領」なのかも調べてみました。
「President」が「大統領」となったきっかけとなったのはペリー来航。幕府の役人が「President Fillmore」をどう訳すか考え、初め「国王」と訳そうとしたのですが、フェルモアは町人出身だったため「国王」とは訳せず、町人のなかで偉いのは誰かという議論となり、最終的に家を建てる大工のかしら「棟梁」が偉いということから「統領」という言葉が生まれたのだそうです。
「大統領」の語源は、大工の棟梁。これもおもしろいと思いました。
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 97〜「 五・七・五(3)」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.97

五・七・五(3)

  
 BCA土曜学校小学部の、「今日学んだこと・考えたこと・感じたこと」を五・七・五で表現するか、自分の言葉で書く宿題から、今日は3年生と4年生の作品を紹介します。
 
3年生の作品
 〇わたしはね みんなとちがう それがいい 
 〇漢字はね へんとつくりで できている 
 〇漢字はね へんとつくりが 入ってる 
 〇かげおくり あとでみんなで あそぼう! 
 〇かげおくり どんなあそびか わからない 
 〇まばたきを め(目)しめるときに めをあける 
 〇さわやかな きもちちいいかぜ ふいている
 〇こくごでは おそわることば ならいます
 〇こくごじしょ おもったよろりも たいへんだ
 〇ちょちょうが はなからかふん とってのむ
 〇こくごじてん ことばいろいろ たのしいな

4年生の作品
 〇オンライン 楽しい学校 むずかしい
 〇ままいつも むかえにこない ごめんなさい
 〇子どもたち ランドセル見て うれしそう
 〇白い鳥 青い空で とんでいた 
 〇しんぶんを つくってみたいな おもしろそう 
 〇しんぶんは いつもおしえて ありがたい 
 〇夏休み セミつかまえる もう一度
 〇与謝蕪村 夏の俳句が 涼しそう
 〇国語はね 漢字たくさん もうやだな
 〇ゆみ子さん 幸せそうで うれしいな
 〇ゆみちゃんに おにぎり二つ あげたいな
 〇この話 悲しいけれど とてもすき
 〇戦争は きびしいものだ 人も死ぬ
 〇大切な ノンフィクションだ 本は良い
 〇夏にはね 入道雲を 見てみたい

 小学校の教科書に初めて五・七・五が出てくるのは3年生です。
 易しい文語調の俳句を音読したり暗唱したりして、言葉の響きやリズムに親しむことが目標として示され、俳句は五・七・五の十七音でつくられた短い詩であることや、季節を表す言葉である季語についても学びます。
 教科書には、松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶の句が載っており、ここで「文語」に出会います。
 
 ・古池や 蛙飛びこむ 水の音     松尾芭蕉
 ・閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声   松尾芭蕉
 ・春の海 終日 のたりのたりかな   与謝蕪村
 ・菜の花や 月は東に 日は西に    与謝蕪村
 ・雪とけて 村いっぱいの 子どもかな 小林一茶
 ・夏山や 一足づつに 海見ゆる    小林一茶
下巻には、良寛・藤原敏行・猿丸太夫・安倍仲麿の短歌が載っています。

 4年生では、俳句と短歌が一緒に紹介され、声に出して楽しむ学習を行います。
そして、5年生で俳句の創作、6年生で短歌の創作へとつながっていくのです。
 
 〇だんらくは はなしをかえる つかいかた
 〇うみのたこ へんしんするの おもしろい
 〇アカタコは からだのいろで かくれます
「うみのかくれんぼ」の学習後の1年生の作品です。
 
 今、五と七の音数づくりを楽しんでいる1年生・2年生が、3年生になり、伝統的な文学作品である俳句や短歌にふれたとき、古くから人々の生活に根づき親しまれてきたものとしての価値に気づいてくれるのではないかと思いわくわくしています。
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 96〜秋色〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.96

秋色
 
 BCA2校庭の木々が秋色になってきました。すっかり紅葉している木も色づきはじめている木もとても美しいです。

 日の出が遅くなり、日没が早くなり、気温が下がってきたなと思っているうちに秋を知らせる色に染まり、カーラインで車を乗り降りする元気な子ども達を見守っています。

 日本の秋は暦の上では立秋から立冬の前日までをさします。季語によると8月が初秋、9月が仲秋、10月が晩秋、陰暦の秋は7月文月(ふみつき)、8月葉月(はづき)、9月長月(ながつき)ですが、実際の日常生活や気象学上では、9月、10月、11月を秋としています。

