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● BCA土曜学校のコラムVol.90●
朝
BCA土曜学校の2学期がスタートした9月、朝晩は肌寒くなり秋を感じる季節となりました。実りの秋と言われる季節です。皆さんの日本語の勉強も充実したものになることを願っています。
今朝、東の空にとてもきれいな朝焼けを見ました。
西に沈む夕焼けはもちろん美しいのですが、太陽が昇ろうとする朝焼けは一日の終わりを告げる夕焼けのもの悲しい美とは違って、これから始まる一日を応援してくれるような力強い光を放っているように見えます。
「朝」の語源を調べてみました。「あさ」と「あした」は同源で、「あ」は「明く」が語源と考えられています。「あした」が語形変化して「あさ」になり、「あした」は本来の意味を失って「明日」の意に転じて「あさ」が「朝」の意味になったという説や、天が開いて明るくなることから「開く」が語源とする説などがあります。
太陽の形「日」の上と下に草の形「艸」を置いて、残月が薄くかかっている中、草の間に日(太陽)が出ている様子から「朝・明けがた」の意味を表すようになったようです。
「朝」は、あさ、あしたの他に、天子がまつりごとをするところ、天子の治める国、天子の治めている世、またその期間、天子に会う、朝鮮などの意味も持ちます。
「朝」のつく好きなことわさを紹介します。
〇朝起き千両、夜起き百両(あさおきせんりょう、よおきひゃくりょう)
朝早く起きて仕事をするほうが、夜働くより能率が上がり得だということ。
〇朝雨に傘いらず(あさあめにかさいらず)
朝の雨はすぐにやむということ。
〇朝起きは三文の徳(あさおきはさんもんのとく)
朝早く起きるとなにかしらいい事があるということ。
〇一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり(いちにちのけいはあさにあり、いちねんのけいはがんたんにあり)
一日の計画は朝のうちに立て、一年の計画は元旦にたてよということ。
〇朝の来ない夜はない
物事は必ずいつかよい方向に変わるということ。
「朝」という字は、「十」「月」「十」「日」の組み合わせ。十月十日とは、お腹に赤ちゃんを抱えている期間だから「朝」には生まれるという意味があるんだよ、という祖母の声を思い出しています。新しい命の誕生は、喜びと希望にあふれているので、朝を迎えるのは希望を迎えるのだという話です。
いつでも何事にも前向きで新鮮な気持ちで向き合うことができる人になることを願っての言葉だったのではないかと、今思います。
「朝」には、明るい日差しが差し込むようなさわやかなイメージを感じます。
皆さんにも、いろいろなことが起こっても必ず訪れる新しい一日の始まりを大事にし、未来に向かって自分の毎日を積み上げていって欲しいと思います。
● BCA土曜学校のコラムVol.89●
日常を
5年生のみなさんと「日常を十七音で」という教材で俳句の学習をしました。
はじめに、例示した作品から情景や心情を想像し、俳句は季語を入れて5・7・5の音数で感動を伝えるものであることを確認。音数の数え方や句作の手順、表現の工夫を学習した後、日常の情景から見つけた言葉を書き出し、その中から選んだ一つの言葉からその時の情景や気持ちを書き込み5・7・5の型に入れました。もう一度練り直して完成です。
45分という短い時間でしたが、知っている日本語をよりすぐって一生懸命作ってくれました。
それぞれの日常が見えてくる素敵な作品を、そのまま紹介します。
○夏の雨 うさぎがぴょんぴょん 母の声
○はちの声 ピーピピピピピ もうダッシュ
○魚つり もっとやりたい 夏の海
○夏の雲 赤ちゃんねずみが 泣いている
○日曜日 ソファーでゆっくり ゲームした
○なつのそら ブルーベリーが さいていた
○オレンジ オレンジみかん色 夏のかおり
○レストラン 焼き肉うまいな 楽しいな
○りす親子 母走るけど 赤子跳ね
○夏の朝 犬と遊ぶよ 庭の中
○あめのひは そとにいけない かなしいな
○夏の空 かわいいセーバー 走ってる
○空のうえ 外の景色が きれいだな
○汗流す バスケットボール 追いかけて
○夏になり もう散っている 桜の木
○おじいさん 湖の前 きれいだな
○むしとりで どこへ行ったか 虫の声
○ぶらんこね 楽しそうでしょ 友達と
○大好きだ アートクラスの 絵画です
