●BCA土曜学校のコラムVol.28●
さようなら
BCA2のフロントオフィスに、面白い仲間がいます。
子ども達が挨拶すると返事をする大人気の仲間は、今年の干支(えと)のかわいい”子犬”です。
土曜学校を終え、お友達と小犬に「さようなら」と挨拶し、お友達と子犬の「さようなら」を受けて、笑顔で校舎を出る生徒さんの姿を見かけ微笑ましく思いました。
「さようなら」は、「左様(さよう)ならば」の「ば」だけが略され、現在の挨拶言葉になりました。
「左様(さよう)ならば」は、「そういうことならば」「それならば」「それでは」という意味です。
「左様」は、「そう」の丁寧な言い方で「然様」のあて字です。「そうです」「そのとおりです」という意味を持ちます。
「然」は、「そうある」という意味ですから、「然様」は「そうある様」です。
「左」という文字があて字として使われているのは、「右大臣」よりも「左大臣」のほうが上だったように、同じ位でも「左」のほうが上位を示したということから、「左の方の通りに」と相手に敬意を表しているということです。
もともと「さようなら、ごきげんよう」という挨拶言葉が、明治時代に男性は「さようなら」、女性は「ごきげんよう」と分けて言うようになり、昭和に入ってから女性も「さようなら」だけを言うようになったという説もあります。
「ごきげんよう」は漢字で書くと「御機嫌好う」。室町時代に宮中の女官が用いたことが由来になっています。「機嫌」は、気分のことではなく体調のことを指していますので、健康を気づかい、どうぞお元気でお過ごしくださいと相手を思いやる気持ちが込められています。
古くから使われている言葉「さようなら」には、周りの人や、生きている今を大事にしましょう。きっといい日になるであろう明日また元気に会いましょうという意味が込められているのですね。
背景や意味を知って「さようなら」と言うと、言う度に相手を大切にして応援しようという気持ちがふくらむのではないでしょうか。
「じゃあね」「バイバイ」「お疲れ様」などで代用されるようになりつつある「さようなら」は、余韻が残る優しく美しい日本語だと思います。
大事に残して、伝えていきたい言葉ですね。