 秋は空気も爽やかになり「実りの秋」「読書の秋」「食欲の秋」と言われるように心も体の充実してくる季節です。

 「秋」の語源は、空の色が「清明(あきらか)」な時期であるから「あき」という言葉ができた。穀物などの収穫が「飽き満ちる(あきみちる)」季節から「あき」と呼ばれるようになった。草木の葉が紅く変化する季節であることから、「紅(あか)」が転じて「あき」になったなどの説があります。

 「秋」という字は、「禾(のぎへん)」と「火(ひ)」の組み合わせです。「禾」は実が成った穀物の形で「ノ」の部分は穀物の穂が垂れている様子を、「火」は天日で乾かすや害虫を火で焼くことを表しているようです。「秋」の元の文字には、いなごなどの虫の形を表す「亀」も入っていることも興味深いです。

 ・秋茜(あきあかね) アカトンボ
 ・秋扇(あきおうぎ) 秋までも使われる扇。忘れられた扇。
 ・秋霧(あきぎり)  秋に立つ霧。
 ・秋草(あきくさ)  秋に花を咲かす草の総称。
 ・秋寒(あきさむ)  秋の到来を感じさせる寒さ。
 ・秋雨(あきさめ)  秋に降る雨。
 ・秋霜(あきしも)  秋に下りる霜。
 ・秋簾(あきすだれ) 秋になっても掛けたままのすだれ。
 ・秋蝉(あきぜみ)  秋になって鳴く蝉。ツクツクボウシ・ヒグラシなど。
 ・秋空(あきぞら)  秋の高く澄みわたった空。
 ・秋晴(あきばれ)  清々しく晴れあがった秋の空。秋日和。
 ・秋祭(あきまつり) 秋の収穫を感謝し、新穀を神に供えて行う祭り。
 ・秋豆(あきまめ)  大豆の異名。
 ・秋虫(あきむし)  秋に鳴く虫。スズムシ・マツムシなど。
 ・秋山(あきやま)  秋の山。
 ・秋意(しゅうい)  秋の気配。秋の赴き。
 ・秋雲(しゅううん) 秋空の雲。
 ・秋穫(しゅうかく) 秋の収穫。

 「秋」から始まる二字熟語だけでもたくさんあります。三字熟語、四字熟語、その他秋のつく言葉も多い文字です。

 ・秋来ぬと目にはさやかにみえねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行
 (秋が来たと、目に見えてはっきりとわからなかったけれども、風の音が秋らしくて、はっとしたよ。)

 ・奥山に紅葉踏に分へ鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき  猿丸大夫
 (奥深い山で紅葉を踏み分けながら鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋の悲しさを感じるものだなあ。)

 ・金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に 与謝野晶子
 (金色に輝く小さな鳥のような形をして、銀杏の葉が散っている。夕日の差す岡の上に。)

 ・ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲  佐佐木信綱
 (秋も終わりのころの大和の国にある薬師寺。その塔を見あげると、すんだ空に一片の雲がうかんでいる。)

 3年生と4年生の教科書に載っている秋の短歌です。 
 秋を堪能している作者の声が聞こえるようですね。

 みなさんも素敵な秋を見つけてください。
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 95〜「五・七・五(2)」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.95●

五・七・五(2)
  
 BCA土曜学校小学部の、「今日学んだこと・考えたこと・感じたこと」を五・七・五で表現するか、自分の言葉で短い文を書くという宿題から、今日は5年生と2年生の五・七・五を紹介します。皆さんの素直な思いが、五音と七音のリズムにのって、どんどん生まれています。

■2年生の担任の先生から
 「はたして五・七・五を発表してくれる子がいるかな」と心配でしたが、始めは恥ずかしがってシーンと黙っている子供たちも一人が発表してくれると次々に「ぼくも!」「わたしも!」と手を挙げてくれました。子供たちは五・七・五に興味ができてきた様子です。

◆2年生の作品
○あったらいいな、こんなもの
 ・ひとがのる とべるロボット つくりたい
 ・ブーツだね 羽がついてる 楽しそう
 ・ごしちごは むずかしいけど たのしいな