○さかなつり さおを入れたら 待つときだ
○食べたいよ おいしいおすし 札幌で
○しとしとと 雨が降ってる 梅雨の時期
○バナナ 黄色いバナナ 夏のバナナ
中髙生からの投稿も紹介します。
○雨上がり すり足上手 かたつむり
○ハイキング 緑の山道 気持ちいい
○山うさぎ 庭で跳ねてる 可愛いな
○自転車で 怖いジャンプが 楽しいよ
○気持ち悪 鬼滅の刃 人食い鬼
○外に行こう やっぱり寒いよ ハイキング
○炎天下 頭が燃えた バーベキュー
○生い茂る 山の緑が 綺麗だな
○卓球が 上手くなってく 部活かな
○目が痛い オンライン授業 いつ終わる
○朝起きて 授業に行って 疲れたな
○コロナ菌 学校がない 退屈だ
○たいくつで お外に行って やることなし
俳句は、世界でいちばん短い詩と言われています。
5・7・5の十七音という限られた音数の中で、言葉を上手に使って自分の感動を伝える伝統的な形式です。
17音のうしろにあるものも想像できるように作るために言葉を見つめていくことは、言葉を磨き語彙力を高めることにもつながります。 これからも、その時々の自分だけが感じる素直な思いを17音にのせてみましょう。
みなさんの「日常を」17音に。
夏休みも是非俳句作りを続けてその時々の感動を記録し、秋に学校が始まったら教えてください。
みなさん、元気に、よい夏休みを過ごしてくださいね。
※写真は昨年度のものです。
● BCA土曜学校のコラムVol.88●
感謝
6月4日はWPS(中学部)8年年生の卒業式、そして今日はBCA(小学部)5年生のオンライン卒業式が行われました。
生徒会で作成した学校生活紹介ビデオ、幼いころの写真と成長した今の姿の紹介、お祝いの演奏、そして、卒業生代表、保護者代表、校長先生はじめ先生方のあいさつ。卒業生の皆さんの次のステージでの活躍を期待するあたたかい思いにあふれた卒業式でした。
それぞれのあいさつの中に、「感謝」という言葉がたくさん含まれていたことが心に残り、改めて素敵な言葉であることを確認しました。
「感謝」は、ありがたいと思う気持ちを表すこと。また、ありがたいと感じる気持ちという意味です。
「感」は、「口」と「まさかり」と「心臓」が組み合わさり、口が開けられないほど心を打たれることを表す文字で、ある物事や刺激にふれて心が強く動くことやその思いを意味します。
「謝」は、「言」と「射」が組み合わさり、口を使って言うことと張りつめた矢を手から放つことを表す文字で、言葉を発することにより緊張をゆるめることから、詫びるやお礼を伝えることを意味します。緊張をゆるめて、心の安定を得ることを象徴しているのだそうです。また、「謝」は「捨(しゃ)」にも通じ、同じ読みを持つ「捨」と同じ意味を持つようになり、捨て去るという意味も表すようになったという説もあります。
そう考えると、謝ると言う意味の「謝」がなぜ「感謝」に入っているのかが納得できますね。
これらの語源から、「感謝」という言葉は、人に何かをしてもらったことに対して口が開けられないほど強く心が動き、それを言葉の矢として相手に放つという意味を含んでいることがわかります。
ありがたいと思う気持ちを表す「感」と、謝ることでこだわりを捨て心が安らぐことを表す「謝」で「感謝」。
学校を巣立つ日に、お互いを思いやり「感謝」というが言葉がどの立場からも語られるWPS、BCAは素晴らしい学校だと思いました。
卒業生の皆さんの益々の活躍を祈っています。
幸せな未来が拓けますように。
ご卒業おめでとうございました。
私の母は、「おかげさまで」という言葉を大事にする人で、私たちは、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言える人になりなさいと教えられて育ちました。周りの人に対して「感謝」の思いを持ち、間違ったら素直に謝罪することが何よりも大事。「ありがとう」が言えると幸せな気持ちになり、「ごめんなさい」が言えると気持ちが楽になるよ。
そんな母の言葉も思い出した卒業式でした。
● BCA土曜学校のコラムVol.87●
説明文
BCA土曜学校オンライン授業では2年生から6年生まで説明文の学習をしました。
2年生の「たんぽぽのちえ」は、時間を表す言葉を使って、たんぽぽが変化する様子と4つの知恵がわかりやすく説明されています。
3年生の「こまを楽しむ」は、日本の伝統文化にかかわる題材で、こまを紹介しています。問いと答えを明確に示して、6つのこまについて説明しています。
