電子書籍アプリKinoppyで本を読んでいますが、電子書籍は独自の楽しみ方ができて、もう紙に戻れなくなりそうなはまりようです。
フル活用しているのは辞書機能。特に、私の好きな1900年代初頭の文学には見慣れない単語も頻出するので、とても助かっています。さらにその単語を色々な色でマークして、後からまとめて開くこともできます。
私は意味を調べた単語はピンク色に、心に響いた文章は水色にマークしています。
例えば数カ月前に読んだ、ドストエフスキーの『貧しき人々』では、次のような文章を水色にしていました。
主人公の貧しい老人が若い女性の文通相手に書いた言葉。「あなたは私を、蝿の羽にでも打ち倒されそうな優男(やさおとこ)だなどとは見ないでくださいよ」――この表現がなんだか絶妙で、思わず水色にしたようです。蝿の羽に打ち倒されるほど弱い男。
その女性の返信で「でもわたしはどんなに幸福な瞬間でも、いつもどういうわけか沈鬱な気分になるんですの」。――これはまるで私自身が話した言葉のようだったからでしょう。
老人が、皆が恋焦がれていた一人の女優を思い出して言った言葉。「だれの胸にもおなじ一羽のカナリヤが囀(さえず)っているようなあんばいでした」。――大好きなスターでも、大好きな人でも、そんな人がいるとき、本当に、心の中に一羽のカナリヤがいるように感じますね。この一文を読んだ時、私の心の中にも大切な大切なカナリヤがいることを思い出しました。
今日、あなたの心に響いた文章は、ありますか。
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