着床前スクリーニングの問題点は、
「命の選別につながる可能性」と、
「必ずしも正確ではない危険性」です。
まず、倫理的な問題として、
性別や、ダウン症の有無もわかるため、
その取扱い方法については
日本的な十分な検討が必要です。
もう一つの問題として、
正確に、胎児の異常を反映している
わけではないということです。
胚盤胞の外側の胎盤になる細胞を
複数個採取して検査していますので、
それに異常があっても、
胚盤胞の内側の胎児になる細胞は
正常であることも考えられるのです。
高分析能を持つ
着床前スクリーニングのNGS法では、
胚のモザイク
(正常細胞と異常細胞の混合状態)
までわかりますが、
そのモザイク胚を移植して、
健康な正常な赤ちゃんが出生したと、
イタリアの研究グループから
報告されています。
(N Engl J Med 2015)
モザイクは決して稀ではなく、
そのモザイク率の程度によって、
妊娠率や流産率を予測することは
困難である
ことも今年の1月に、
アメリカの研究施設より
報告されています。
(Reproductive Biology and
Endocrinology 2018)
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