4年生の「アップとルーズで伝える」は、写真や図と本文を対応させて読むことによって、対比的な段落構成をつかんでいく説明文です。
5年生の「言葉の意味が分かること」は、文化や言葉に表れたものの見方の特徴について、「初め」と「終わり」に筆者の考えが示され、「中」で定義や事例が示されています。
6年生の「時計の時間と心の時間」は、時計が表す時間と体感する時間の違いとその関連について、筆者の主張とそれを支える事例の関係が示されています。
1年生は、2学期に「くちばし」という初めての説明文で、クイズに答えるように問いと答えを見つけて読む学習をします。
学年が上がるにつれ,文章量も難しい語句も多くなりますが、小学部の皆さんはよく頑張りました。1年生から学年の発達段階に応じた教材で系統的に学習することで、様々な説明文の型を知り読解力を高めることができますので、これからの学習も大事にしていって欲しいと思います。
説明文は、筆者の主張を読者に理解してもらうことを目的として書かれた文章です。
「初め」に、問い・話題提示・筆者の考え。「中」に、答え・例・実験・観察。「終わり」に、まとめ・筆者の考えという三構成が基本です。
構成に着目して文章全体をとらえ、各段落の大事な部分をつかんでいくと筆者の言いたいことが見えてきます。
今回の説明文に共通していた読解のポイントを3つ紹介します。
1、接続詞に注目
例えば、「しかし」「けれども」「でも」などの逆接の接続詞。対立する意見を先に述べて、否定する形で自分の論を述べる書き方が多いです。また、「つまり」「このように」などの要約説明の接続詞の後には、筆者の主張がまとめられていますので注目して下さい。
2、項目立てに注目
「第一に、第二に」「まず、次に、最後に」など、伝えたいことを分かりやすく整理して書いてある場合は、それぞれ大事な主張をしているところです。中心文に線を引いておくと主張の流れが見えてきます。
3、書き出しと文末に注目
強く伝えたい部分は「大切なことは」「大事なことは」などで書き始めたり、「○○が重要です。」「○○と考えている。」「○○が必要だ。」などと文末を強く言い切る強調語を使用することが多いので注目してください。
知識を得る時、何かを追求しようとした時、私たちが読む文章の多くは説明文です。
新聞や雑誌、家電などの説明書、インターネット上の記事など、皆さんもこれからも多くの説明文にふれていきます。ゲームの攻略本も説明文ですね。
小学部で読み方を身に付ければ、中髙部でも社会に出てもきっと役に立つはずです。日本の学校の入試には必ず説明文の問題が入っています。
論理的にまとめられた文章を読むことで思考力も高まりますので、説明文と仲良くなって欲しいです。
● BCA土曜学校のコラムVol.86●
俳句紹介
前回のブログに引き続き、BCA土曜学校中髙部の皆さんの俳句を紹介します。
それぞれの今を五七五で表現した素敵な俳句です。豊かな感性や素直な気持ちが伝わってきて、ほっこりした気持ちにさせられます。
仲間が詠んだ十七音から、情景や心情を想像して楽しんで下さい。
○休校で 時間いっぱい ものづくり
○夏近し あたらしいこと 習ってる
○桜散る 風に乗ってる 白い雨
○泳いでる 風の海の家(や) こいのぼり
○桜踊る うかぶは友の 顔ばかり
○目がくぼむ オンラインタイム 長すぎだ
○コロナ菌 友達会えない 寂しいな
○退屈だ いつまで続く 一人遊び
○すぐ消える スイーツの山 容疑者多し
○はなれても 一緒にゲーム コロナでも
○友達と ゲームで遊ぶ あつ森だ
○退屈だ コロナウィルス 早くされ
○へたくそな バトミントン 楽しいな
○アレルギー やっぱり杉の木 コロナじゃない
○たいくつね おうちつまんない そといくよ
○コロナ菌 どうしてそんなに 強いのか
○ワンピース はじめてみたら 900話
○恐ろしい コロナウィルス うつりたくない
俳句は、引き続き募集中です。
自宅で家族と過ごす今だからこそ、思うことがあるはずです。あなたにしか見えない景色、あなたにしか聞こえない音、あなたにしか感じることができない思いを五七五で表現してみましょう。
皆さんの日常を教えてください。
● BCA土曜学校のコラムVol.85●
川柳と俳句
コロナウイルスの影響で家庭での学習を余儀なくされている中校部の皆さんに、今の思いを俳句にという課題を出し、オンラインで俳句の川柳と俳句の違いについて学習しました。