○ミリーのすてきなぼうし
 ・ぼうし屋だ ぼうし大好き かわいいね
 ・こくごがね たのしかったよ またやるね
 ・べんきょうは すごくたのしく やりました 

○学校生活・算数の勉強・家庭生活
 ・おともだち ふたりで食べた ひるごはん
 ・算数の 千のくらいを やりました
 ・チャレンジは できたらとても 嬉しいな
 ・大きいの マークをおぼえ かんぺきだ
 ・さんすうの おべんきょうが たのしいよ
 ・おえかきは よくできたらば 嬉しいな
 ・たこやきが おいしそうだね たべたいな
 ・家ぞくはね まいにちあさは ねてばっか

 五年生からは、教材と学んだことを表現した五・七・五を紹介します。
さすが高学年、授業内容を十分に理解していることが伝わってくる十七音です。

■5年生の担任の先生から
 「古典を楽しもう」の宿題からこんな五七五がかえってきました。
 ・古いけど 新鮮みたい おもしろい」
 古いものも初めて聞く耳には「新鮮」だったという感覚が素晴らしいなと思いました。
「新鮮でした」と言い切らず、「新鮮みたい」と、本当は古いものだとわかっているとでも言いたげな言い回しも、5年生にぴったりなのではないでしょうか。
(親バカかもしれませんが)この作品に拍手!

◆五年生の作品
○目的に応じて引用するとき
 ・引用に 調べたものを 書いてみる
○同じ読みの漢字
 ・同じ読み 漢字によって 奥深い
 ・音と訓 暑いと熱い 違う意味
○カレーライス
 ・ぼくならば すぐにあやまり なかなおり
 ・ごめんねと 父に言わない 言うもんか
 ・みんな好き カレーライスは おいしよ
○からたちの花
 ・あおいとげ からたちの花 秋に咲く
 ・咲いてきた からたちの花 うつくしい
 ・からたちの きれいな花は だいじにね
 ・からたちの 花はきれいだ 白い花
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 94〜「面」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.94●

  

 BCA土曜学校幼稚部と小学部では、希望によって対面とリモートを選択した授業が始まりました。同じクラスの中で、教室で学習する人と画面に映るリモート学習の人が一緒に学ぶシンクロ学習です。
 8ヶ月ぶりに教室で対面授業を行った先生も、先生の顔を見て授業を受けた子ども達も
ソーシャルデイスタンスに配慮しながらも充実した時間を過ごせたようです。面と向かって、お互いの表情や息づかいを肌で感じて行う授業はやはりよいものです。
 
 「対面」は、顔を合わせてあうこと。互いに向き合うことの意味です。
 対面の「面」は、目だけ表れている仮面の形です。神事的な儀礼の際にはいろいろな仮面が使用されていたそうで、それがのちに顔面の意味となり「おもて、かお、つら、むかう」の意味として使われるようになったと言われています。人の頭部の象形と顔の輪郭をあらわす囲いから、成り立ったという説もあります。
 語源を考えると、「面」は、顔をはじめ、仮面、 顔面を保護するためにつける防具、頭部を打つ剣道の技、などの意味があることが頷けます。他にも平らな広がり、広がりはあるが厚さのない図形、建築で角材の稜角を削り落としてできる部分、方面など多くの意味を持つ漢字です。
 
対面のように、下に「面」のつく二字熟語だけでもたくさんあります。
 ○外面(がいめん) 外から見えるようす。見かけ、うわべ。
 ○局面(きょくめん) 物事のその時の状況、状態。勝負の形成。
 ○紙面(しめん) 紙の表面、手紙、新聞などの記事。
 ○渋面(じゅうめん) 不満そうな顔つき。しかめっつら。
 ○図面(ずめん) 建物、機械などの構造や工程を細かく示した図
 ○赤面(せきめん) 恥じて顔を赤らめること。恥じること。
 ○体面(たいめん) 人が世間に対して持っている誇り。世間体。
 ○直面(ちょくめん) 面と向かい合うこと。物事に直接対すること。
 ○当面(とうめん) じかに向き合うこと。まのあたりにすること。
 ○内面(ないめん) 物の内側の面。心の中。
 ○能面(のうめん) 能に用いる仮面。
 ○満面(まんめん) 顔中、顔いっぱい。
 ○文面(ぶんめん) 文章でその表現が直接示している事柄。
 ○強面(こわおもて) 他人をおどしつけるようなこわい顔つき。

