最近、世界的にも高い技術を持つ体外受精・不妊クリニックにおいて、
胚移植(人工的に受精卵を子宮内膜に移植する)
を何回行っても妊娠反応すらでない患者さんが
時々受診されています。
このような場合、受精卵の問題ではなく、
子宮内膜環境の問題であるケースがあるからです。
医学的には、 「着床障害」 と言っています。
受精卵は酵素を出して子宮内膜の細胞間の結合組織を溶かし、
子宮内膜内に侵入してきます。
この過程で、 「TGF-beta」 という物質が多すぎると、
その結合組織がケロイド的に硬くなって侵入を妨害してしまいます。
また、
侵入してきた胎児細胞は爆発的に分裂増殖する必要がありますが、
その分裂を調節する 「M-CSF」 という物質が少なすぎると、
十分に増殖できなくなってしまいます。
さらに、
胚移植後に過剰な緊張状態の中で日々、妊娠判定を待っていると、
アドレナリンの分泌過多により、
「NK(ナチュラルキラー)細胞」 が異常に活性化して、
胎児細胞を攻撃してしまいます。また、
その心理的ストレスが子宮内の 「らせん動脈」 を収縮させて,
胎児細胞への栄養補給を細くしてしまいます。
このように 「着床障害」 を不育症のひとつの形と考えれば、
それに適応した予防治療により、
有意な治療効果があると感じています。
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Posted at 2009-02-09 04:37
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Posted at 2009-02-09 14:32
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Posted at 2009-02-10 07:24
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