五七五の定型詩であることや、俳諧の連歌から生まれたことは同じなのですが、川柳と俳句はどのように違うのかという切り口でミニ授業を進めました。
俳諧連歌は、和歌を五七五と七七の二つに分けて、二人以上で完成させる言葉遊びです。通常は十人くらいで、五七五・七七、五七五・七七と繰り返しながら全体で百句になるまでつくり続けます。江戸時代、松尾芭蕉によって文学的に高められました。
一句目となる発句は、あいさつ句とも呼ばれ、連歌会が行われる場所や季節感を上手に歌の中に盛り込む必要があります。それを受けて別の人が七七の二句目を続けます。さらに次の人が三句目以降を五七五、七七、五七五、七七とどんどんつなげて行きます。ですから連なる歌「連歌」といいます。
「お犬様おれの四倍 床屋代」
「名月をとってくれろと 泣く子かな」」
上は、サラリーマン川柳からの引用です。
飼っているペットの床屋代が自分の4倍だという川柳に思わず笑ってしまいます。犬に「様」をつけているところもおもしろいですね。
川柳は、このように人間模様や社会風刺を題材にし、自分の気持ちをストレートに表現します。江戸中期の前句付の点者「柄井川柳」の名前をとって川柳と呼ばれるようになりました。川柳は連歌の付け句の規則を、逆に下の句に対して行う前句付けが独立したものなのです。川柳は「吐く」と言います。
下は、俳句集「おらが春」に収められている小林一茶の俳句です。
おんぶしている子どもが、空に輝く満月を指して「あのお月様を取って」と泣きながらねだっている様子が浮かんできますね。
「名月」という秋を表す季語が入っています。「かな」は感動を表す切れ字です。
俳句は、俳諧連歌の発句と呼ばれる最初の一句が独立したもので、季語、切れ字などの約束ごとがあって、格調が保てるものになっています。
詠嘆を表現するので、俳句は「詠む」と言います。
最初に投稿されたのは
「夏近しクローゼットを 片付けた」という句でした。
「夏近し」初夏を感じさせる季語ですね。衣がえの時期に、一生懸命冬物と夏物の入れ替えをしている様子が浮かんできます。どんな表情で片付けていたのでしょうか。夏に向けてどんな思いを持ったのでしょうか。俳句は、読むほうも作者の行動や気持ちを想像して楽しむことができます。
皆さんも、自然や生活に目を向けて五感をとぎすまし、あなたにしか見えない・聞こえない・嗅げない・味わえない・触れられない今を、五七五の十七音で表現してみて下さい。
今の思いはあなただけのものです。今だからこそ感じることを自分の言葉で残しましょう。
BCA土曜学校の中髙生の皆さんが詠む俳句、楽しみにしています。
● BCA土曜学校のコラムVol.84●
花言葉
久しぶりに学校に行きました。校舎にも駐車場にも誰もいません。
そんな中、校庭に咲いている花が目に入ってきました。季節を知らせてくれる可愛らしい花たちが、早くみんなに会いたいなと語っているように思えました。
往復の車窓から見える花も鮮やかで、明るい気持ちになりました。
花は、見る人の心を和ませてくれます。庭に咲いている花はもちろん、家の玄関やテーブルの上にさりげなく飾られている花も、私達にちょっとした幸せを届けてくれるように感じますよね。
今日は、春から初夏にかけて咲く花から、馴染みのある「花言葉」を紹介します。
言葉を持たない花が届けるメッセージ、とても素敵だと思います。
あんず(杏) 「臆病な愛」「乙女のはにかみ」
ガーベラ 「希望」「常に前進」
カモミール 「逆境に耐える」「逆境で生まれる力」
キンギョソウ 「おしゃべり」「でしゃばり」「おせっかい」
クローバー 「私を思って」「幸運」「約束」
さくら(桜) 「精神の美」「優美な女性」
ジャスミン 「愛想のよい」「優美」「愛らしさ」
すいせん(水仙) 「うぬぼれ」「自己愛」
スイートピー 「門出」「ほのかな喜び」「優しい思い出」
すずらん(鈴蘭) 「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」
すみれ(菫) 「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」
たんぽぽ 「愛の神託」「真心の愛」「別離」
チューリップ 「思いやり」
なのはな(菜の花) 「快活」「明るさ」
はなみずき 「永続性」「私の想いを受けてください」
パンジー 「もの思い」「私を思って」
プラタナス 「天才」「好奇心」
