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- 35. 喜びと悲しみの瞬間:不安と緊張のクリニック(2)
妊娠初期のクリニック待合室では、
生きた心地がしないのではないでしょうか。
診察台に上がり、超音波検査を待つときは、
ただ、ただ、赤ちゃんを信じて、
すべての神仏に祈りをささげたい気分と思います。
赤ちゃんが順調に発育しているのかどうか、
胎のうが見えるどうか、
卵黄のうが見えるかどうか、
そして、
1〜2mmぐらいの赤ちゃんの心臓は動いているのかどうか。
どんどん大きくなり、心臓の動きも強くなっていく過程で、
ある日、
心臓の動きが止まっていたとき、
クリニックの時間も一瞬、止まります。
このような出来事の確率は、約15〜20%あるのです。
私とスタッフは、
診察台の超音波検査に向かうとき、
緊張のなかで、いつも、
心の中で、
手を合わせています。
「どうか、順調に育ってくれていますように」
と。
発育順調であれば、
つい、心の中で、
「よし!」
と叫んでいます。
反対に、
心臓の動きが止まっていれば、
一瞬、真っ白になってしまいます。
しかし、すぐに、
患者さんの心の動きを注視します。
一番、心の支えが必要なときですから。
このようなときの時間のとり方、
接し方、などは、
今でも、手探りの状態です。
私とスタッフ一同、
日々の精進の必要性を痛感しています。
喜びのときも、悲しみのときも、
このような瞬間に、
旦那さんが、
いっしょにいてくれたら、どんなに心強いことでしょう。
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