BCA土曜学校のコラムVol.76 〜花〜
ベルビューにもいつの間にか春が訪れ、美しい花が咲きはじめました。
桜のやさしいピンク、水仙のあたたかい黄色、「花」は見る人の心を和ませてくれます。
世界中が厳しい状況におかれている今、時節になって咲き出した花たちが、私たちも頑張って花を咲かせるから「人間も頑張って!」と言っているように感じます。
BCA土曜学校の皆さん、元気に過ごしているでしょうか。
「花」という文字の上の部分は、木の花や葉が長く垂れさがる様子を表し、下の部分は「化」変化する様子を表していることから、生物としての草木の花として使われるようになりました。
語源は、美しく目を引くことから物の突き出た先の部分をさす「端(はな)」。開くを意味する「放つ」の「はな」。「葉」に接尾辞の「な」で「はな」。「早生(はやくなる)」の意味で「はな」。「春成(はるなる)」で「はな」などの説があるようです。
もともとの字は、楡華校長先生の「華」です。美しい、華やか、彩り、装飾、栄える、名声が上がるなどの意味を持ち、「花」に比べると勢いとあでやかさやがある文字です。
「花」は、主に様々な植物の花そのものを表現する言葉と使われていますが、花が開いたように美しく人を引きつける様子や勢いなどが盛んな様子、特にきわだっている様子などにも使われます。
例えば「花が咲く」は、植物の花が開くという意味と、「土曜学校の話に花が咲く」のように話が盛り上がるという意味や、「彼の人生に花が咲く」のようにきわだつ時期を迎えているという意味があります。
「花」のつく慣用句から
○花も恥じらう(はなもはじらう) 美しい花さえ引け目を感じるほどの若い女性の美しさ。
○高嶺の花(たかねのはな) 見えてはいるのに手が届かないもの。自分のものにはできないもの。
○花を添える(はなをそえる) 美しいものの上にさらに美しさを加えること。
○花より団子だんご(はなよりだんご)美しい花をながめるより美味しい団子がいい。風流より実利を選ぶことのたとえ。
○番茶も出花(ばんちゃもでばな)器量のよくない娘でも年頃になれば美しくなること。
○花開く(はなひらく) ずっと努力してきたことが実ること。
○花も実もある(はなもみもある) 姿も中身もともに備わっていて素晴らしいこと。
○両手に花(りょうてにはな) 二つのよいものを同時に手に入れること。一人の男性に二人の女性が伴っていること。
慣用句の他、熟語や故事、ことわざなども調べてみると面白いです。
「花」が昔から日常生活の中になじみ、人々がいかに「花」を愛でてきたかが伝わってきます。
天気のよい日は、外に出てシアトルの春の花を探しに出かけるのもいいですね。