フリージア 「あどけなさ」「純潔」「親愛の情」
ブルーベリー 「実りのある人生」「知性」
ぼたん(牡丹) 「風格」「恥じらい」「人見知り」
ポピー 「いたわり」「思いやり」「恋の予感」
マーガレット 「恋占い」「真実の愛」「信頼」
もも(桃) 「私はあなたのとりこ」「天下無敵」
やまぶき(山吹) 「気品」「崇高」「金運」
ルピナス 「想像力」「いつも幸せ」「あなたは私の安らぎ」
れんげ(蓮華) 「心がやわらぐ」
わすれなぐさ(勿忘草) 「真実の愛」「私を忘れないで」
10日の母の日は、お母さんにカーネーションを贈った人が多かったのでしょうか。
カーネーションの花言葉は「無垢で深い愛」。色が違うとメッセージも変わるのだそうです。
赤は「母への愛」「愛を信じる」、白は「純潔の愛」や「尊敬」、ピンクは「温かい心」「感謝」、紫は「気品」「誇り」、オレンジは「清らかな慕情」「あなたを愛します」、黄色は「美」「友情」、青は「永遠の幸福」。色も選んでみたくなりました。
皆さんも、好きな花を愛でて、好きな花の「花言葉」を見つけて楽しんで下さい。
● BCA土曜学校のコラムVol.83●
小景異情
6年生の国語で室生犀星の「小景異情」の学習をしました。
「小景異情」は、六編からなる短い詩の連作で、その二の「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土の乞食(かたゐ)となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ そのこころもて 遠きみやこにかへらばや 遠きみやこにかへらばや」が有名ですが、教科書にはその六が取り上げられています。
この詩を書いたころの作者は、複雑な家庭事情もあり、ふるさとの金沢と東京を往復していたそうです。先の五つの詩は、作者の悲哀や後悔や自問の念が表現されていると言われていますが、最後の「あんずよ」は、希望や優しい心が伝わってきます。
「あんずよ」は、春の景色を描いた詩で、情景を想像して音読を工夫する教材として、新しく教科書に入りました。
「小景異情」 室生犀星
あんずよ
花着け
地ぞ早やに輝け
あんずよ花着け
あんずよ燃えよ
「小景異情」の「小景」は、ささやかな景色、ちょっとした光景。「異情」は、風変りな心、いつもと違った気持ち。
つまり、ちょっとした光景が、いつもと違った気持ちをわきおこすという意味です。
作者はその六で、「あんず」の花を見て、「花着け」花を咲かせなさい。「輝け」輝きなさい。そして「燃えよ」燃えるように咲きなさいと呼びかけています。「地ぞ」の「ぞ」は強調、「早やに」は早く。
あんずの花を一生懸命応援している作者の気持ちが伝わってきます。あんずへの呼びかけが自分自身への激励の気持ちを呼び起こしているのです。
ちょっとした光景が、いつもと違った気持ちにさせる。
そんな「小景異情」は、私たちの身近なところにもありそうですね。
先週から、BCA土曜学校では幼稚部と小学部でオンライン授業が始まりました。
中高部は、授業はありませんがオンラインで話をする場が設けられました。
3月からずっと会っていない皆さんがどんな生活をしているのか、体はもちろん心の状態はどうなのだろうかと心配していたのですが、元気な声を聞くことができてほっとしました。
どんな生活をしているのという問いかけに、
料理、庭でサッカー、父とキャッチボール、バドミントン、卓球、ガーデニング、犬や猫と遊んでいる、オンラインでバレエの練習、ボランティアで通訳、家族とゲームなどなどの明るい声が返ってきました。
家族とゆったりと過ごす時間を楽しんでいるようです。
皆さんそれぞれの「小景異情」。
今だから見えるちょっとした光景、今だからできるちょっとしたことに目を向け、楽しみや幸せを感じる時を重ねて欲しいと思います。
● BCA土曜学校のコラムVol.82●
考える
5年生の国語の教科書に、谷川俊太郎の「かんがえるのって おもしろい」という教材が新しく入りました。「かんがえる」ことを「どこかとおくへいくみたい」とたとえて、考えることのおもしろさを表現している明るい詩です。
考えることで「しらないけしき」がみえてきて」「そらのあおさが ふかくなる」と続きます。新たな知識を得たり、学びを深めたりして「みらいにむかって」いって欲しいという作者の優しい思いが伝わってくるこの詩から、5年生の子ども達は何を感じてくれるのかとても楽しみです。
