BCA土曜学校のコラムVol. 92〜「雨」〜
先週末待望の雨が降り、今週はじめにようやく青空が顔を出しました。
スッキリとした青空は、心もすっきりさせてくれます。空の青はこんなにもさわやかで美しいものだったのかと、空を眺めてしみじみ思いました。
今までは、うっとうしさしか感じなかった雨でしたが、山火事の煙を落としてくれた雨はまさに恵みの雨。自然の力の偉大さを感じたのです。
今日は朝から雨降りですが、この雨がもっと青い空を連れてきてくれるのかと思うと「ありがとう。もっと降って。」と声をかけたくなっています。
「雨」は、天の雲から水滴が滴り落ちる様子から生まれた漢字で、その全体で降雨を表しています。4つの点は雨だれです。
「天(あめ)」の同語とする説と「天水(あまみづ)」の約転とする説とがありますが、雨が多く、田畑や山林など生活に雨が大きく関係している日本では、古くから雨のことを草木を潤す水神として考えたそうです。日照りが続く時は、雨乞いを行い、雨が降ることを祈ってきた歴史もあります。「天」には「神のいるところ」という意味があり、そのため雨の語源と考えられているようです。
漢字を構成するときは、上に位置しあめかんむりとなって、天体現象を表す字をつくります。
雲(くも)・雪(ゆき)・霜(しも)・霧(きり)・露(つゆ)・霞(かすみ)・雷(かみなり)・震(ふるえる)・靄(もや)・雫(しずく)・雹(ひょう)・靄(もや)など 漢字を見ただけで情景が浮かんでくるようなものがありますね。
「雨」そのものが入っている熟語はやまほどあります。
・春雨(はるさめ)春にしとしとと降る雨。
・五月雨(さみだれ、さつきあめ)旧暦五月頃に降る雨。
・梅雨(つゆ、ばいう)長く降り続く雨。
・喜雨(きう)日照りの後に降る雨、恵みの雨。
・秋雨(あきさめ)秋の長雨。台風の季節の特徴。
・時雨(しぐれ)秋の終わりからら冬にかけて降る小雨。
・冷雨(れいう)冬に降る冷たい雨。
・霧雨(きりさめ)霧のように細かい粒の雨。
・米糠雨(こぬかあめ)非常に細かい雨。
・驟雨(しゅうう)突然、非常に激しく降る雨。
・宿雨(しゅくう)連日ふりつづく雨、又は前夜からの雨。
・涙雨(なみだあめ)ほんの少しだけ降る雨。
など、「雨」の名前だけでもたくさんあります。
昔から、日本人が雨と多くかかわってきたからこそ生まれた言葉なのだと思います。
降っている「雨」がどんな「雨」なのか考えてみたり、気になる漢字の語源を調べてみるのもおもしろいのではないでしょうか。