 鬼のように恐ろしい外見でありながら、仏のような優しい心をもつという意味の、鬼面仏心(きめんぶっしん)をはじめ、四角四面(しかくしめん)、四面楚歌(しめんそか)、喜色満面(きしょくまんめん)、効果覿面(こうかてきめん)、面目一新(めんもくいっしん)、面目全非(めんぼくぜんひ)、因果覿面(いんがてきめん)、人面獣心(じんめんじゅうしん)などの馴染みの四字熟語もことわざも多い漢字です。その人の特徴を最もよく表す「面」だからですね。

 人と人が理解しあうためには、実際に顔を合わせて話すのが一番ですね。
 早くこの状況がおさまり、以前のように何の気がねもなく人によりそい笑い合える日が戻るを願ってやみません。
#コラム #ブログ

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BCA土曜学校のコラムVol. 93〜「五・七・五」〜

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五・七・五
  
 
 BCA土曜学校小学部では、9月から「今日学んだこと・考えたこと・感じたこと」を五・七・五で表現するか、自分の言葉で短い文を書くという宿題が出されています。
担任の先生からは、五・七・五で書いている子どもさんが多いと聞いています。
 
 五音、七音というリズムは、すでに万葉集において確立されている和歌の定型の音数律です。古代の歌人たちは指折り数えて歌を詠んでいたわけではなく、五・七を生み出すようなリズムがまず脳裏にあって、歌はその形式に合わせて詠まれたと言われています。
 意識的なコントロールをせずに 自然に生まれた定型、意識を越えたリズムが五音七音ということは、この音数が人間にとって心地よいリズムだったということでしょうし、中国の漢詩が五言七言形式であることを考えると、日本だけではなく自分の思いを表す時に表現しやすいリズムだったということなのでしょうか。
 長歌・短歌・旋頭歌・片歌などを含む日本伝統の歌である「和歌」、その和歌の一種類が明治以降に「近代短歌」として「和歌」と区別されるようになた「短歌」、そして、連句の発句から生まれた「俳句」「川柳」、それらが今も脈々と受け継がれています。

 宿題として出されている五・七・五は、季語を入れた俳句や風刺や滑稽をねらった川柳ではなく、ただ単にリズムを楽しむ五・七・五です。

 6年生の詩「せんねんまんねん」学習後の五・七・五
〇詩は何だ 詩は大切な レッスンだ
〇生まれても 生まれ変わっても その命
〇表現を 工夫をしたら おもしろい
〇繰り返し そこの部分を 強調だ
〇人間の前 地球にいろいろ ありました
〇いつまでも 命は回る 千年万年
学習内容を上手に17音で表現しています。
 
 1年生のかわいらしい五・七・五
〇おばけちゃん あそぶの大好き 女の子
〇アイパット ずっと見てたら つかれるよ
〇ハチドリが 春のおうちに やってきた
〇はぐらぐら もうすぐぬけそう たのしみだ
〇あついから つめたいものを のんでいる
〇ハムスター かいたいけれど だめだって
〇あきたいぬ ごはんをたべて ねんねする
〇ハロウィーン まじょのいしょう たのしみだ
〇せんせいの かえるのたいそう おもしろい
〇アナコンダ しめしめころす ライオンを
〇せんせいが きんちょうしてて どうしたの
〇どようびは おべんきょうを がんばるひ
〇おうまさん ポコポコあるき のりたいな
知っている言葉をつないで、まっすぐな気持ちを表現しています。
 
 日本で大事にしてきた五音・七音が、今こうして、アメリカのBCA土曜学校で受け継がれていることをとても嬉しく思います。これからの五・七・五も楽しみです。
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BCA土曜学校のコラムVol. 92〜「雨」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.92●

  

 先週末待望の雨が降り、今週はじめにようやく青空が顔を出しました。
 スッキリとした青空は、心もすっきりさせてくれます。空の青はこんなにもさわやかで美しいものだったのかと、空を眺めてしみじみ思いました。
 今までは、うっとうしさしか感じなかった雨でしたが、山火事の煙を落としてくれた雨はまさに恵みの雨。自然の力の偉大さを感じたのです。

 今日は朝から雨降りですが、この雨がもっと青い空を連れてきてくれるのかと思うと「ありがとう。もっと降って。」と声をかけたくなっています。

 「雨」は、天の雲から水滴が滴り落ちる様子から生まれた漢字で、その全体で降雨を表しています。4つの点は雨だれです。

 「天(あめ)」の同語とする説と「天水(あまみづ)」の約転とする説とがありますが、雨が多く、田畑や山林など生活に雨が大きく関係している日本では、古くから雨のことを草木を潤す水神として考えたそうです。日照りが続く時は、雨乞いを行い、雨が降ることを祈ってきた歴史もあります。「天」には「神のいるところ」という意味があり、そのため雨の語源と考えられているようです。

