ロシアのウクライナへの侵攻が始まり、ロシアの悪魔のような所業をニュースで度々目にするようになりました。すると私の中で生まれた感情が、「ロシアは嫌い」。
そしてある時、自分のさらなる感情に気付きました。私は近所の東欧スーパーによく行くのですが、「ここにロシア人はいるのだろうか」「いるなら恥を知れ…」。
しかしそう思った瞬間、これは全く正しくない感情だと気付きました。国がどのような決断をしたにしろ、市井のロシアの人々を白眼視するのは違う…自分こそ、恥を知れだよ…。
そんな感情と向き合うために始めたのが、ロシア文学の読書です。再び『罪と罰』を読み、ツルゲーネフを読み、『貧しき人々』を読み、そして『カラマーゾフの兄弟』へ。小説という作り物ではあるものの、そこには日々を生きるロシアの人々の姿が描かれていて、登場人物に肩入れしていくうちに、ロシアの人々が私たちと変わりないことに気付きます。
本当はロシアの人々と話せたら、こういう気付きがより確実に訪れるのでしょう。でもそれができないから、私はせめてロシア文学を読みます。
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