「かんがえるのっておもしろい」 谷川俊太郎
かんがえるって おもしろい
どこかとおくへ いくみたい
しらないけしきが みえてきて
そらのあおさが ふかくなる
このおかのうえ このきょうしつは
みらいにむかって とんでいる
なかよくするって ふしぎだね
けんかするのも いいみたい
しらないきもちが かくれてて
まえよりずっと すきになる
このおかのうえ このがっこうは
みんなのちからで そだってく
「考える」の「考」という文字は、腰を曲げてつえをつく老人の形を表し、長生きの老人、死亡した父、物事を突き詰めて調べ考える等の意味があるようです。
「考える」は、筋道を立てて問題や疑問を解決しようとすること、あれこれと思考や想像をめぐらせること、新しい方法や技術などを工夫して生み出すことで、論理的・継続的な思考です。似た意味の「思う」は、嬉しい気持ちや不満などの感情的な心の動きのことをさし、情緒的で一時的な思考を表すことで「考える」と区別されています。
フランスの思想家パスカルの「パンセ」の中の言葉を思い出しています。
彼は、「人間は自然のなかでもっとも弱い一茎(ひとくき)の葦にすぎない。だが、それは考える葦である」。広大無辺な宇宙に比べれば、一茎の葦のように弱い存在にすぎないが、それは考える葦であり、考えることによって「宇宙を包む」ことができる。ここに人間の尊厳があり、偉大さがあるという有名な言葉です。
人間は弱いが、「考える」ことができるから尊い。相反する両方を持っていることが大事であり、物事や人間は単純にわりきれるものではないという意味も込められているのだそうです。
考えていると、なんだか言葉が楽しく「おもしろく」なってきます。
土曜学校の皆さんも、いろんなことを考えて自分の「みらいにむかって とんで」いって欲しいです。
● BCA土曜学校のコラムVol.81●
教科書
教科書と漢字練習帳などの副教材が、先週学校から発送されました。きっと、手元に届いた教科書や教材をすぐに開いてみたことでしょう。
清水校長は「新しい教科書を手にしたときのあのわくわく感が、今でもよみがえってくるわ。」と笑顔で語っていました。
皆さんも、一年間の学習への期待に胸をふくらませてページをめくっているのではないでしょうか。
「教科書」とは、学ぶときに主たる教材として用いられる図書のこと。と辞書に書いてあります。国や地域によって様々なタイプの教科書が使用されており、大きく三つのタイプに分けられているようです。
①国が発行して使用を義務づけている「国定教科書」
②民間が発行するが、国が検定を行う「検定教科書」
③国が干渉しない「検定なしの教科書」
アメリカは③で、日本のような全国に共通した教科書制度はなく、教育委員会が自由に採択したり、州が認定したリストの中から選択したり、州の基準に従って採択したりと、州によって教科書に関する制度が異なっています。
日本は現在②です。古くは仏教や儒教の教典・経書、国文・和歌、史書などの古典が教科書として使われていましたが社会の変化とともに内容が変わり、1886年から検定制、1903年から国定教科書,そして戦後は検定制となりました。
小学校は1996年、中学校では1969年に全学年無償給与が実現し、今日に至っています。
小・中の公立学校での採択は、教育委員会の権限のもと地域ごとに、高校は学校単位で行われています。
国ごとの差やそれぞれの歴史など、調べてみるとなかなかおもしろいことがわかります。
今年度、小学校の教科書が新しくなりました。平成29年告示の学習指導要領の趣旨が教科書に反映され、単元の構成や各領域の構成や考え方も変わっています。
それぞれの教科の目標と内容は「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」三つの柱で整理されました。それを受けて教科書は、何をどのように学ぶかがわかるように作られています。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、教科書はどの学年もとても魅力的です。
土曜学校で学習する教材は限られていますので、この機会にゆっくりと教科書を読んでみて欲しいと思います。
教科書は、皆さんにわかりやすく学んでもらうための優れた工夫が満載の、とても楽しい読み物でもあるのです。
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