 漢字を構成するときは、上に位置しあめかんむりとなって、天体現象を表す字をつくります。

 雲(くも)・雪(ゆき)・霜(しも)・霧(きり)・露(つゆ)・霞(かすみ)・雷(かみなり)・震(ふるえる)・靄(もや)・雫(しずく)・雹(ひょう)・靄(もや)など 漢字を見ただけで情景が浮かんでくるようなものがありますね。

 「雨」そのものが入っている熟語はやまほどあります。

 ・春雨(はるさめ)春にしとしとと降る雨。

 ・五月雨(さみだれ、さつきあめ)旧暦五月頃に降る雨。

 ・梅雨(つゆ、ばいう)長く降り続く雨。

 ・喜雨(きう)日照りの後に降る雨、恵みの雨。

 ・秋雨(あきさめ)秋の長雨。台風の季節の特徴。

 ・時雨(しぐれ)秋の終わりからら冬にかけて降る小雨。

 ・冷雨(れいう)冬に降る冷たい雨。

 ・霧雨(きりさめ)霧のように細かい粒の雨。

 ・米糠雨(こぬかあめ)非常に細かい雨。

 ・驟雨(しゅうう)突然、非常に激しく降る雨。

 ・宿雨(しゅくう)連日ふりつづく雨、又は前夜からの雨。

 ・涙雨(なみだあめ)ほんの少しだけ降る雨。

など、「雨」の名前だけでもたくさんあります。

 昔から、日本人が雨と多くかかわってきたからこそ生まれた言葉なのだと思います。

 降っている「雨」がどんな「雨」なのか考えてみたり、気になる漢字の語源を調べてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
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BCA土曜学校のコラムVol. 91〜「煙」〜

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● BCA土曜学校のコラムVol.91●

  

 アメリカの西海岸では記録的な山火事が続いています。
 先週の美しい「朝焼け」の空はどこに行ってしまったのでしょう。同じ時刻に同じ場所から撮った写真とは思えない「煙空」です。
 曇り空ではなく山火事の「煙」で覆われた灰色の空は、異様な感じがします。
 日中も太陽が見えない日が続き、気温も上がりません。ありがたい太陽にはいつ会えるのでしょうか。雨が待たれます。

 よく耳にする「煙」のつく言葉をあげてみます。

〇煙に巻く(けむにまく)
 大げさなことや相手の知らないようなことばかりを言い立てて、相手を圧倒したり、ご まかしたりすること。

〇煙幕を張る(えんまくをはる)
 ・ 煙幕を大気中に放散して、味方の姿・行動などを隠すこと。
 ・ 言葉巧みに言いなして、本当のことを他人に知られないようにすること。

〇狼煙を上げる(のろしをあげる)
 ・煙や火を上げて合図をすること。
 ・大きな事の起こるきっかけや合図となる行動をすること。

〇眠い煙い寒い(ねむいけむいさむい)
 人間が我慢しにくいこと。

〇馬鹿と煙は高いところへ上る(ばかとけむりはたかいところへのぼる)
 愚か者はおだてにのりやすいというたとえ。

〇火のない所に煙は立たぬ(ひのないところにけむりはたたぬ)
 火の気がない所に煙が立たないように、根拠がまったくないところに噂は立たないこと。

 「煙」は、「火」と「垔」の組み合わせです。「燃え立つ炎」の象形と「かまどから流れ出る煙」の象形から、火がもえてけむりのたつことを示す「煙」という漢字が成り立ちました。
 「かくす」という意味を含み、「煙」は辺りに立ち込めて物を隠して見えなくしてしまうことをさすようになりました。
 「物の姿を隠す」や「隠して見えなくする」という意味を、実感を伴って理解する毎日です。

 州から健康を守るためのステップが示されています。

1、大気質予測を確認する。
2、空気の質が異常なレベルにあるときは、できるだけ室内にとどまる。
3、空気の質が悪い場合、屋外で激しい身体活動を制限する。
4、室内の空気をきれいに保つ。
5、煙で健康状態が悪化した場合は、医療提供者に連絡する。

 土曜学校の皆さん、煙霧による大気汚染に十分気をつけて生活してくださいね。
#コラム #ブログ

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